ビットコインの価格分析:『大荒れの伝統的金融市場とは裏腹にビットコインは落ち着いた動き』(10/1)

今週は幾分持ち直し、現在は281.3万円前後で推移しております。

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ビットコインの価格分析:『大荒れの伝統的金融市場とは裏腹にビットコインは落ち着いた動き』(10/1)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(9/25−10/1)のビットコイン円相場は、週初271.3万円で寄り付いた後、①大手企業による相次ぐ暗号資産ビジネスへの参入報道(米ナスダック社による機関投資家を対象とした暗号資産の保管・管理サービスの提供開始報道や、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラル社によるアセットマネージャーを対象とした暗号資産関連サービスの提供開始報道など)や、②ロシア政府・中銀による「暗号資産を国際決済に利用するための法案に概ね合意した」との一部報道、③暗号資産取引所最大手バイナンス社による日本市場参入検討、④英国初の金融市場不安定化(トラス新政権による大規模財政支出計画の発表→国債増発に伴う財政悪化およびインフレ加速懸念→英ポンドのトリプル安進行→英国資産を逃避目的でビットコインにシフトする動き)、⑤短期筋のショートカバーが支援材料となり、9/27にかけて、週間高値294.2万円まで上昇しました。

しかし、一目均衡表雲下限をバックに伸び悩むと、⑥米マイニング企業Compute North社による米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用申請や、⑦米当局者による相次ぐタカ派発言、⑧米長期金利の急上昇(米10年債利回りは一時、2010年4月以来となる4.01%へ急上昇→米ドル買い→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下落圧力)、⑨上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(ブルトラップ発生への失望感→ロングポジションの手仕舞い加速)が重石となり、翌9/28に、週間安値267.5万円まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、⑩英中銀が市場安定化を目的に緊急措置(一時的な長期国債買い入れ再開とQT開始期限の延期)を発表したことや、⑪上記⑩を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは4.01%から3.69%へ急低下→米ドル売り→ビットコイン上昇)、⑫リスク回避ムードの幾分後退が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/1午前8時45分現在)では、281.3万円前後まで持ち直す動きとなっております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、200日移動平均線、90日移動平均線、21日移動平均線の全てを下回る冴えない動きが続いております(週前半および週後半に一時的に上昇した局面でも90日移動平均線がレジスタンスとして確り機能)。SMAベース(単純移動平均線)、EMAベース(指数平滑移動委平均線)共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)が継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(強力なレジスタンスとして意識されている90日移動平均線を突破しない限り、上値余地は限定的)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場はボリンジャーミッドバンド下側での推移が続いております(ボリンジャーミッドバンドがレジスタンスとして機能)。ミッドバンドの傾きも緩やかな「右肩下がり」を維持しているため、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。伝統的金融市場が2週続けて大荒れ状態になっているにも係わらず、ビットコイン円相場は平静さを保っているため、来週はボラティリティ・ブレイクアウト(260−300万円レンジからの脱却)に警戒が必要でしょう。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は一目均衡表基準線や雲下限をバックに上値の重い展開が続いております(週前半および週後半に一時的に上昇した局面でも一目均衡表基準線と雲下限がレジスタンスとして確り機能)。また、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の成立に必要となる3条件の内、既に2つ(ローソク足の雲下限下抜けと、転換線と基準線のデッドクロス)は既に達成できているため、来週は残る1つの条件である「遅行線の26日前のローソク足下抜け」が達成されるか否かに注目が集まります。当方試算によると10/6頃の三役逆転成立が見込まれることから、来週後半以降の地合いの悪化に警戒が必要でしょう。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は全ての時間軸が中立圏である30%−70%ゾーンに収まるなど、買われ過ぎ・売られ過ぎ共に過熱感は確認できません。但し、日足RSIにダイバージェンス(ローソク足のトレンドとRSIのトレンドが逆行する現象)が発生しているため、ビットコイン円相場のトレンド転換リスクには念のため注意が必要でしょう。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は9/13に記録した直近高値323.7万円(8/17以来、約1ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、9/21に、約2ヵ月半ぶり安値となる261.6万円(7/13以来の安値圏)まで急落しましたが、今週は幾分持ち直し、現在は281.3万円前後で推移しております。但し、上方に複数のレジスタンスポイント(90日移動平均線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲下限など)を控えている他、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(遅行線の26日前のローソク足接触を経て、三役逆転は消失しましたが、10/6頃に再点灯する可能性が高いため、来週後半以降は地合いが再び悪化するシナリオを想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①米FRBによるタカ派傾斜観測(米当局はインフレ抑制を目的に利上げスタンスを積極的に継続する構え)や、②英国による緊急安定化措置の賞味期限切れへの警戒感(9/28に発表された英中銀による緊急安定化措置を受けて市場はひとまず落ち着きを取り戻したものの、国債買い入れ期限である10/14やQT開始期限である10/31に向けて再び金融市場が不安定化する恐れあり)、③上記①②を背景としたグローバルなリスクオフ再開懸念、④相次ぐセキュリティインシデントに端を発した世界的な規制強化の思惑(パウエルFRB議長は9/27に「暗号資産に対するより適切な規制が必要」との見解発表)、⑤エネルギー危機発生に伴う「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」採用通貨への逆風継続(英ケンブリッジ大学が発表した「ケンブリッジ・ビットコイン電力消費指数」によると、ビットコイン採掘に係るエネルギー源構成は化石燃料を中心に排出量に強い悪影響があると警告→電力問題を理由にビットコインからイーサリアムなどPOS通貨へ投資家マネーがシフトする恐れ→BTCドミナンスの低下圧力)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(260万円付近に位置する強力な支持帯を下抜けられれば、6/18に記録した年初来安値237.6万円が射程圏内に)。

一方、リスクシナリオ(メインシナリオに反してビットコインが上昇するストーリー)としては、「デジタル・ゴールド」的な位置づけでビットコイン相場への資金流入が活発化するシナリオが意識されます。今週は9/26に発生した英ポンド暴落時に、英ポンドからビットコインへの逃避行動が明らかとなりました(市場分析会社カイコ・リサーチ社は、9/26の英ポンド急落時に対英ポンドでのビットコイン取引高が過去最高水準に達したことを発表)。従来から謳われていたビットコインの「デジタル・ゴールド」的な捉え方であり、見過ごすことは出来ない現象だったと考えられます。現時点で評価を下すことは難しいものの、政府・中銀による相次ぐ信認低下が、無国籍通貨ビットコインへの資金流入を促す蓋然性は否定できず、今後は「政府・中銀による失策露呈→逃避目的のビットコイン買い」といった波及経路にも注視しておく必要性がありそうです。

特に10月はアノマリー的に暗号資産に追い風が吹く傾向にあるため、上記のような反応(法定通貨からビットコインへの逃避)が複数回見られるようであれば、当方の相場見通しもベアからブルに変更したいと考えております。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 255.0万円−305.0万円

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