ビットコインの価格分析:『週末にかけて反落も底堅さを堅持。地合いの好転に期待』(10/8)

今週後半にかけて一時295.5万円(9/14以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直す動きとなりました。

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ビットコインの価格分析:『週末にかけて反落も底堅さを堅持。地合いの好転に期待』(10/8)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(10/2−10/8)のビットコイン円相場は、週初279.6万円で寄り付いた後、①金融大手クレディ・スイスを巡る破綻危機への警戒感(クレジット・デフォルト・スワップのスプレッドが急拡大)や、②トラス政権が打ち出した大型減税に端を発した英国で広がる金融不安、③上記①②を背景とした伝統的金融市場のリスクオフ(市場心理悪化→リスクアセット下落)が重石となり、翌10/3早朝に、週間安値274.2万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、④岸田首相による「メタバース、NFTを活用したWeb3.0サービスの利用拡大に向けた取り組みを進める」との所信表明演説や、⑤英政府による大型減税案の一部撤回報道(上記②で示した英国発の金融不安が幾分後退)、⑥豪中銀による予想より小幅な利上げ実施(50bpの利上げ予想に対して結果は25bpの利上げ)、⑦米経済指標(米ISM製造業景況指数及び米JOLTS労働力調査)の不冴な結果、⑧上記⑤⑥⑦を背景とした米長期金利の急低下(各国中銀が金融引き締め姿勢を緩めるのではないかとの期待感→米10年債利回りは9/22以来となる3.56%へ急低下→米ドル指数も9/21以来となる安値圏へ急落→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、

⑨10月上昇アノマリーへの期待感(ビットコイン相場はヒストリカル的に見て10月に上がり易い傾向→個人投資家マネーの流入加速)、⑩ビットコインハッシュレートの史上最高値更新(大手マイナーによる積極採掘姿勢)、⑪対ドルの節目20000ドル回復に伴う地合いの好転、⑫市場心理改善に伴う世界的なリスクオン(米金利低下→市場心理改善→株高・リスクアセット上昇)、⑬米テスラ社のイーロン・マスクCEOによるツイッター買収提案復活報道(ドージコイン高騰→暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値295.5万円(9/14以来、約3週間ぶり高値圏)まで上昇しました。もっとも、一目均衡表雲下限や、対円の節目300.0万円をバックに伸び悩むと、⑭上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(利食い売り)や、⑮ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「積極的な利上げを一時停止するのはかなり先」との市場で燻る利上げ休止観測を牽制する発言、

⑯米雇用統計の力強い結果、⑰米金利上昇に伴うドル買い再燃(米10年債利回りは10/4に記録した3.56%から週末にかけて3.90%へ急上昇→米ドル指数も10/4に記録した安値109.965から112.775まで急上昇)、⑱上記⑰を背景とした世界的なリスクオフ再開(欧米株急落→資産現金化需要のドル買い再開→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、⑲暗号資産交換業大手バイナンス社による約5.7億ドル相当のハッキング被害発表が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/8午後4時15分現在)では、283.6万円前後で推移しております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、21日移動平均線の上方ブレイクに成功すると、一時90日移動平均線を試す動きとなりましたが、結局同水準突破には至らず、週末にかけて反落する動きとなりました(但し、21日移動平均線がサポートとして機能)。SMAベース(単純移動平均線)、EMAベース(指数平滑移動委平均線)共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)が継続しているものの、下値が着実に切り上がってきているため(21日移動平均線も90日移動平均線も傾きが下落から横ばいに転じているため)、テクニカル的に見て、地合いの好転を期待させるチャート形状となりつつあります。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場はボリンジャーミッドバンドを上方ブレイクし、一時ボリンジャーバンド上限に接触する場面も見られましたが、結局週末にかけて反落する動きとなりました。但し、ボリンジャーミッドバンドがサポートとして機能した他、ミッドバンドの傾きも「右肩下がり」から「横ばい」へ転じており、テクニカル的に見て、地合いの好転を期待させるチャート形状となりつつあります。バンド幅が極度に狭まる状態が続いているため、来週はボラティリティ・ブレイクアウト(260−300万円レンジからの脱却)に引き続き警戒が必要でしょう。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は一目均衡表転換線を上抜けすると、週央にかけて一目均衡表基準線や雲下限を試す場面も見られましたが、結局週末にかけて反落する動きとなりました。但し、一目均衡表転換線がサポートとして機能した他、来週初には遅行線の26日前のローソク足接触を経て、一目均衡表三役逆転の消失も見込まれるため、テクニカル的に見て、地合いの好転を期待させるチャート形状となりつつあります。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は中立圏(30%−70%のニュートラルゾーン)での推移が継続しており、買われ過ぎ・売られ過ぎ共に過熱感は見られませんが、日足RSIにダイバージェンス(ローソク足のトレンドとRSIのトレンドが逆行する現象)が発生しているため、ビットコイン円相場のトレンド転換に引き続き期待が集まっております(下落トレンド終焉への期待感)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は9/21に記録した約2ヵ月半ぶり安値261.6万円(7/13以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて一時295.5万円(9/14以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直す動きとなりました(週末にかけて反落するも押し目は浅く、現在は283.6万円前後で底堅く推移)。上方に複数のレジスタンスポイント(90日移動平均線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲下限など)が残っているものの、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の消失が見込まれているため、来週は地合いの好転と共に、上述のレジスタンスラインを再度試すシナリオが警戒されます(上昇トレンドの始まりを期待させるチャート形状。10月に入って作られた俄かロングがストップアウトさせられた後に上昇基調が強まる意地悪な相場展開を想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、➀ビットコインの10月上昇アノマリーや、②個人投資家の流入期待(8月・9月とFXに流れていた個人投資家マネーが、ドル円のボラティリティ低下を嫌気する形で暗号資産市場に回帰するとの期待感)、③世界的な金融引き締めスタンスの後退期待、④オプション市場のアップサイドを織り込む動き(ブルスプレッドやコールバタフライの活発な取引)、⑤ビットコインのデジタル・ゴールドとしての役割復活期待(政府・中銀の失策時の逃避先として無国籍通貨ビットコインが選好される波及経路)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料がじわじわと増えつつあります。こうした中、来週は、⑥10/12に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議や、⑦10/13の米9月消費者物価指数、⑧10/14の英国の緊急国債買い入れ期限に注目が集まります。当方はG20でドル高に関するディスカッションが行われると予想しているため、G20通過後にドル高是正の動きが強まる展開を見ています(イエレン財務長官は10/6に「ドル高に伴う為替変動がもたらす潜在的な影響に留意している」と発言)。

また、米CPIも鈍化が見込まれているため、インフレピークアウト期待が再開し、米金利低下→米ドル売りの流れに繋がる可能性が警戒されます。さらに、10/14に期限が到来する英国による緊急国債買い入れ措置も延期される可能性が高いため、世界的な金利低下→米金利低下→米ドル売りの流れが一時的に強まると見ています。以上3つの材料を以って、来週はドル売り再開が意識されるため、米ドルと逆相関性の強いビットコインには上昇圧力が加わると予想いたします(一目均衡表雲下限や90日移動平均線、対円の節目300.0万円を試すシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 260.0万円−300.0万円

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