ビットコインの価格分析『悪材料出尽くしで反発も上値余地は限定的か。反落リスクに要注意』(10/14)

ビットコイン円相場は米CPI後に安値268.1万円(9/28以来の安値圏)まで下げ幅を広げるも、週末にかけて293.4万円まで持ち直す動きとなりました。

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ビットコインの価格分析『悪材料出尽くしで反発も上値余地は限定的か。反落リスクに要注意』(10/14)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(10/9−10/14)のビットコイン円相場は、週初282.5万円で寄り付いたあと、①10/7に発表された米9月雇用統計の良好な結果や、②上記①を背景とした米利上げ休止期待の剥落、③ブレイナードFRB副議長によるタカ派的な発言、④Solana基盤の分散型取引所Mango Marketsでの約1億ドルの不正流出被害、⑤米JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOによる暗号資産に対する非難発言(分散型ポンジ・スキーム)、⑥チェイナリシス社による「本年10月は暗号資産セクターでのハッキング被害が過去最大を記録した」との分析結果、⑦米9月消費者物価指数および米9月消費者物価コア指数の市場予想を上回る結果、⑧上記①⑦を背景とした米FRBによるタカ派傾斜観測(次回11月FOMCでの75bp利上げが完全に織り込まれると共に一部で100bpの利上げ観測も浮上)、⑨米長期金利の急上昇とそれに伴うドル買い圧力(米10年債利回りが2008年10月以来、約14年ぶり高水準となる4.07%へ急上昇)、⑩上記⑨を背景とした株式市場の急反落(市場心理悪化→リスクアセット下落)が重石となり、週後半にかけて、週間安値268.1万円(9/28以来、約2週間ぶり安値圏)まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、⑪悪材料出尽くしに伴う短期筋のショートカバーや、⑫米長期金利の急低下(米10年債利回りが4.07%から3.86%へ急低下)、⑬上記⑫を背景とした株式市場の持ち直し(市場心理回復→リスクアセット上昇)、⑭10月上昇アノマリーへの期待感(個人投資家の流入期待)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値293.4万円まで反発しました。海外勢参入後も底堅さを維持し、本稿執筆時点(日本時間10/14午後10時00分現在)では、292.3万円前後で推移しております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、21日移動平均線の上方ブレイクに成功すると、週末にかけて、90日移動平均線を試す動きとなりましたが、先週に続き今週も、同水準突破には至りませんでした。SMAベース(単純移動平均線)、EMAベース(指数平滑移動委平均線)共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)が継続する中、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(90日移動平均線を突破できれば、21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロスが視野に入るため、地合いの好転が期待されるが、直近1ヵ月に亘って90日移動平均線が強力なレジスタンスとして機能し続けているため、余程強いビットコイン買い材料が出てこない限り、同水準突破は容易では無いと整理)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場はボリンジャーミッドバンドを挟んで方向感に欠ける値動きが続いております。約1ヵ月間にわたり260.0−300.0万円レンジが続いていることで、ボリンジャーバンドが極度に狭まるスクィーズ状態が観測されており、来週はエクスパンション(スクィーズ状態からバンド幅が拡大する動き=ボラティリティの拡大)の発生に注意が必要でしょう(当方はダウンサイドへのエクスパンション発生を想定)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、一目均衡表基準線および転換線を上抜けすると、週後半にかけて、一目均衡表「雲」突破を試す動きとなりましたが、先週に続き今週も、一目均衡表雲下限に続伸を阻まれる形で失速しました。強い売りシグナルを示唆する三役逆転は既に解消されているものの、来週は上方から一目均衡表「雲」が垂れ下がってくるため、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は、日足・週足・月足の全てのテナーで中立状態(30%−70%のニュートラルゾーン)が続いております。買われ過ぎ・売られ過ぎ共に過熱感は見られず、また、8月から9月頃に発生していた日足RSIのダイバージェンス(ローソク足のトレンドとRSIのトレンドが逆行する現象)も解消されているため、現在はRSIから相場の方向性に関する示唆を得ることが出来ない状態となっています。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は米CPI後に安値268.1万円(9/28以来の安値圏)まで下げ幅を広げるも、週末にかけて293.4万円まで持ち直す動きとなりました。この間、ローソク足が一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を期待させるチャート形状となりつつありますが、上方には強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されている90日移動平均線や一目均衡表雲下限が控えているため、余程強いビットコイン買い材料が出てこない限り、ここからの更なる続伸は容易では無いと考えられます。

ファンダメンタルズ的に見ても、①米FRBによるタカ派傾斜観測(次回11月FOMCでの75bp利上げ観測に留まらず、100bp利上げ実施の思惑や、12月FOMCでの連続75bp利上げの思惑が浮上)や、②英国財政を巡る不確実性(新財務相にハント氏が任命されたとの報道があるが先行き不透明感が残存)、③上記①②を背景としたグローバルなリスクオフ再開懸念、④相次ぐセキュリティインシデントに端を発した世界的な規制強化の思惑(10月は暗号資産セクターでのハッキング被害が急増→規制強化ムードを高まる恐れ)、⑤エネルギー危機発生に伴う「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」採用通貨への逆風継続(BTCドミナンスの低下圧力)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

米バンク・オブ・ニューヨーク・メロンによるカストディサービスに暗号資産を追加したとの発表や、米グーグルによる2023年初めにも自社のグーグルクラウドサービスの代金を暗号資産で支払えるようにするとの発表など、好材料も散見されるが、目先は上記理由を背景にビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(10月上昇アノマリーを背景に、ファンダメンタルズを無視した楽観ムードが漂っているため、来週はこうした俄かロングを振るい落とすやや深めの下落が発生するシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 250.0万円−310.0万円

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