ビットコイン円、バイナンス社とFTX社の対立先鋭化懸念で下落
〇ビットコイン円、アジア時間の高値311.8万円から米国時間にかけ安値302.1万円まで下落
〇中国のコロナ規制継続、米国のIT企業で相次ぐリストラ、バイナンスとFTXの対立等が背景
〇米国時間引けにかけて米長期金利が再び上昇に転じたことも重石
〇本日はビットコイン円相場の下落を警戒
〇本日の予想レンジ:290.0万円ー310.0万円
昨日の概況
週明け7日(月)のビットコイン円相場は上値の重い展開。アジア時間早朝にかけて、高値311.8万円まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、中国保健当局による「ダイナミックゼロコロナ」政策の堅持再表明(コロナ規制緩和期待の後退)や、Twitter社によるサプライズ的な大規模リストラ発表(メタ社も今週中に数千人規模の人員削減検討)、上記を背景とした市場心理の悪化、暗号資産取引所の二大巨頭であるバイナンス社とFTX社に関する一連の騒動(バイナンス社CEOのCZ氏が「バイナンスが保有するFTXトークンを全て売却する」とツイート発信→FTTを中心にアルトコインに下押し圧力→ビットコイン連れ安)が重石となり、米国時間(日本時間23時過ぎ)にかけて、安値302.1万円まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、欧米株の堅調推移(市場心理改善)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/8午前5時00分現在)では、305.6万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は、11/5に記録した約1ヵ月半ぶり高値314.8万円(9/13以来の高値圏)をトップに反落に転じると、昨日は一時302.1万円まで下落しました。重要イベント(米中間選挙や米10月消費者物価指数)を控えたポジション調整に加えて、上述の通り、バイナンス社CEOのCZ氏とFTX社CEOのサム・バンクマン・フリード氏の対立先鋭化の騒動がビットコイン円相場に影を落とす形となっております。事の発端は、FTX社のサム・バンクマン・フリード氏が展開するアラメダリサーチ財務懸念に対し、バイナンス社CEOのCZ氏が前回のLUNAショックを引き合いに出しつつ、バイナンス社が所有するFTTを全額売却する(we have decided to liquidate any remaining FTT on our books)とツイートしたことに始まります。
アラメダリサーチ社CEOのキャロライン・エリソン氏は当該ツイートに返信する形で「バイナンスから22ドルで買い取る(if you're looking to minimize the market impact on your FTT sales, Alameda will happily buy it all from you today at $22!)」と発表しましたが、市場ではその原資を用意するために手持ちのBTCやETHを売却するのでは?との思惑が根強く、暗号資産市場全体に下押し圧力を加える展開に繋がっております。暗号資産業界の二大巨頭であるバイナンス社CZ氏とFTX社サム・バンクマン・フリード氏の対立先鋭化に加えて、米国時間引けにかけて米長期金利が再び上昇に転じたことも重石になると見られ、本日はビットコイン円相場の下落を警戒いたします(状況次第では心理的節目300.0万円を割り込む恐れあり)。
本日の予想レンジ:290.0万円ー310.0万円
注:ポイント要約は編集部
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