ビットコインの価格分析:『FTX危機発生でビットコインは約2年ぶり安値圏へ大暴落』(11/11)

暗号資産交換業者FTX社の経営破綻危機に端を発した市場心理の急速な悪化に伴い、今週は約2年ぶり安値となる228.8万円まで暴落する大相場が繰り広げられました。

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ビットコインの価格分析:『FTX危機発生でビットコインは約2年ぶり安値圏へ大暴落』(11/11)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週のビットコイン円相場は、週初312.5万円で寄り付いた後、早々に週間高値313.2万円まで上昇しました。しかし、11/5に記録した直近高値314.8万円をバックに戻り売り圧力が強まると、(1)中国保健当局による「ダイナミックゼロコロナ政策」の堅持再表明(コロナ規制の緩和期待後退)や、(2)Twitter社やメタ社など米テック企業による相次ぐサプライズ的な大規模リストラ発表(米テック神話の崩壊懸念)、(3)暗号資産取引所最大手の一角であるFTX社の姉妹会社であるアラメダ・リサーチ社を巡る財務懸念発生(バイナンスCEOのCZ氏が11/7に「バイナンスが保有するFTXトークンを全て売却する」とツイート発信→FTT急落→アラメダリサーチCEOのキャロライン・エリソン氏は当該ツイートに返信する形で「バイナンスからFTTトークンを22ドルで買い取る」とツイート→市場はアラメダリサーチにFTTを買い取る原資など無く口先だけの「はったり」であると判断→暗号資産市場崩壊)、

(4)上記を背景とした投資家心理の急速な悪化、(5)暗号資産業界全体に広がる信用不安連鎖への警戒感(FTXが発行する株式や暗号資産FTTに投資していた企業やヘッジファンドの連鎖倒産懸念)、(6)世界最大の暗号資産取引所バイナンス社によるFTX救済見送り(バイナンスは11/10に「当社はFTX の買収の可能性を追求しないことを決定した」とツイート)、(7)上記を背景としたFTXの倒産リスク急上昇、(8)オプション市場の大規模ショートガンマが重石となり、週後半にかけて、2020年12月17日以来、約2年ぶり安値となる228.8万円まで急落しました。(9)米CPIの鈍化を背景とした米金利低下・リスクオン再開の影響で週末にかけて幾分持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/11午後4時30分現在)では、246.3万円前後で推移しております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足は21日移動平均線および90日移動平均線を下抜けしました。EMA(指数平滑移動平均線)ベースで、21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロスが実現したため、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)も成立しました。SMA(単純移動平均線)ベースのデッドクロスは現時点で未実現であるものの、向こう数日以内に実現する可能性が高いことから、テクニカル的に見て、地合いの急速な悪化(中長期下落トレンドの始まり)が警戒されます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足はボリンジャーミッドバンドを下抜けしました。ミッドバンドの傾きが右肩下がりに転じていることや、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォーク(ローソク足がボリンジャーバンド下限に沿って下落し続けるチャート形状)が成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの急速な悪化(中長期下落トレンドの始まり)が警戒されます。また、バンド幅もスクィーズ状態からの上放れ(エクスパンション)が観測される為、ボラティリティの拡大にも注意が必要でしょう(低ボラティリティ環境の終焉→ダウンサイドへの更なるボラティリティブレイクアウトに要注意)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足は一目均衡表転換線および基準線、一目均衡表雲上限および雲下限を軒並み下抜けしました。遅行線の26日前のローソク足下抜けを経て、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も再点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの急速な悪化(中長期下落トレンドの始まり)が警戒されます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は、約5ヵ月ぶりに過熱感(売られ過ぎ感)を示唆する30%ゾーンを割り込みました。但し、弱気のバンドウォーク発生中(本格的な下落トレンド発生の可能性が高い状況下)は、オシレータ系インジケータが機能しづらくなる傾向があるため、安易な逆張り(値頃感での押し目買い)には注意が必要でしょう(トレンド発生中は「逆張り」より「順張り=戻り売り」が有効であるという考え方)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は約1カ月半に亘り続いた「260.0万円−300.0万円」レンジを上抜けすると、11/5に約1カ月半ぶり高値となる314.8万円まで上昇しましたが、世界第二位の大手暗号資産交換業者FTX社のサプライズ的な経営破綻危機に端を発した市場心理の急速な悪化に伴い、今週は約2年ぶり安値となる228.8万円まで暴落する歴史的大相場が繰り広げられました。上述の通り、ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下抜けしていることや、強い売りシグナルを示唆するEMAベースの弱気のパーフェクトオーダー、弱気のバンドウォーク、一目均衡表三役逆転が成立しているため、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)暗号資産業界で最も人気があった大手暗号資産交換業者のFTX社が僅か数日で経営破綻寸前へと追い込まれていること(業界そのものに内在する脆弱性に対する失望感)や、(2)上記を背景とした投資家心理の急速な悪化(大規模ロスカット→マージンコール大量発生の悪循環)、

(3)システムミックリスク発生への警戒感(FTX社には、「セコイア・キャピタル」「ブラックロック」「タイガー・グローバル・マネジメント」「ソフトバンクグループ」「サード・ポイント」「アルティメーター・キャピタル・マネジメント」「オンタリオ州教職員年金基金」「ブレバン・ハワード・アセット・マネジメント共同創業者のアラン・ハワード氏」「資産家ポール・チューダー・ジョーンズ氏」「ミレニアム・マネジメント創業者のイジー・イングランダー氏」「コインベース」「VanEck」「サークス」など、数多くの著名企業・ヘッジファンド・ベンチャーキャピタル・投資家が出資済み→FTX社が破綻に陥る場合には連鎖倒産など業界に大きな影を落とすリスクあり)、(4)世界的な規制強化の思惑(既に米証券取引委員会や米商品先物取引委員会などがFTXの顧客資金管理方法やアラメダ・リサーチとの関係性などについて調査実施→業界最大手クラスの破綻危機を受けて暗号資産業界の規制強化の動きに拍車がかかる恐れ)、

(5)暗号資産オプション市場の巨大ショートガンマ(BTCオプション市場でインプライドボラティリティの気配値が高騰すると共に、リスクリバーサルのBTCプットオーバーも急拡大→ガンマ供給を担ってくれるマーケットメーカーが体力低下で急減しており、オプション・ショート勢はオプションを買い戻すことが困難な状態→従って、オプション勢はスポットが下がれば下がるほどBTCをロスカットせざるを得ない苦しいポジション構造)など、ビットコイン円相場の更なる下落を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続落を来週のメインシナリオとして予想いたします(来週もFTX社を巡る報道に揺さぶられる不安定な値動きの継続を想定。状況次第で対ドルの15000ドルや、対円の200.0万円を割り込む恐れあり)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 185.0万円−285.0万円

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