ビットコイン円、約1週間ぶり安値圏へと再び下落。ダウンサイドリスクに要警戒
〇ビットコイン円、FTX社破綻の余波とドル買い圧力の高まりに米国時間にかけ221.7万円まで下落
〇上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下り、強い売りシグナルが全て成立、地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズもFTX者破綻の影響甚大、機関投資家、個人投資家の暗号資産離れ広がる
〇引き続き、ビットコイン円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:210.0万円ー240.0万円
昨日の概況
週明け21日(月)のビットコイン円相場は冴えない動き。(1)暗号資産取引所大手FTXトレーディングの破綻に伴う余波の継続(同社が11/19に米東部デラウェア州の連邦破産裁判所に提出した資料の中で、同社グループが大口債権者上位50名に対して負っている無担保債務の総額が約31億ドルに上ることが判明→悪影響が業界全体に広がる懸念)や、(2)約2億8800万ドル相当のETHを保有するFTXハッカーによるETHの売却観測(アルトコイン相場への下押し圧力→暗号資産市場全体に広がる悲観ムード)、(3)FTX破綻の煽りを受けた連鎖破綻続出への警戒感(暗号資産レンディング大手のジェネシスやブロックファイ、暗号資産取引所大手ジェミニが運営する暗号資産レンディングサービス「ジェミニ・アーン」などの連鎖破綻懸念)、(4)対主要通貨でのドル買い圧力(米当局者による相次ぐタカ派的な発言→米ドル指数が11/11以来の高値圏へ急上昇→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、11/14以来、約1週間ぶり安値となり221.7万円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/22午前6時10分現在)では、225.0万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は一時221.7万円まで下落するなど、11/14に記録した約2年ぶり安値221.0万円(2020年12月以来の安値圏)に迫る動きとなりました。上方より複数のレジスタンスポイントが急ピッチに垂れ下がってきている点や、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が全て成立している点などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)FTX社経営破綻に端を発した暗号資産業界そのものに対する影響度の大きさ(FTXに出資していたベンチャーキャピタルなど投資家に対する悪影響+FTX自身が出資していたスタートアップポートフォリオに対する悪影響+FTX社とビジネス上の関係性の深い暗号資産関連事業者に対する悪影響+FTX社に資産を預けていた個人投資家等への悪影響)や、(2)上記に伴う機関投資家および個人投資家の半永久的な暗号資産離れ、(3)暗号資産関連事業者の連鎖倒産発生懸念、(4)世界的な規制強化の思惑など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(FTXショック発生後の焼野原状態=膠着商状から少しずつ動意を取り戻しつつある為、ここから先は下落相場再開リスクに要警戒。11/14に記録した約2年ぶり安値221.0万円を下抜けできれば、対円の節目200.0万円や対ドルの節目15000ドル割れに向かって一気に下げ足を速める恐れあり)。
本日の予想レンジ:210.0万円ー240.0万円
注:ポイント要約は編集部
- 関連通貨:
関連記事
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.03.28
ビットコイン円、米CFTCによるバイナンス社およびCZ氏提訴の報道で急反落(3/28朝)
週明け27日(月)のビットコイン円相場は急反落。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:中島 光牙
2023.03.27
「顧客保護」強まる、5月の広島サミットまでに規制推進の動き(月報23/3)
昨年11月に大手暗号資産交換所のFTXトレーディング(以下、FTX)が経営破綻して以降、米国を中心に暗号資産の規制推進の話は既定路線となっている。
-
-