ビットコイン円、約2年ぶり安値更新後に持ち直す展開。但しリスクは依然下方向(11/23朝)

22日(火)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す展開。

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ビットコイン円、約2年ぶり安値更新後に持ち直す展開。但しリスクは依然下方向(11/23朝)

ビットコイン円、約2年ぶり安値更新後に持ち直す展開。但しリスクは依然下方向

〇ビットコイン円FTXの破綻ドミノ懸念、ハッキングされたイーサリアムの売却観測に220万円まで下落
〇売り一巡後は米国時間に230.4万円まで反発
〇ジェネシス社の破産法適用申請否定、ドル売り再開、CZ氏の基金設立の動き等がサポート
〇ビットコイン円前回同様220万円前後で下げ止まるが、テクニカルの地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズもFTX破綻に伴う連鎖倒産の可能性払しょくできず、市場心理の好転望めず
〇ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:210.0万円ー240.0万円

昨日の概況

22日(火)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す展開。(1)暗号資産取引所大手FTXトレーディング破綻に伴う市場心理の急速な悪化や、(2)FTXハッカーによるイーサリアムの売却観測(アルトコイン相場の下落を通じた暗号資産市場全体に広がる悲観ムード)、(3)米ブルームバーグ社による「暗号資産関連事業者の米ジェネシス社が新規資金調達に失敗すれば破産法適用申請の可能性あり」との破綻ドミノを連想させる報道、(4)対主要通貨でのドル買い圧力(米ドル指数が11/11以来の高値圏へ急上昇→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、2020年12月16日以来、約2年ぶり安値となる220.0万円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると(11/14に記録した安値221.0万円とほぼ同水準で下げ渋ると)、(5)ジェネシス社による「直ちに破産法の適用申請を行う計画はない」との否定発言や、(6)対主要通貨でのドル売り再開(米金利低下→米ドル指数急反落→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、(7)株式市場の堅調推移(リスク回避ムード後退)、(8)バイナンス社CEOのCZ氏が暗号通貨業界の回復を目的とした基金についてアブダビの投資家と面談しているとの一部報道が支援材料となり、米国勢参入後に、高値230.4万円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/23午前3時50分現在)では、227.9万円前後で推移しております。

本日の見通し

ビットコイン円相場は11/14に記録した直近安値221.0万円を下抜けすると、約2年ぶり安値となる220.0万円(2020年12月16日以来の安値圏)まで下げ幅を広げましたが、結果的に前回とほぼ同水準で下げ渋った後持ち直す動きとなりました。対円の220万円前後の水準と、対ドルの15500ドル前後の水準が市場参加者に意識されている証左と言えそうです。但し、上方より複数のレジスタンスポイントが垂れ下がってきていることや、強い売りシグナルを示唆するチャートフォーメーション(弱気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役逆転、ダウ理論の下落トレンドなど)が複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます(一巡後の急反落リスクに要警戒)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、FTXショックに伴う連鎖破綻の足音が目前に迫りつつあること(暗号資産関連企業のジェネシス社が窮地に立たされていることや、その余波がグレースケールにも及ぶ恐れがあること)や、上記を背景とした世界的な規制強化の思惑(英中銀カンリフ副総裁は11/21に「FTXの経営破綻は暗号資産業界を規制の枠内に組み込む必要性があることを示している」と発言)、機関投資家・個人投資家の暗号資産離れ(デジタル資産運用会社コインシェアーズは11/21に暗号資産市場の下落にベットする金融商品への機関投資家からの資金流入が過去最大規模に達したと発表)など、ビットコイン円相場の更なる下落を連想させる材料が揃っています。

本邦においても、FTXジャパンからの出金を巡る先行き不透明感が継続している他、週刊ダイヤモンドよりFTXショックをトリガーに本邦の大手暗号資産交換業者であるコインチェックの資金繰り悪化懸念が浮上しているとのスクープ記事も掲載されるなど、市場心理悪化に繋がる材料(個人投資家が暗号資産はもう懲り懲りと感じる材料)が散見されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(現時点では悪材料出尽くし感に至ってないため、ある程度の達成感が出てくるまでは軟調推移が続く見通し)。

本日の予想レンジ:210.0万円ー240.0万円

注:ポイント要約は編集部

ビットコイン円、約2年ぶり安値更新後に持ち直す展開。但しリスクは依然下方向

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