ビットコイン円、米感謝祭前のポジション調整も相俟って一時4日ぶり高値圏へ上昇
〇ビットコイン円、米金利低下によるドル売り、株価の堅調等に米国時間に235.5万円まで上昇
〇その後は前日報じられた、バイナンス社CEOの基金設立資金集めが否定され228万円まで下落
〇11/14安値と11/22安値を起点としたダブルボトムが完成しつつあり、目先は上昇リスクも
〇但し、アップサイドに複数のレジスタンスポイントが控え、強い売りシグナルも成立、上値余地乏しいか
〇ファンダメンタルズも、FTXに絡む一連の騒動に何一つ進展が見られず、相場の重しに
〇ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想、
〇本日の予想レンジ:215.0万円ー245.0万円
昨日の概況
23日(水)のビットコイン円相場は底堅い動き。(1)本邦祝日(勤労感謝の日)に伴う市場参加者の減少(売り圧力の減退)や、(2)米感謝祭(Thanksgiving-Day)を控えたポジション調整、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好ムード)、(5)日本経済新聞による「日銀がデジタル円の発行に向けて3メガバンクや地銀と実証実験を行う調整に入った」との報道が支援材料となり、米国時間早朝にかけて、高値235.5万円まで上昇しました。
もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)FTXショックの余波に対する警戒感(連鎖倒産への警戒案)や、(7)バイナンス社CEOのCZ氏が、前日に報じられた「暗号資産業界の回復を目的とした基金の資金集めについてアブダビの投資家と面談している」とのヘッドラインをツイッターで「False」と否定したこと等が重石となり、米国時間午後にかけて、安値228.0万円まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/24午前6時00分現在)では、230.7万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は11/22に記録した約2年ぶり安値220.0万円(2020年12月16日以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は一時235.5万円まで上昇しました。11/14に急落した際にも同水準で下げ渋った後、反発に転じており、同水準(対円の220.0万円前後や対ドルの15500ドル前後)が市場参加者に意識されていることが確認できます。結果として、11/14安値と11/22安値を起点としたダブルボトムが完成しつつあり、目先は短期的な上昇リスクに念のため警戒が必要でしょう。但し、アップサイドに複数のレジスタンスポイントが控えていることや、強い売りシグナルを示唆する「弱気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。
よって、ダブルボトムを意識した仕掛け的なビットコイン買いや、それに伴う短期筋のショートカバーが一時的に強まったとしても、長い上髭を残す「騙し上げ(ブルトラップ)」の発生リスクが高いことから、高値圏での突っ込み買い(上値追い)は極力避けた方が良さそうです。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)FTXに絡む一連の騒動に何一つ進展が見られていないことや、(2)FTXとビジネス上の関係性の深かった事業者の破綻ドミノが年末に向けて急増する恐れがあること、(3)上記を背景とした世界的な規制強化の思惑(米国・日本・欧州・英国を中心に暗号資産に関する規制強化がグローバルに強まる方向性)、(4)レギュレーションコスト増大に伴う関連事業者のビジネス撤退リスク、(5)機関投資家・個人投資家の暗号資産離れの加速懸念(米金利低下・米ドル安→グローバルな株高の流れが到来しているにも係わらずビットコイン相場が殆ど反応していないことからも、暗号資産市場から市場参加者が撤退していることを示唆)など、ビットコイン円相場の反落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ダブルボトムが意識されているため、一時的に上昇する可能性はあるものの、結果的にブルトラップを経て急反落に転じるシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:215.0万円ー245.0万円
注:ポイント要約は編集部
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