FTXと広告
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:16495.6ドル(+1.43%)
イーサリアム:1222.22ドル(+4.01%)
リップル:0.40203ドル(+4.07%)
ビットコインキャッシュ:111.3ドル(+1.00%)
【概況】
昨日の暗号資産取引は、ビットコインが上昇しての推移となっています。米株の上値の重い展開や米国債利回りの上昇、ドルインデックスの上昇など売られやすい地合いとなりましたが、買い戻しの動きが意識されて底堅い動きが展開されました。FTXなどの破綻やその余波が懸念されるところではありますが、目先は様子見ムードが意識されており、方向感の見えにくい状況となっています。
さて、FTXの破綻を受けて米投資家が広告宣伝に関わった著名人にも責任があるとして損害賠償を求める訴えを起こしたというニュースが少し前にありました。その対象としてMLBの大谷翔平選手やテニスの大坂なおみ選手、NFLのトム・ブレイディ選手やNBAのステフィン・カリー選手、さらにはスーパーモデルのジゼル・ブンチェン氏などが名を連ねているようです。
これに関しては実際の要件を満たすかどうかといった判断をまずは待つ必要があり、仮に要件を満たしたとしてもその後は責任があるのかどうかといった判断へと移っていくわけで、まだ時間がかかりそうな問題ではあります。とはいえ、著名人が宣伝広告に出演していることで信頼感が高まるということは考えられるところであり、それによって投資家が大きな損害を出してしまった可能性はあるでしょう。
とはいえ、その責任を広告宣伝に出演していた著名人に求めるのかというと、破綻を予見していたなどという事情がない限りは難しいのではないかといった見方もあります。このあたりは法律的な問題であり、さらに言えば米国の法律がかかわってくるため、日本にいるとはっきりとは見えてきにくいものであることは事実でしょう。
ただ、今回の件で著名人にとって暗号資産に関わる企業の広告宣伝がリスクとして認識されるようになった可能性はあるでしょう。日本でもビットコインが盛り上がった時に取引所などが広告をし、その後急落した際に話が出ましたが、暗号資産に対するリスクが別の形でクローズアップされる状況となってしまったのは残念なところではあります。今後は暗号資産に関わる企業の広告への出演をしり込みする著名人が増える可能性はありそうで、投資家のすそ野の拡大という点では逆風となりかねないところでしょう。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの中心線である16570ドル前後を意識しての動きが展開されています。中心線で上値を抑えられていますが、バンドの-2σである15860ドル前後の水準にも届いておらず、狭いレンジでの動きです。上昇基調を強めた場合はバンドの+2σである17280ドル前後の水準が意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線を意識しての動きとなっています。狭いレンジでの動きであり、方向感の見えにくい状況となっています。バンド幅は縮小傾向を維持していますが、徐々に±2σが横ばいといった動きとなっていくのではないかとみています。バンド幅はかなり縮小しているので市場にはエネルギーが蓄積されており、動き出したら大きくなる可能性がありそうです。ただ、まだバンドの中心線を意識しての動きであり、方向感を見極めながらの対応となりそうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが一時的な上げ下げはあるものの、ゴールデンクロスからの上昇基調が維持されています。上値余地も残しての動きであり、買い意欲が強まる可能性はありそうです。上昇基調を維持した場合はバンドの中心線を抜けて+2σを目指す形となりそうです。
ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直し、目先はバンドの中心線を挟んでの動きとなっています。やや底堅い動きとなっており、このままバンドの+2σまで上昇することが出来るかどうかに注目が集まるところです。バンドの±2σはほぼ横ばいであり、レンジ圏での動きが意識されやすい状況です。方向感は見えにくく、大きな動きにはなりにくいでしょう。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となり、%Kが高値圏に入っています。%Dは腰折れする場面ですが、下値は堅くほぼ横ばいです。ここから持ち直して高値圏に入るといった動きになればバンドの+2σまで上昇する流れとなりそうです。%Kが高値圏から転落となれば、バンドの中心線を挟んでの動きとなるのではないでしょうか。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
48200ドル:2022年1-6月の高値
20000ドル:心理的な節目
17630ドル:2022年1-6月の安値
17280ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
16580ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
16530ドル:昨日の高値
16500ドル:現在値
16100ドル:昨日の安値
15860ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
15000ドル:心理的な節目
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
- 関連通貨:
関連記事
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.03.28
ビットコイン円、米CFTCによるバイナンス社およびCZ氏提訴の報道で急反落(3/28朝)
週明け27日(月)のビットコイン円相場は急反落。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:中島 光牙
2023.03.27
「顧客保護」強まる、5月の広島サミットまでに規制推進の動き(月報23/3)
昨年11月に大手暗号資産交換所のFTXトレーディング(以下、FTX)が経営破綻して以降、米国を中心に暗号資産の規制推進の話は既定路線となっている。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:中島 光牙
2022.11.30
ブロックファイも破綻、暗号資産の冬眠は長い
ついに連鎖破綻が発生した。今年5-6月に発生したテラ崩壊に伴う暗号資産価格の下落でダメージを負った暗号資産レンディング大手のブロックファイである。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2022.11.30
ビットコイン円、安値圏から反発も不確実性が残存し燻る中、上値余地は限定的か(11/30朝)
29日(火)のビットコイン円相場は底堅い動き。