インフレ率がマイナスに?
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:23010.2ドル(+0.02%)
イーサリアム:1615.66ドル(-1.13%)
リップル:0.42083ドル(-2.01%)
ビットコインキャッシュ:132.2ドル(-1.34%)
【概況】
昨日の暗号資産取引は、ビットコインがほぼ変わらずでの推移となりました。米株が持ち直し基調となり、ダウがプラス圏に浮上して引けたことやドルインデックスの上値が抑えられたことなどを背景にビットコインも底堅い動きとなりましたが、ここまでの上昇に対する調整の動きなども意識されたことで上値の重い展開となりました。その他のコインはマイナス圏での推移となっており、やや調整の動きが意識されやすい局面と言うことが出来そうです。
米経済に関してはデータがまだら模様であり、方向感をつかみにくい状況にあるかと思います。やや警戒感が強まっていますが、その一方で利上げペースの減速に対する期待感などもあり、リスク回避的な動きが強まりにくいところとなっています。
さて、暗号資産・テクノロジー投資会社のアーク・インベストのキャシー・ウッドCEOは、インフレ率の低下を示唆するシグナルがあり、それを受けてFEDが政策転換を行うだろうと述べています。それにより、暗号資産は追い風を受けることとなると予想しているようです。
ウッドCEOはインフレ率はマネーサプライが減少しているために2%を下回り、マイナスになる可能性もあると指摘しています。個人的には現状のインフレはコストアップインフレであり、米国の金融引き締めの効果が想定以上のものとなるのかという点に疑問を抱いており、思いの外インフレ率が下がらない可能性もあるのではないか、と考えていますが、仮にインフレ率がマイナスに転じるなどということになれば、FEDも金融緩和に転じるものと思われますし、米株や暗号資産が大きく上昇することが予想されるところです。
とはいえ、そもそもアーク・インベストは暗号資産価格が上昇することでポートフォリオが改善するため、この予想に関してはポジショントークということもできます。もちろん、根拠がないわけではありませんし、ウッドCEOの見通しの通りにビットコインなどが上昇することも可能性としてはあるでしょう。ただ、現状においてインフレ率が急激に低下する可能性が高いかと言えば、そんなことは無いのではないかと思います。ウクライナ情勢や中国のゼロコロナ政策の転換の影響など、まだまだ不透明なところが大きく、インフレに関しても楽観視できないところかと考えています。
インフレに対する警戒感は大きく後退していることは事実であり、リスク資産はその影響を大きく受けているということも事実でしょう。しかし、インフレ率がマイナスに転じるというのはさすがに行き過ぎた楽観ではないかと危惧しています。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである24490ドル前後の水準から調整の動きが入る展開となっています。ただ、下値は堅く下げ渋りからじり高となっています。再度バンドの+2σまで上昇する可能性も高まっています。調整が入るとすればバンドの+1σである22230ドル前後の水準や20000ドル、バンドの中心線である19960ドル前後の水準が意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σから調整の動きが入ったものの、下値の堅さが意識されており、再度バンドの+2σを目指す可能性が高まっています。大陽線が出る可能性もあるため、注意が必要でしょう。バンドの±2σが上昇しており、トレンドそのものが上向きです。一時的に調整の動きが入る可能性はありますが、押し目買い優勢の流れが継続しそうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが高値圏での推移を継続しています。一時的な上げ下げはあるものの、しっかりとした動きが継続されており、下値の堅さが意識されやすい状況が継続しています。%Kが下落して高値圏から転落といった動きにならなければ買い優勢の展開が維持されそうです。
ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σと中心線で挟まれたレンジを動いており、方向感の見えにくい展開が継続しています。バンド幅は非常に狭い状況で、市場にはエネルギーが蓄積されています。動き出したら大きくなる可能性が高まっているだけに、バンドの+2σもしくは-2σでの動きには注意が必要でしょう。ただ、目先はバンドの中心線を動いており、まずは方向感の見極めが必要となりそうです。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇で、%Kが高値圏に入っています。%Dもそろそろ高値圏に入りそうで、買い優勢の流れということが出来そうです。高値圏での動きが維持できるかどうかに注目が集まるところとなっています。%Kが目先はじり安基調となっていますが、これが高値圏から転落すれば流れが変わる可能性が出てくるので、まずは%Kの方向感に注意しながらの対応となりそうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
25210ドル:2022年7-12月の高値
24490ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
23160ドル:昨日の高値
23010ドル:現在値
22770ドル:昨日の安値
20000ドル:心理的な節目
19960ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
15500ドル:2022年7-12月の安値
15420ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
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