ビットコイン円、急落後に急反発するなど、下値の堅さが鮮明に
〇ビットコイン円、米国時間に株価の動向につれ290.1万円まで急落するも297.2万円まで反発
〇下値の堅さを再確認、テクニカル的に見て、リスクは依然アップサイドと判断
〇ファンダメンタルズも、春節アノマリー、FTX破綻後の悪材料出尽くし期待等がサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:290.0万円ー310.0万円
昨日の概況
25日(水)のビットコイン円相場は急落後に急反発。(1)短期間で上昇した反動(俄かロング勢を振るい落とす仕掛け的なビットコイン売り)や、(2)欧米株の冴えない動き(米マイクロソフトショック→市場心理悪化)、(3)アルトコインの急反落(暗号市場全体に燻っていた楽観ムードの後退)が重石となり、米国時間午前にかけて、安値290.1万円まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(怒涛の押し目買いに下支えされると)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)や、(5)欧米株の持ち直し(市場心理回復)、(6)短期筋のショートカバー(続落を見込んでショート転した短期筋のロスカット)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値297.2万円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/26午前5時30分現在)では、297.1万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は今週初(1/23)に記録した約2ヵ月半ぶり高値302.5万円をトップに反落に転じると、昨日は一時290.1万円まで下げ幅を広げましたが、引けにかけて再び297.2万円へと持ち直すなど、下値の堅さを再確認する動きとなりました。ダウンサイドに複数のサポートポイントが控えていることや、強い買いシグナルを示唆する三役好転および短期線と中期線のゴールデンクロスが成立していること、ハッシュリボンの強気シグナル点灯やプエル・マルチプルの弱気シグナル消失など暗号資産特有の楽観シグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然アップサイドと判断できます(直近3週間で約40%もの高騰劇を繰り広げたにも係わらず押し目が浅い→予想以上に地合いが強いことを示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、中国の春節アノマリーや、FTX破綻後の悪材料出尽くし期待(悪材料に対するビットコインの感応度低下)、米金利低下に伴うドル売り圧力(来週のFOMCに向けてドル売り圧力が一段と強まる公算大)、機関投資家の参入期待(CMEの建玉増加)、個人投資家マネーの流入期待(FX市場から暗号資産市場への個人マネー回帰期待)など、アップサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。暗号資産オプション市場におけるアップサイドの織り込み(短期物のみならず中長期物でもBTCコールオーバーが拡大)も継続する中、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:290.0万円ー310.0万円
注:ポイント要約は編集部
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