FOMCを控えて (23/02/01)

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが上昇しての推移となっています。

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FOMCを控えて (23/02/01)

FOMCを控えて

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:23093.2ドル(+1.77%)
イーサリアム:1586.23ドル(+2.16%)
リップル:0.40748ドル(+3.15%)
ビットコインキャッシュ:134.1ドル(+4.44%)

【概況】

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが上昇しての推移となっています。ダウが日中高値圏での引けとなったことなどを背景にリスク志向の動きが意識され、ビットコインも底堅い動きが展開されました。その他のコインもしっかりとした動きであり、買い優勢の展開となりました。

さて、昨日に関しては昨年の10-12月期の雇用コストの伸びが前期比で+1.0%となり、1%以上の上昇が6四半期連続となって統計が始まった1996年以降の最長記録を更新しました。しかし、市場予想は+1.1%であり、予想を下回ったことでインフレの鈍化の兆候が示されたといった思惑からリスク資産が買われやすい地合いとなりました。昨日から始まったFOMCですが、インフレの鈍化がどの程度意識されるのかに注目が集まるところであり、相場を大きく動かす要因となるでしょう。

ここ最近は私も米国の金融政策に対する話を主に書いていますが、実際に今回のFOMCや週末の米雇用統計が市場に与える影響はかなり大きなものとなりそうで、しっかりと動向を追う必要があります。その一方で、昨日も書きましたが、FOMCにてどういった結論が出されるのか、パウエルFRB議長が会見でどういった話をするのかが予想しづらく、どちらに転んでもサプライズとなりかねない状況となっています。となると、荒い値動きとなる可能性が高く、警戒感もより強まるといった状況かと思われます。

パウエルFRB議長としては過去の2人のFRB議長の政策が念頭にあるのではないかといった指摘があります。それは10代目のバーンズ議長と12代目のボルカー議長です。バーンズ議長はインフレを徹底的に抑え込むことに失敗し、1970年代にインフレを手に負えない状態にさせたと言われています。一方、ボルカー議長は2桁に上っていたインフレ率の抑制には成功したものの、失業率が10%を上回るなど、経済が深く落ち込みました。この二人の反省を生かしつつ、今回のインフレ局面において、ソフトランディングを成功させたいといった思惑を抱いているのではないかと思われます。

現状においてパウエルFRB議長にとって有利な点としては、失業率が4%を下回る水準となっていることかと思われます。経済指標はまだら模様ですし、リセッションに対する警戒感は強まっていますが、引き締めを継続できる余裕があるのではないでしょうか。急激に利上げを行ったことで金利水準もある程度のところまでは到達しています。こういったことを考えると、利上げペースの減速は可能性が高いものの、ある程度の水準で維持するといった可能性が高いのではないでしょうか。5%程度の水準で年内は維持するといった流れが一番自然であるように思われます。

もちろん、経済データ次第となるのでしょうけど、利下げの可能性は低いのではないでしょうか。そうなると年末に向けて市場の期待感が反転してリスク回避的な動きが強まるといった展開も考えられるところでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである24570ドル前後の水準が一時意識されましたが、往来相場となり、目先は横ばいでの推移となっています。下値の堅さが意識されていますが、バンドの+2σと中心線である22010ドル前後の水準で挟まれたレンジが意識されるのではないでしょうか。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σと中心線で挟まれたレンジを動いており、方向感の見えにくい状況です。バンド幅が縮小傾向を強めており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されています。ただ、まだ縮小の余地が大きく、バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きにはなりにくいところです。しばらくは方向感を探る展開となるのではないでしょうか。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがデッドクロスからの下落となり、高値圏から外れる動きとなっています。ただ、目先は%Kが持ち直しており、このまま上昇基調を維持して高値圏に入っていくかどうかに注目が集まりそうです。上昇基調となった場合はバンドの+2σを目指しての動きとなりそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σからバンドの-1σまで下落する流れとなりましたが、バンドの-2σでは支えられて持ち直す動きとなっています。目先はバンドの中心線で抑えられる動きで、再度バンドの-2σまで下落するかどうかに注目です。バンドの±2σは横ばいであり、レンジ圏での動きが意識されやすい状況ということが出来そうです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっています。一時的な上げ下げはあるものの、しっかりとした動きであり、このまま上昇基調を維持することが出来るかどうかに注目が集まりそうです。上昇基調を維持することが出来れば、バンドの中心線を抜けて+2σまで上昇する展開となりそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
25210ドル:2022年7-12月の高値
24570ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
23200ドル:昨日の高値

23090ドル:現在値

22720ドル:昨日の安値
22010ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20000ドル:心理的な節目
19460ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
15500ドル:2022年7-12月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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