ビットコイン円、米FOMCの無難通過で安堵の上昇。続伸リスクに要警戒
○ビットコイン円、米国時間夕方にかけて高値306.3万円まで上昇
○米FOMC後のドル売り再開に伴う、暗号資産市場全体に広がる楽観ムードなどが支援材料に
○ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移、テクニカル的に見て地合いは「極めて強い」
○ファンダメンタルズも、米FRBによる金融引き締め早期休止観測など上昇を連想させる素地
○本日の予想レンジ:295.0万円ー315.0万円
昨日の概況
1日(水)のビットコイン円相場は堅調な値動き。(1)米主要経済指標(米1月ADP雇用統計および米1月ISM製造業景況指数)の市場予想を下回る結果や、(2)米FOMC後のドル売り再開(米FOMC声明およびパウエル議長記者会見は総じてタカ派的な結果となったが、事前に広く織り込まれていたこともあり、マーケットの反応はsell the factで米金利低下→米ドル売り→米株買い→市場心理改善)、(3)上記2を背景とした暗号資産市場全体に広がる楽観ムード(米FOMCが過度にタカ派的にならなかったことに対する安堵感→ビットコイン・アルトコイン共に上昇)、(4)暗号資産オプション市場のアップサイドを織り込む動きが支援材料となり、米国時間夕方にかけて、高値306.3万円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/2午前6時15分現在)では、305.6万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は1/29に記録した約2カ月半ぶり高値310.8万円をトップに反落に転じると、翌1/30に一時294.0万円まで下げ幅を広げましたが、昨日は注目された米FOMCを経て、再び306.3万円付近まで持ち直す動きとなりました。ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること(ダウンサイドに複数のサポートラインが並んでいるため、例え下がったとしても押し目買いが出易いチャート形状)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「短期線と中長期線のゴールデンクロス」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め早期休止観測(今朝方発表された米FOMCおよびパウエル議長記者会見は総じてタカ派的だったがサプライズは見られず→結果として市場の織り込み度合いは不変→米ドルはsell the factの展開となり、米ドルと逆相関性の強いビットコインには上昇圧力)や、それに伴う株式市場の持ち直し期待(市場心理改善→リスクアセット上昇→リスクオン再開)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる素地が整いつつあります。事実、昨日はBTCオプション市場で巨額コールスプレッド(3/31期日の27000 vs 32000 in 1500 btc eachや、4/28期日の28000 vs 34000 in 1500 btc eachなど)が取引されるなど、アップサイドを織り込む動きが着々と進んでいます(向こう1ー2ヵ月で30000ドル近辺まで上昇する展開を織り込む動き)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(1/29に記録した年初来高値310.8万円を試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:295.0万円ー315.0万円
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