消費者物価指数と金融政策 (23/03/15)

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが小幅に上昇しての推移となっています。

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消費者物価指数と金融政策 (23/03/15)

消費者物価指数と金融政策

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:24209.1ドル(+0.30%)
イーサリアム:1681.38ドル(+0.93%)
リップル:0.36933ドル(-0.55%)
ビットコインキャッシュ:129.1ドル(+1.97%)

【概況】

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが小幅に上昇しての推移となっています。一時26000ドルを突破する場面もありましたが、買い一巡後は上げ幅を急速に縮小する展開となっています。米国の3月のFOMCに対する見方が割れており、方向感を見出しにくい状況となっています。米消費者物価指数は後述しますが、ほぼ市場の予想通りとなっています。その他のコインは小幅まちまちとなっており、方向感の見えにくい流れとなりました。

さて、昨日発表された米消費者物価指数はほぼ市場予想通りとなり、前回と比べて若干低下する動きとなりました。インフレは予想通り鈍化傾向といった見方からドルに対する買い戻しの動きが意識されています。ダウも大幅上昇となりました。しかし、米ロの対立に対する警戒感が高まり、上値を抑えられる場面もありました。

3月のFOMCに関しては現状では25bpの利上げとなるのではないかとみていますが、市場には一時的に利上げを休止するといった見方まで出ています。インフレに対する警戒感は根強いものの、シリコンバレー銀行の破綻に伴う金融リスクの高まりも意識せざるを得ない局面です。

確かに米財務省が預金者の安全を保障する動きを見せたことで懸念は後退していますが、仮に今回の問題が落ち着いた場合、FEDが金融引き締めに動く可能性が高まるでしょう。どちらにせよ暗号資産市場にとっては逆風となり得る状況ではあります。

ただ、今回のシリコンバレー銀行の破綻を受けてFEDのタカ派的な姿勢が後退したことも事実でしょう。これまでは3月の利上げに関しては50bpが予想されていましたが、その可能性は低くなってきています。さらに、3月以降のFOMCにおいて、利上げを休止して様子を見る可能性が高まっているのではないでしょうか。そうなれば、ドルの上昇も抑えられ、暗号資産市場の下値を支える要因となりそうです。

シリコンバレー銀行の破綻により、市場は大きく混乱しましたが、インフレは依然として高水準にあり、FEDとしては利下げに動く局面にはないでしょう。目先は急激な利上げ観測の後退に伴う上昇が見られましたが、こうした動きも長くは持続しないのではないかとみています。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの-2σである20240ドル前後の水準から持ち直しての動きとなり、バンドの中心線である22620ドル前後の水準を一気にブレイクし、そのままバンドの+2σである24990ドル前後の水準を抜けて上昇したものの、上値は重い展開となっています。目先はバンドの±2σと中心線が節目として意識されるレンジ圏での動きとなるのではないでしょうか。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直してバンドの中心線を一気に抜けて+2σを一時ブレイクする展開となりました。ただ、長い上ひげを作って上値を抑えられている状況です。このまま下落して再度バンドの中心線を目指すかどうかに注目です。バンドの±2σはほぼ横ばいで、バンド幅は広い状況となっています。レンジ圏での動きが意識されやすく、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいでしょう。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇で、%Kが高値圏に入ったものの、腰折れして高値圏から転落しています。%Dが上昇基調を維持しているので、しっかりとした動きが意識される状況ではありますが、%Kの方向感には注意しておきたいところでしょう。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σを意識しての動きで上値を拡大しましたが、目先は調整の動きが強まっています。このままバンドの中心線まで下落するかどうかに注目が集まるところです。ただ、バンドの±2σが上昇基調となっており、トレンドそのものは上向きです。一時的に調整の動きが強まっても、下値は堅そうです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dがデッドクロスからの下落となり、高値圏から転落する動きとなっています。このまま下落基調を維持した場合は売りの流れが強まり、バンドの中心線まで下落といった動きとなりそうです。目先は売り優勢の流れであり、下値を拡大しそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
26370ドル:昨日の高値
25210ドル:2022年7-12月の高値
24990ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準

24210ドル:現在値

23990ドル:昨日の安値
22620ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20240ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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