ビットコイン円、リスクオン再開で堅調な値動き。対ドルの節目25000ドルも回復
〇米国時間午後にかけて、高値336.3万円まで急伸、金融不安やわらぎリスク回避ムードが後退
〇ダウンサイドに複数のサポートポイント控え、テクニカルには下落時に押し目買いが出易いチャート形状
〇ファンダメンタルズも中央集権型金融機関に対する不信感や世界的金融引き締め休止観測がサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:320.0万円ー350.0万円
昨日の概況
16日(木)のビットコイン円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値321.6万円まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)クレディ・スイス社による「スイス中銀より最大500億スイス・フラン(約7兆1500億円)を借り入れる」との方針発表や、(2)BTCドミナンス上昇に伴うアルトコインからビットコインへの資金シフト、(3)米アーク・インベストメント・マネジメント社のキャシー・ウッド氏による「米シリコンバレー銀行や米シグネチャー・バンクの経営破綻の主因は暗号資産ではなく、米FRBの金融政策」とのツイート発信(中央集権に対する不信感→ビットコインへの資金流入)、(4)JPモルガンやシティバンク、BofAやモルガン・スタンレーなど複数の大手銀行が米ファースト・リパブリック・バンクへの300億ドル規模の支援を検討しているとの一部報道、(5)上記1や4を背景としたリスク回避ムードの後退が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値336.3万円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/17午前5時15分現在)では、333.8万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は3/14に記録した年初来高値353.8万円(昨年6/13以来、約9ヵ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、翌3/15に一時318.0万円まで下げ足を速めましたが、昨日は一転336.3万円まで持ち直す動きとなりました。ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していること(※ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えているため、下落時に押し目買いが出易いチャート形状)や、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」が継続点灯していること、早ければ来週早々にも「一目均衡表三役好転」の再点灯が見込まれていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米銀の連鎖破綻に端を発した中央集権型金融機関に対する不信感の高まり(米銀の連鎖破綻やクレディ・スイス危機発生時に株式市場は崩れたがビットコインはむしろ上昇→中央集権に対するアンチテーゼ的思想の高まり→株式市場との相関性が急低下→デジタルゴールド的な評価が再浮上)や、(2)世界的な金融引き締め休止観測(昨日開催されたECB理事会では当初予定通り50bpの利上げが断行されましたがが、来週の米FOMCでは依然として利上げ幅縮小や利上げ見送りの可能性が濃厚→世界的な金利低下の流れが継続→ビットコインなどリスクアセットを下支え)、(3)ビットコインドミナンスの大幅上昇(アルトコインやステーブルコインからビットコインへの資金シフト)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。事実、暗号資産オプション市場でも、リスクリバーサルが一段とBTCコールオーバー方向に上昇するなど、アップサイドを織り込む動きが広がっています(一方、インプライドボラティリティは急低下→オプション勢のショートガンマが概ね解消したことを示唆→ビットコイン相場の値動きが落ち着きを取り戻す可能性大)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:320.0万円ー350.0万円
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