安全資産
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:24693.0ドル(+1.47%)
イーサリアム:1655.84ドル(+0.51%)
リップル:0.36216ドル(+0.36%)
ビットコインキャッシュ:124.4ドル(+0.57%)
【概況】
昨日の暗号資産市場は、ビットコインが小幅に上昇しての推移となりました。米株が持ち直し基調となってことやドルの上値が抑えられたことなどが好感され、底堅い動きが展開されました。その一方で、米国債利回りが大幅上昇となっており、市場には警戒感も強まる状況となっています。複数の米大手銀行が経営危機に陥っている米地銀ファースト・リパブリック・バンクへの支援策を検討などといった報道を受けてリスク回避的な動きが巻き戻される一方で債券に対する売り圧力も強まる展開となりました。
さて、ギャラクシーデジタルの創設者兼CEOのノボグラッツ氏が『米国は信用収縮に直面しており、今こそ金や銀、そしてビットコインを買うべき時』と主張しています。シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイス銀行の株価の急落など、金融システムに対する不安が強まっており、先行きに対する警戒感が強まる状況になっていることは事実でしょう。そうした中で安全資産への避難が進む可能性が高まっているということも十分に考慮に入れるべき状況ということができるでしょう。
しかし、安全資産というくくりにビットコインが含まれるのか、というところは慎重に考える必要があるでしょう。FTXの破綻などを経て、暗号資産は大きく信用を損ねている状況であり、規制強化の動きが強まっています。そうした資産を資金の避難先として選択することが果たしてあるのかどうかといった点は疑問の残るところではあります。
ノボグラッツ氏は『政府は痛みが大きくなるたびにお金を刷りすぎる』ことを受けてビットコインに投資すべき、と指摘しています。これはビットコインを安全資産として捉えた上での発言なのかどうかが定かではないので一概には言えないところではありますが、そもそもリスク回避的な動きが強まる状況において、現金化の流れが強まることでドルが上昇といった動きとなる可能性は十分にあるでしょう。そうなれば、ビットコインの価格は上値を抑えられかねないでしょう。
現状において、市場のリスク回避的な動きが強まる局面において、ビットコインが市場の流れに反して上昇するといったイメージは個人的にはわかないところです。もちろん、相場変動は様々な要因があることは事実ですし、株式市場などと逆相関の動きを見せることもあるかと思います。しかし、その動きは一時的なもので、中長期的には株式市場などとの相関性は高いのではないかとみています。暗号資産が通貨としてでなく、金融商品としての認識が強まれば強まるほどそういった動きが意識されるのではないかと考えています。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである25370ドル前後を意識しての動きが展開されています。+2σでは抑えられているものの、下値の堅さも意識されている状況で、中心線である22730ドル前後の水準が下値として意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σを意識しての動きで、目先は+2σで抑えられる形となっています。レンジ圏での動きが意識されている状況で、方向感は見えにくくなっています。バンドの+2σがじり高、-2σがじり安といった形で、バンド幅はやや拡大基調ですが、そもそもバンド幅がかなり拡大している状況であり、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところです。目先はバンドの+2σを目指しての動きですが、+2σでは抑えられる可能性が高そうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがデッドクロスからの下落となっています。一時的な上げ下げがあるものの、高値圏から外れる動きであり、売り優勢の展開となっています。このまま下落基調を強めた場合はバンドの中心線を目指しての下落といった展開が予想されるところです。
ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σを意識しての動きから調整の動きが入り、バンドの中心線まで下落したものの、そこで支えられる動きとなっています。バンド幅の縮小傾向が強まっていましたが、バンドの±2σは徐々に横ばいへとうつっていくのではないかとみています。流れとしてはバンドの中心線を意識したレンジ圏での動きとなっていくのではないかと見ており、方向感の見えにくい状況となるのではないかとみています。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっていましたが、中立水準で腰折れとなっており、このまま下落の勢いが強まって再度下値圏まで下落といった動きとなるのかどうかに注目です。やや方向感の見えにくい状況であり、様子見ムードが強まる可能性が高まりそうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
25370ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
25210ドル:2022年7-12月の高値
25140ドル:昨日の高値
24690ドル:現在値
24150ドル:昨日の安値
22730ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20100ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
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