暗号資産週報「年初来高値からの調整局面入り」(3月第3週)

シリコンバレー銀行の経営危機は当初リスクオフでビットコインにも売りが入りましたが、その後急反転上昇し年初来高値を更新する動きとなりました。

暗号資産週報「年初来高値からの調整局面入り」(3月第3週)

今週の暗号資産レンジ

時価総額が大きい3つの暗号資産の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜始値までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。

今週の暗号資産レンジ

Crypto Index=暗号資産インデックスの詳細は、トップページのサイト右側メニューの「暗号資産分析情報」から「暗号資産インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。

今週の暗号資産レンジ 2枚目の画像

チャート(上段から上記表の順番)は、到達確率チャートと同じ1時間足・週7日のチャートです。上記レンジに含まれていない前週金曜9時~日曜午前9時の2日間もチャートには表示されています。

今週の振り返りと来週の見通し

今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。使用チャートは、ドル円とユーロの週報で使っているものと同じものです。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の振り返り(日足)

今週の振り返り(日足)

シリコンバレー銀行の経営危機は当初リスクオフでビットコインにも売りが入りましたが、その後急反転上昇し年初来高値を更新する動きとなりました。悩ましい状況なのですが、後講釈をすると金価格の上昇同様にデジタルゴールドとしてのビットコインにも買いが入ったこと、またトピックスで扱ったUSDCの下落からビットコインにも買いが入ったということになります。
問題はここからなのですが、株式市場が落ち着いたとはとても思えず、まだ金融機関の経営危機が発生する可能性があり、そうなると株式市場を中心としたリスクオフ相場になり、結局はビットコインも下げるという動きになる可能性が高いと思います。
テクニカルには拡散型のもみあい(ピンクのライン)となってきたように見え、これは一番予想が難しいチャートパターンです。ただ、短期的な高値は見たと考えられ、目先は反落に注意と考えます。4時間足チャートで拡大して見てみましょう。

ここからの見通し(4時間足)

ここからの見通し(4時間足)

先週安値と今週高値とのフィボナッチ・リトレースメントを引いてあります。今のところ安値は38.2%押しに23939ドルで止められていますが、動き次第では半値押しの23111ドルも視野に入れておいた方がよいでしょう。レジスタンスは今週高値です。
来週は上記水準を参考にして23500ドルをサポートに、26500ドルをレジスタンスとする週を考えておきます。

今週の主なトピックス

今週の暗号資産関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として毎週2本取り上げていきます。記事によっては前回執筆日前のトピックスを取り上げることもあります。

取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。

今週の主なトピックス

*筆者コメント
金融庁は不動産を裏付けとした全てのデジタル証券について金商法上の金融商品として規制する方針を固めたとのこと。
デジタル証券は少額での資金調達が可能となることから、これまで証券大手を中心に多くの不動産デジタル証券が発行され投資家に販売されてきましたが、不動産を裏付けとした商品も出ていて、商品によっては不動産特定共同事業法に基づいたものもあり、金商法に一本化した上で規制強化に動くこととなったようです。
暗号資産の規制強化では有価証券扱いとするなど、これまでの法律ではカバーしきれない新商品も今後規制強化が実施されるでしょうが、あくまでも投資家の保護をベースに動いて欲しいものです。

今週の主なトピックス 2枚目の画像

*筆者コメント
ステーブルコインというと最近ではアルゴリズムによる裏付けといったステーブルと言って良いのか疑問のあるステーブルコインが目立ちましたが、USDCはテザーとともに老舗の米ドルステーブルコインです。
ところが発行元のサークルの準備金がシリコンバレー銀行にも預けられていたため、一時0.81台まで下落していました。その後、預金の引き出しとバンクオブニューヨークへの移管が発表されたことで現在は0.9997まで戻しました。
USDCを担保としていた他のステーブルコインにも影響が出ていたため、米ドルが担保となっているステーブルコインでも金融機関の破綻といった事態には対応できないことを改めて認識させた事件と言ってよいでしょう。

今週のコラム「USDC/USD」

今週のトピックスでUSDCを取り上げましたので、参考までにUSDC/USDのチャートをあげておきます。

今週のコラム「USDC/USD」

BITSTAMP取引所の週足チャートですが、先週の安値は0.80526となっています。また基本的に1USDC=1USDになってはいるものの、0.96~1.04レンジでの変動はあり、ほぼステーブルだが法定通貨と同様ではないということは知っておくべきです。

ディスクレーマー

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