ビットコインの価格分析:『世界的なリスクオフ再来にも係わらずビットコインは大暴騰』(3/18朝)

ビットコイン円相場は、3/10に記録した直近安値266.0万円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約9ヵ月ぶり高値となる358.3万円まで急伸しました。

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ビットコインの価格分析:『世界的なリスクオフ再来にも係わらずビットコインは大暴騰』(3/18朝)

『世界的なリスクオフ再来にも係わらずビットコインは大暴騰』

1.	直近1週間のBTC相場

1. 直近1週間のBTC相場

今週(3/12−3/18)のビットコイン円相場は、週初278.7万円で寄り付いた後、早々に週間安値276.6万円まで軟化しました。しかし、3/10に記録した直近安値266.0万円をバックに下げ渋ると、(1)米FRBと米財務省が米シリコンバレー銀行および米シグネチャーバンクの預金者に対する全額保護措置を発表したことや、(2)USDCのデペッグ解消に伴う安堵感、(3)米FRBによる金融引き締め休止観測(世界的なシステミックリスク拡大を背景に米FRBが金融引き締めスタンスを軟化させるとの思惑浮上→先週木曜日時点で70%程度織り込まれていた来週の米FOMCでの50bp利上げ観測が完全消失→米長期金利急低下)、(4)バイナンス社長のCZ氏による「10 億ドルの業界回復イニシアチブの資金を BUSD からBTC・BNB・ETH を含むネイティブ暗号資産に変換する」とのツイート発信、(5)年初来高値(2/21に記録した対円の高値339.9万円や、2/16に記録した対ドルの高値25232ドル)突破に伴う仕掛け的なビットコイン買い圧力(短期筋のショートカバーやオプション勢のストップBUY誘発)、

(6)クレディ・スイス社による「スイス中銀より最大500億スイス・フラン(約7兆1500億円)を借り入れる」との方針発表、(7)BTCドミナンス上昇に伴うアルトコインからビットコインへの資金シフト、(8)米アーク・インベストメント・マネジメント社のキャシー・ウッド氏による「米シリコンバレー銀行や米シグネチャーバンクの経営破綻の主因は暗号資産ではなく米FRBの金融政策」とのツイート発信、(9)中央集権に対するアンチテーゼとしてのビットコイン買い圧力(リーマンショックを経てビットコインが生まれたように、欧米金融機関の信用不安を経てビットコインが再評価)、(10)JPモルガンやシティバンク、BofAやモルガン・スタンレーなど複数の大手銀行による米ファースト・リパブリック・バンクに対する300億ドル規模の支援検討報道が支援材料となり、週末にかけて、昨年6/13以来、約9ヵ月ぶり高値となる358.3万円まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/18午前2時00分現在)では、349.8万円前後で推移しております。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の暴騰を受けて、日足ローソク足は、21日移動平均線(青線)、50日移動平均線(黒線)、90日移動平均線(緑線)、200日移動平均線(赤線)の全てを上方ブレイクしました。また、90日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロスが実現したことで、強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダー(上から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)も点灯しました。テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の暴騰を受けて、日足ローソク足は、ボリンジャーミッドバンドを上抜けしました。また、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォーク(ローソク足がボリンジャーバンド上限に沿って上昇し続ける状態)も点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。バンド幅拡大が示唆する通り、ビットコイン相場のボラティリティ回復が顕著であるため、値動きの荒さを求める個人投資家層の更なる流入と、それに伴うビットコイン円相場の押し上げが期待されます。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の暴騰を受けて、日足ローソク足は一目均衡表転換線、基準線、雲上限を軒並み上抜けしました。結果として、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転(遅行線の26日前のローソク足上抜け+転換線の基準線上抜け+ローソク足の一目均衡表雲上限上抜け)が再点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の暴騰を受けて、日足RSIは、売られ過ぎ感を示唆する30%割れの水準から、買われ過ぎ感を示唆する70%付近まで急上昇しました。但し、前項で示した強気のバンドウォーク発生中はオシレータ系インジケータが機能しづらくなる傾向にあるため、RSIに頼った安易な逆張りは避けたいところ(上昇トレンド発生・初期段階は逆張りが機能しづらく、安易な逆張り勢のストップBUYを燃料に相場が更に押し上げられる好循環相場)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は、3/10に記録した直近安値266.0万円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約9ヵ月ぶり高値となる358.3万円まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けしていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」の全てが成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)欧米銀のシステミックリスク拡大に端を発した中央集権型金融機関に対する不信感の高まり(米銀の連鎖破綻やクレディ・スイス危機発生で株式市場は総崩れとなったが、ビットコインはむしろ急伸→株式市場とビットコイン相場の相関性急低下→中央集権型金融機関に対するアンチテーゼ思想の高まり→デジタルゴールドとしての立ち位置再確認)や、(2)世界的な金融引き締め休止観測(来週3/21−3/22の日程で開催される米FOMCで「利上げ見送り」が決定されるとの思惑浮上→その他予定されている英中銀の金融政策委員会や、スイス中銀の金融政策委員会でもハト派色が強まる公算大→世界的な金利低下の流れがビットコインを下支え)、(3)ビットコインドミナンスの急上昇(有価証券問題に揺れるアルトコインや信用不安に揺れるステーブルコインからビットコインへ資金シフト)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

事実、暗号資産オプション市場では依然としてリスクリバーサルがBTCコールオーバーを維持するなど、アップサイドを織り込む動きが続いています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(来週は米FOMCの結果や、欧米金融機関のシステミックリスクに関するヘッドラインに要注目。米FOMCで利上げ見送りが決定される場合や、システミックリスク拡大を想起させる続報が出てくる場合などには、「米FRBによるハト派化→ビットコイン上昇」の波及経路と、「中央集権から非中央集権への資金シフト→ビットコイン上昇」の波及経路が組み合わさるため、予想以上にビットコイン円相場が上昇する可能性あり)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 320.0万円−390.0万円

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