ベネズエラでのマイニング停止 (23/03/27)

先週末の暗号資産市場は、ビットコインが金曜日に売り圧力が強まったものの、売り一巡後は買い戻しの動きが意識され、土・日曜日は小幅に持ち直す動きが展開されています。

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ベネズエラでのマイニング停止 (23/03/27)

ベネズエラでのマイニング停止

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:27782.3ドル(+1.55%)
イーサリアム:1759.21ドル(+1.66%)
リップル:0.44389ドル(-1.80%)
ビットコインキャッシュ:124.4ドル(-0.08%)

【概況】

先週末の暗号資産市場は、ビットコインが金曜日に売り圧力が強まったものの、売り一巡後は買い戻しの動きが意識され、土・日曜日は小幅に持ち直す動きが展開されています。やや方向感の見えにくい流れが継続していますが、比較的堅調地合いが維持されているということが出来るのではないでしょうか。金融システム不安に対する警戒感が根強く残る一方で、米国の金融引き締めに対する思惑が後退していることが下値を支える状況となっているところです。その他のコインはまちまちで、様子見ムードが強まる状況となっています。

さて、ベネズエラのエネルギー供給会社は暗号資産マイニング施設を一斉停止、といったニュースが流れています。これは石油会社と国の暗号資産部門を巡る汚職捜査が関係していると言われています。これにより、一部の暗号資産取引所や関連企業にも影響が出ているようです。

ベネズエラは2020年末に国営のビットコインマイニングセンターを開設する一方、公営住宅などではマイニングを禁止する政策を取っています。米国の経済制裁を回避して収入を生み出すことが目的とされていますが、多くの電力を消費するマイニングが政府の電力供給政策への違反とされていることが要因です。

中国がマイニングへの規制を強化した際、移転先の一つとしてベネズエラは魅力的である、といった意見がありました。それはベネズエラが石油や天然ガスの埋蔵量が多く、さらに世界最大級のダムであるグリダムが安価なエネルギーコストをもたらすと期待されました。ベネズエラはマイニングも合法化されており、魅力的な国であったということができるでしょう。ただ、ベネズエラにおいてマイニングは規制当局から発行された許可の取得が必要であり、汚職事件の捜査に関してはこのあたりも問題となっている可能性はありそうです。

汚職事件に関しては今後の動きを待つところですが、マイニング施設の一斉停止は暗号資産業界にとって少なからぬ影響を与える可能性はありそうです。ここ最近はハッシュレートの上昇の勢いが強まっていますが、こうした動きに修正が入る可能性があるでしょう。

また、今回の問題はベネズエラに限る話ではないと考えています。電力供給の余剰が大きい国であれば問題は少ないと思われますが、その状況がいつまでも続くかどうかは定かではなく、状況によっては電力供給の制限やマイニングの停止などがその他の国で起こる可能性は十分にある話でしょう。マイニングに関しては中国が地下で盛んにおこなわれているといった話があり、再度摘発の動きが強まった場合、ハッシュレートが急落といったことも考えられるところです。

電力問題は今後もついて回る問題であり、現状では再生可能エネルギーや余剰電力を使うと言っても完全に解決するものではないのではないかと考えています。工場や一般家庭などよりもマイニングを優先するという考えにはならないと思いますし、需要が急増した場合は規制が入るでしょう。マイニングに関してはそういったリスクを絶えず抱えており、それが価格にも少なからず影響を与えるのではないかとみています。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである30830ドル前後の水準と中心線である25070ドル前後の水準で挟まれたレンジを動く展開となっており、目先は+1σである27950前後の水準が意識されています。しばらくはこれらの水準が節目として意識される展開が継続するのではないかとみています。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σから調整の動きが意識されているものの、下値の堅い動きから横ばいでの推移となっています。バンドの±2σは上昇基調でトレンドそのものが上向きです。調整の動きが入りやすい局面で下値が堅く下げ渋る展開となっており、こういった局面では大陽線を作ってバンドの+2σを目指す展開となることも多いので、その点は注意しながらの対応となりそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが高値圏での推移となっています。目先はやや上値の重さが意識されていますが、下落の勢いは弱く高値圏での推移を継続しています。このまま高値圏での動きを維持した場合は下値の堅さが意識されて上値を拡大する展開となるでしょう。%Kが高値圏から外れる動きとなってくるかどうかに注目です。

今日は週初ですので、週足分析をやっていこうと思います。

ビットコインの週足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σをブレイクしてバンドウォークとなっています。ただ、バンドの-2σの下落基調が一服してじり高基調へと転じており、このまま上昇基調を維持してバンドの±2σが上昇といった動きになる可能性が高まっており、一時的には調整の動きが入る可能性が高まっています。ただ、トレンドそのものは上向きであり、下値は堅そうです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dが上昇して高値圏での推移となっています。目先は上昇基調をして高値圏での推移となっていますが、上値余地はほとんどないため、このまま高値圏での推移を維持することが出来るかどうかに注目が集まりそうです。%Kの方向感が意識されそうですが、現状ではまだ上昇基調であり、底堅い動きとなりそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
30830ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
28150ドル:昨日の高値

27780ドル:現在値

27430ドル:昨日の安値
25210ドル:2022年7-12月の高値
25070ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20000ドル:心理的な節目
19310ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
15500ドル:2022年7-12月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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