ビットコイン円、米CFTCによるバイナンス社およびCZ氏提訴の報道で急反落
〇ビットコイン円米国時間朝方に369.1万円まで上昇後350.0万円まで急落
〇G7の暗号資産規制推進報道、CFTCのバイナンス社と同社CEOのチャンポン・ジャオ氏提訴報道が背景
〇ビットコイン円、ダウンサイドにサポートポイント並び買いシグナルも継続、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも米利上げ打ち止め観測、金融機関の信用不安拡大等がビットコイン円をサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:345.0万円ー375.0万円
昨日の概況
週明け27日(月)のビットコイン円相場は急反落。(1)株式市場の堅調推移(金融システム不安を巡る過度な警戒感の後退→市場心理改善→伝統的金融市場のリスクオン)や、(2)対主要通貨での円売り圧力(ドル円・クロス円上昇→ビットコイン円連れ高)、(3)テクニカル的な地合いの強さ(強い買いシグナルの複数点灯)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値369.1万円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米2年債利回りが先週末金曜日に記録した3.55%から4.02%へ急上昇、米10年債利回りも先週末金曜日に記録した3.28%から3.54%へ急上昇)や、(5)G7が連帯して暗号資産の規制推進に乗り出すとの前日の報道、(6)米商品先物取引委員会(CFTC)が世界最大手暗号資産取引所のバイナンス社と同社CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏を規制違反の疑いで提訴したとのネガティブサプライズ、(7)上記6を背景とした短期筋の大規模ロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値350.0万円まで急落しました。引けにかけて反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/28午前6時10分現在)では、357.4万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は3/22に記録した年初来高値382.4万円をトップに反落に転じると、昨日は一時350.0万円まで急落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足が一目均衡表雲下限に下支えされたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(上昇トレンドは崩れていない)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め打ち止め観測(次回5月FOMCでの利上げ見送り観測拡大)や、(2)世界的に広がる金融システム不安(中央集権的金融機関の信用不安拡大はビットコインの上昇要因)、(3)ビットコインドミナンスの高止まり(アルトコインからビットコインへの資金流入継続)、(4)ハッシュレートの堅調推移など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
昨日はG7による規制強化報道(本年5月に広島市で開かれる予定の首脳会議で規制推進が首脳宣言に盛り込まれるリスク)や、米CFTCによるバイナンス社と同社CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏の提訴報道(米CFTCに未登録であるにも係わらず暗号資産デリバティブ取引を米国在住の投資家に勧誘)がネガティブサプライズとしてビットコイン円相場の押し下げに繋がりましたが、このままずるずると下がっていくとは想定しづらく、一巡後の反発リスクが期待されます(あくまでバイナンス個社の問題でありビットコインの継続的な下落要因には繋がりにくい)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:345.0万円ー375.0万円
注:ポイント要約は編集部
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