ビットコイン円、下落後に持ち直すなど下値の堅さを再確認。テクニカル的な強さが下支え
〇ビットコイン円、359.2万円まで上昇後、バイナンス提訴などが重石となり350.3万円まで下落
〇しかし下値は堅く、米国時間午後にかけて持ち直す動きとなり、日本時間早朝は357.3万円前後で推移
〇テクニカルには、複数のサポートポイントが切り上がってきていることなど地合いは強い
〇ファンダメンタルズでも、米FRBによる金融引き締め打ち止め観測などが下支え要因に
〇ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:345.0万円ー370.0万円
昨日の概況
28日(火)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値359.2万円まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日海外時間に報じられた米商品先物取引委員会(CFTC)によるバイナンス提訴のネガティブサプライズが尾を引いたこと(米CFTCは、未登録でありながら米国在住の投資家に対して暗号資産デリバティブ取引を勧誘したとして、3/27に世界最大手暗号資産取引所のバイナンス社と同社CEOのCZ氏を規制違反で提訴)や、(2)米マイクロストラテジー社による1.5億ドル相当のビットコイン購入報道(米マイクロストラテジー社はクリプト界隈でネガティブインジケーターとして捉えられているため、同社によるビットコイン購入ヘッドラインは市場での格好の売り材料)、(3)短期筋のロスカット、(4)対主要通貨での円買い圧力(ドル円下落→ビットコイン円連れ安)、(5)オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(フロントエンドのリスクリバーサルでBTCプットオーバーが急拡大)が重石となり、欧州勢参入後に、安値350.3万円まで下落しました。しかし、前日記録した安値350.0万円をバックに下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間3/29午前6時30分現在)では、357.3万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は一時350.3万円まで下げ幅を広げるも、前日安値350.0万円をバックに下げ渋ると、米国時間午後にかけて持ち直す動きとなりました(下値の堅さを再確認)。ダウンサイドより複数のサポートポイントが切り上がってきていることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足が一目均衡表雲下限に確りとサポートされていること(直近2日間で計3度にわたり同水準の下方ブレイクがトライされるも全て失敗)等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。
米FRBによる金融引き締め打ち止め観測や、金融システム不安の再拡大リスク(デジタルゴールドとしてのビットコイン再評価期待)、ビットコインドミナンスの高止まりやハッシュレートの堅調推移など、ファンダメンタルズ的な下支え要因も重なる中、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、「米CFTC vs バイナンス」の構図が依然として市場の攪乱要因として燻っているものの、昨年のFTXショック後の値動き(比較的すぐに相場が持ち直した歴史)を見る限り、仮にバイナンス社が最悪の事態に陥ったとしても、ビットコインそのものを揺るがす事態に繋がるとは考えにくく(あくまで中央集権的な立ち位置である取引所固有の問題でビットコインシステムの問題では無いとの見方)、下落要因としての賞味期限は近いと考えています(悪材料出尽くしに伴うビットコイン上昇に繋がる公算大)。
本日の予想レンジ:345.0万円ー370.0万円
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