リセッション懸念(23/03/29)

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移となっています。

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リセッション懸念(23/03/29)

リセッション懸念

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:27311.5ドル(+1.02%)
イーサリアム:1774.73ドル(+3.95%)
リップル:0.52437ドル(+10.75%)
ビットコインキャッシュ:121.1ドル(+1.76%)

【概況】

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移となっています。買い戻しの動きが意識されて底堅い動きが展開されました。米商品先物取引委員会が提訴、といったニュースを受け、バイナンスから7日間で約2700億円の資金が流出といった報道が流れるなど、市場には警戒感も根強く残るところではありますが、金融システム不安に対する警戒感が後退したことで、積極的に売り込む展開にはなっていないようです。ただ、米株も朝方はプラス圏での推移となったものの、マイナス圏での引けとなっており、目先は方向感を探る局面と言うことが出来そうです。

バイナンスに関しては先週、ビットコインのスポット取引について、昨年の夏に撤廃した手数料を再び徴収し始めたことやソフトウェアの不具合を修正するために、数時間のスポット取引停止などといったことがあったために資金が引き出された側面もありますが、商品先物取引委員会の提訴の報道により、引き出しが加速したとみられています。

さて、SVBの破綻を受けて金融システム不安に対する警戒感が強まり、米国の金融政策にも影響を与えたと思われていましたが、直近の動きに関しては米国の5月の利上げを再び織り込む動きとなっており、インフレに対する警戒感も依然として根強い状況ということができるでしょう。

そうした中、ブルームバーグが20-27日に実施した月例のエコノミスト調査によると、向こう12か月にリセッション入りするとの予想が全体の65%と2月の60%から上昇しています。SVBを含む複数の銀行が破綻する一方で米国の継続的な利上げに対する警戒感が高まっている局面となっています。

FEDはソフトランディングに対して楽観的ですが、市場関係者はハードランディングの可能性が高まっているとみており、状況は予断を許さないところとなってきています。仮にリセッションということになれば、一時的にはリスク回避的な動きが強まり、暗号資産市場にとっても売り圧力が強まりやすい状況となるでしょう。

しかし、その一方で米国の金融政策に対してハト派的な見方が強まってくる可能性も高まるでしょう。市場の期待感から米国債利回りの低下がもたらされる展開となり、ドル売りの流れから暗号資産市場に資金流入といった動きも十分考えられるところです。とはいえ、その前段階で一時的には売り圧力が強まりやすい局面を迎えるのではないかとみています。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである31100ドル前後の水準と中心線である25610ドル前後の水準で挟まれたレンジでの動きを継続しています。目先はこの二つの価格が節目として意識される展開が維持されそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σをバンドウォークする展開から調整の動きが意識されています。狭いレンジでの動きとなっていましたが、目先はじり安基調となっています。下値の堅さも意識されていますが、バンドの中心線まで下落するかどうかに注目です。ただ、バンドの±2σが上昇基調となっており、トレンドそのものが上向きです。下値は堅そうで、一時的に下落してもバンドの中心線では支えられるのではないかとみています。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが高値圏での推移からデッドクロスとなり、高値圏から外れる動きとなっています。このまま下落基調を維持するかどうかに注目です。%Kは目先小幅に持ち直していますが、このまま上昇できるかどうかは不透明です。%Dの下落の流れが意識されそうで、上値の重い展開が継続するのではないでしょうか。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの下限を意識しての動きとなりましたが、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはならず、方向感の見えにくい展開となりました。しかし、目先は買い意欲が強まり、バンドの中心線まで持ち直す動きとなっています。中心線をブレイクすることが出来るかどうかに注目ですが、バンドの±2σが横ばいであり、レンジ圏での動きが意識されやすい形です。一時的には買いの流れが一服するのではないかとみています。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっています。ただ、目先は%Kが腰折れ気味であり、このまま上値を抑えられるのかに注目です。目先は%Dがしっかりとした動きとなっており、流れとしては底堅い動きが意識されやすいところです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
31100ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
30000ドル:心理的な節目
27470ドル:昨日の高値

27310ドル:現在値

26670ドル:昨日の安値
25610ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
25210ドル:2022年7-12月の高値
20110ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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