ビットコイン円、悪材料出尽くしで急反発。対ドルの節目3万ドルが射程圏内に
○ビットコイン円、欧州勢参入後に高値378.0万円まで急伸
○悪材料出尽くしに伴うアク抜け感や株式市場の堅調推移等が支援材料
○規制強化報道やバイナンス提訴といった悪材料を僅か2日で「消化全値戻し」
○テクニカル、ファンダメンタルズ、ポジションの各要因の組み合わせが地合の強さの背景に
○ビットコイン円相場の上昇トレンド継続と予想
○本日の予想レンジ:365.0万円ー395.0万円
昨日の概況
29日(水)のビットコイン円相場は急反発。3/26に報じられたG7による規制強化促進に係るヘッドラインや、3/27に報じられた米商品先物取引委員会(CFTC)によるバイナンス提訴のヘッドラインが悪材料視される中、前日海外時間に一時350.3万円まで下げ幅を広げましたが、売り一巡後に下げ渋ると(4時間足ベースの一目均衡表雲下限に下支えされると)、(1)悪材料出尽くしに伴うアク抜け感(短期筋のショートカバー誘発)や、(2)株式市場の堅調推移(世界的な金融システム不安を巡る過度な警戒感が後退→リスクオン再開→株高→ビットコイン上昇)、(3)アルトコインの一斉上昇(ビットコインのみならずETHやXRPなど大半のアルトコインが急上昇→暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)、(4)テクニカル的な地合いの強さ(複数の買いシグナルが継続点灯)、
(5)3/31に控える四半期末オプションカットのマグネット効果(巨大ストライク30000ドルに引き寄せられるマグネット効果)、(6)対主要通貨での円売り圧力(ドル円・クロス円急伸→ビットコイン円連れ高)が支援材料となり、欧州勢参入後に、高値378.0万円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/30午前5時20分現在)では、377.0万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は3/27に記録した直近安値350.0万円をボトムに反発に転じると、昨日は一時378.0万円まで急伸しました(3/22に記録した年初来高値382.4万円に迫る展開)。G7による規制強化報道や、米CFTCによるバイナンス提訴といった悪材料を僅か2日で「消化(全値戻し)」するなど、地合いの強さを再認識させる展開となっております。
こうした動きの背景には、(1)強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していることや、(2)米FRBによる金融引き締め打ち止め観測が広がっていること、(3)米地銀・クレディスイスに端を発した金融システム不安がグローバルに広がっていること(中央集権的金融機関に対するアンチテーゼとしてのビットコインの存在価値が再評価)、(4)3/31日本時間17時に行使期日を迎える四半期末オプションカットの最大ストライク3万ドルに吸い寄せられるマグネット効果が意識されていることなど、テクニカル的な要因、ファンダメンタルズ的な要因、ポジション構造的な要因の組み合わせが挙げられます。バイナンスを巡る不確実性(米国内での業務が制限されるなど)はある程度織り込み済みであるため、余程大きなサプライズ(バイナンスがFTXのように経営破綻に陥る事態など)が出てこない限り、ビットコイン円相場の上昇トレンドは続くと予想いたします(目先は対円の年初来高値382.4万円や、対円の節目400.0万円、対ドルの節目3万ドルを試すシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:365.0万円ー395.0万円
注:ポイント要約は編集部
- 関連通貨:
関連記事
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.09.23
ビットコイン分析『日米金融政策イベント通過に伴うアク抜け感から上昇トレンド再開に期待』(9/23朝)
今週は週央にかけて406.2万円(8/29以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直すなど、ビットコイン円相場に復調の兆しが見えつつあります
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:山中 康司
2023.09.22
暗号資産週報「短期高値を見てやや下押ししやすい流れに」(9月第4週)
株式市場のリスクオフの動きがビットコインにも影響し、上げる前のもみあい水準に押しての週末となりました。
-
-
-