ビットコイン円、地合いの強さが鮮明に。米金利の低下もビットコインの支援材料
〇ビットコイン、円アジア時間の安値362.9万円から米国時間にかけて378万円まで上昇
〇アルトコインや金の上昇、米金利低下とドルの下落等がビットコインをサポート
〇テクニカルは下方向にサポート並び買いシグナルも継続、地合いは強い
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め打ち止め観測やくすぶる金融システム不安がサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:360.0万円ー390.0万円
昨日の概況
4日(火)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す動き。(1)原油価格の上昇懸念(OPECおよびOPECプラスの7カ国が4/2に5月から年末にかけての追加減産を表明)や、(2)上記1を背景とした世界的なエネルギー発のインフレ懸念再浮上(主要国の長期金利上昇→リスクアセット下落→ビットコイン下落)、(3)米政府によるシルクロード関連捜査で押収したビットコインの巨額売却観測(2023年は計41490.72BTCのビットコインを売却予定)、(4)短期筋のロスカットが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値362.9万円まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)アルトコインの力強い動き(イーロンマスク氏がTwitter画面のアイコンを水色の鳥のログから、DOGEコインの柴犬のロゴに変更→DOGEコイン急騰→アルトコイン連れ高→暗号資産市場全体に広がる楽観ムードや、(7)金先物相場の力強い動き(金先物価格が昨年3/9以来となる約1年1カ月ぶり高値圏へ上昇→デジタルゴールドとしての地位を高めているビットコインも連れ高)、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力(ドルインデックスは2/2以来となる約2ヵ月ぶり安値圏へ急低下→米ドルと逆相関性の強いビットコインの上昇要因)が支援材料となり、米国勢参入後に、高値378.0万円まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/5午前5時30分現在)では、372.5万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場はアジア時間早朝に記録した安値362.9万円をボトムに反発に転じると、米国勢参入後に高値378.0万円まで急伸しました。ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること(昨日の急落局面においても一目均衡表転換線とボリンジャーミッドバンドがサポートとして確り機能)や、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め打ち止め観測(昨日発表された米2月JOLTS雇用動態調査が2021年5月以来の1000万件の大台割れを記録したことで米国の労働市場逼迫懸念が後退→次回5/3FOMCでの据え置きの織り込み度合が前日記録した42.8%から57.0%へ急上昇→米長期金利急低下→米ドル下落→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)や、(2)世界的にくすぶる金融システム不安(足元でひとまず落ち着きを取り戻しているものの、一巡後にぶり返す危険性あり。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者は昨日公表された株主宛て年次書簡の中で、「米銀行危機はまだ終わっておらず、影響は今後何年も残る」と予想)、
(3)上記2を背景としたビットコインのデジタルゴールドとしての役割再評価(金価格同様、リスクオフ局面で買われやすい性質)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。事実、暗号資産オプション市場では、翌日物から1年物に至る全てのテナーのリスクリバーサルがBTCコールオーバーを強めるなど、ビットコイン円相場の更なる上昇を織り込む動きが続いております。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は3/30に記録した年初来高値386.1万円を試す動きを想定。同水準を突破できれば対円の節目400.0万円や対ドルの節目30000ドルが射程圏内に)。
本日の予想レンジ:360.0万円ー390.0万円
注:ポイント要約は編集部
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