調整の動き
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:29447.3ドル(-2.95%)
イーサリアム:2076.03ドル(-2.17%)
リップル:0.21097ドル(-2.00%)
ビットコインキャッシュ:131.6ドル(-2.95%)
【概況】
昨日の暗号資産市場は、ビットコインが下落しての推移となっています。米国の金融引き締めに対する思惑が強まる中で米国債利回りが短期債利回りを中心に大きく上昇しており、それに伴うドル買いの流れがビットコインの価格を押し下げる展開となりました。米株が堅調地合いとなっていますが、ここまでの上昇に対する調整の動きが意識され、売り圧力が強まりました。その他のコインもつれ安となって推移しています。
さて、米SECが暗号資産取引所のビットトレックスを提訴といった報道が流れています。SECはビットトレックスが違法な証券取引所、証券会社、清算会社を運営しているとしてシアトル連邦裁判所に訴訟を提起したようです。ビットレックスが有価証券に該当するデジタル資産を上場しているため、SECに登録して規制に従う必要があるとの主張に基づいており、ウィリアム・シハラ元CEOや同社の海外事業ビットトレックス・グローバルも併せて提訴したと伝えられています。
SECは米リップル社との訴訟が最終局面に入り、2023年中に結論が出る見込みといったことをリップルのブラッド・ガーリングハウスCEOが先日語っています。その一方でコインベースに対して訴訟の可能性を警告しており、積極的に動いている状況となっています。これに関しては批判の声も上がっていますが、当局からの規制強化の流れは維持されるものと思われますし、強化に伴い提訴などの動きも継続されるのではないかとみています。
規制の強化が米国から暗号資産企業の脱出を加速させるのではないかといった懸念は業界関係者から指摘されているところです。しかし、現状においては暗号資産業界に対する逆風はやみそうもないですし、暗号資産関連企業はそうした中での対応を迫られることとなるでしょう。
SECなどからの提訴の流れが継続することになれば、業界のイメージは悪化することになりかねません。提訴に関して批判的な意見があったとしても、投資家にとってはやはりリスクであり、参入を躊躇うこともあるでしょう。目先は上昇基調となっていますが、こういった流れが継続した場合、先行きに対する警戒感が高まることもあるでしょう。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである30890ドル前後の水準から調整の動きが意識され、中心線である28930ドル前後の水準を目指す形です。現状はこの二つの価格で挟まれたレンジを動いており、節目として意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σから調整の動きが意識され、バンドの中心線を目指す動きとなっています。中心線で支えられるかどうかに注目が集まるところです。現状バンドの+2σは横ばい、-2σは上昇といった動きとなっています。トレンドそのものはやや上向きで、バントの中心線で支えられる可能性は高そうですが、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところかと思われます。押し目買い優勢ですが、バンドの+2σでは抑えられるのではないかとみています。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがデッドクロスからの下落となり、高値圏から転落しています。売り優勢の流れであり、目先は下値を拡大しやすい状況と言えそうです。
ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線を挟んでの動きから売り圧力が強まり、バンドの-2σをブレイクしてバンドウォークとなっています。乖離が大きくなったことで一時的に持ち直す場面もありましたが、目先はバンドウォークが意識される形であり、バンド幅の拡大を伴いながらの動きが展開されています。バンドの+2σの上昇基調が維持されれば、さらに下値を拡大といった動きとなるでしょう。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dが下値圏での動きで上値の重い展開が意識される状況となっています。一時的な上げ下げはあるものの、下値圏での動きが継続しており、売り優勢の流れということが出来そうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
32000ドル:2022年6月に意識された水準
30890ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
30310ドル:昨日の高値
30000ドル:心理的な節目
29450ドル:現在値
29270ドル:昨日の安値
28930ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
26960ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
25210ドル:2022年7-12月の高値
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
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