利上げの織り込み(23/04/26)

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移となっています。

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利上げの織り込み(23/04/26)

利上げの織り込み

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:27986.7ドル(+1.94%)
イーサリアム:1863.24ドル(+1.65%)
リップル:0.47023ドル(+1.80%)
ビットコインキャッシュ:119.2ドル(+0%)

【概況】

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移となっています。NY時間帯から買いの動きが強まり、持ち直し基調となっています。米地銀のファーストリパブリック株が大幅下落となったことで金融システム不安が強まり、リスク回避的な動きが意識されました。そして安全資産への逃避の流れからドルや米国債に対する買い意欲が強まる展開となりました。ドルの上昇に関しては暗号資産にとって逆風となるわけですが、昨日に関しては買い戻しの動きが意識されて上昇する動きとなりました。その他のコインもしっかりとした動きが展開されました。

さて、昨日は米地銀のファーストリパブリック株が大幅下落となったことで金融システム不安が強まったわけですが、米国の経済指標も消費者信頼感指数が去年の7月以来の水準にまで低下しており、足元の経済に対する警戒感が強まる状況となっています。そうした状況がリスク回避的な動きを強めているということができるでしょう。

そして、リスク回避的な動きの強まりを受けて、米国の金利予想確立において、先物市場での年内の利上げの織り込みが100%を割り込む状況となっています。とはいえ、5月のFOMCでの25bpの利上げの織り込みは82.5%、6月までの織り込みは91.8%となっています。つまり、5月か6月に25bpの利上げを行う可能性は高いということが出来ます。

しかし、先物市場においては年末に利下げを織り込む流れとなっています。金融当局関係者は年内の利下げに関しては否定的な見方を示していますが、経済に対する警戒感が強まる場面では利下げの選択肢は十分に視野に入るでしょう。

また、金融政策において懸念されているインフレ率に関しても従来の想定よりも速いペースで低下するといった指摘があります。これはエコノミストを対象としたブルームバーグの最新の調査で明らかになりました。複数の銀行破綻をきっかけに与信環境のタイト化が寄与すると予想されています。つまり、企業や消費者が融資を受けるのが難しくなってきており、これが利上げと同様の影響を及ぼしていると指摘されています。

こうした環境下でインフレが低下する一方、金融システム不安が高まれば、FEDも利下げを考慮する可能性が出てくるでしょう。最終的には経済指標の動向次第であり、現状で利下げを視野に入れてないとしても、柔軟に対応するのではないでしょうか。

仮に年内に利下げに転じるといった思惑が強まれば、リスク志向の動きが強まるのと同時に米国債利回りの低下などを眺めたドル売り圧力が意識される可能性が高まるでしょう。そうなれば、暗号資産市場にとっては強い追い風となるでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの中心線である28920ドル前後の水準と-2σである26640ドル前後の水準で挟まれたレンジ内での動きを継続しており、方向感の見えにくい局面となっています。まずは上記の二つの価格が意識されそうですが、どちらをブレイクするかで流れが変わってきそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線と-2σで挟まれたレンジを動いています。方向感の見えにくい展開で、横ばいでの推移ということが出来そうです。バンドの±2σはほぼ横ばいということが出来そうで、レンジ圏での動きが維持されやすい局面です。まずは方向感を見極めながらの対応となりそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっています。%Kは下値圏から外れる動きとなっており、%Dもそろそろ下値圏から外れてきそうです。このまま上昇基調を維持することが出来るかに注目ですが、上値余地は十分にあるので、底堅い動きが展開される可能性は十分にありそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線で抑えられる動きから一気に上昇基調を強め、中心線を抜けてそのままバンドの+2σをブレイクする展開となっています。バンドの-2σも下落に転じており、バンド幅の拡大が意識されるところです。このままバンドブレイクからバンドウォークといった動きとなる可能性も十分にあるでしょう。バンドの-2σの方向感に注意する必要がありそうですが、目先は買い優勢の局面と言えそうです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇で、%Kは高値圏に入っています。%Dも上昇の勢いが強いため、近々高値圏に入りそうです。買い優勢の流れが意識されていますが、%Kが高値圏での動きを維持できるかがポイントとなりそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
32000ドル:2022年6月に意識された水準
31210ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
30000ドル:心理的な節目
28920ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
28040ドル:昨日の高値

27990ドル:現在値

27200ドル:昨日の安値
26640ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
25210ドル:2022年7-12月の高値
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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