大手金融による2024年末のビットコイン10万ドル、メモじゃなくレポート形式で読みたいなぁ 4/26

ビットコインは、円ベースで400万円、ドルベースで3万ドルを付けた後は上げ一服となっているが、投資家のモメンタムはさほど悪化していない雰囲気を感じる。

関連通貨:

大手金融による2024年末のビットコイン10万ドル、メモじゃなくレポート形式で読みたいなぁ 4/26

大手金融による2024年末のビットコイン10万ドル、メモじゃなくレポート形式で読みたいなぁ

ビットコインは、円ベースで400万円、ドルベースで3万ドルを付けた後は上げ一服となっているが、投資家のモメンタムはさほど悪化していない雰囲気を感じる。情報端末等では、欧米金融システム懸念に絡んだネガティブなニュースやアナリストレポートはまだ見られるが、暗号資産に関しては、ようやく上昇してきたこともあり歓迎するような記事の割合の方が多い印象だ。

なかでも、24日に伝わった英国金融大手スタンダードチャータード銀行のニュースは目を見張った。ビットコインの価格が2024年末までに10万ドル水準まで上昇する可能性があるとの見解を同行が示したとのことだ。今の水準からすると3倍強で、もちろん史上最高値を大幅に更新する話である。同行の価格予想が書かれたノート(メモ)を入手した海外メディアが報道したと伝わっているが、同行のデジタル資産調査部長ジェフ・ケンドリックス氏がコメントしたという情報もあるなど記事の情報源がやや曖昧な点は気になる。

ただ、「英国金融大手スタンダードチャータード銀行」「2024年末にビットコインが10万ドル水準までの上昇の可能性」というフレーズは、好奇心を掻き立てるには十分だ。せっかくなので、同氏のコメント(メモの記載?)にある要因を一つ一つ整理していきたい。

① 「最近の銀行セクターの混乱」
② 「米国連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクル終了に伴うリスク資産の安定化」
③ 「暗号資産マイニングの収益性の改善」

まずは①の「最近の銀行セクターの混乱」だが、補足はさほど要らないだろう。既存の金融システムが混乱するタイミングで暗号資産の価値が上昇した経緯を思い出せば事足りることだ。24日に伝わった米ファースト・リパブリック・バンクの予想以上の預金流出額といったニュースは、暗号資産の価値向上につながる話である。足元、さほど暗号資産は動いていないが、3月以降の欧米金融システム不安は、ビットコインを中心とした暗号資産への見直しにつながっていると私も思う。

そして、②の「米国連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクル終了に伴うリスク資産の安定化」に関しても、さほど説明は要らないだろう。利上げ一服が近いことで、2021年秋以降続いたリスク資産の代表でもある暗号資産の下げは終わりを告げ、いち早く上昇に転じたと考える。ちなみに、①の既存金融システムの混乱で暗号資産にリスク資産が「逃避」したと考えると、①と②は少々矛盾してしまうので注意が必要だ。あくまで、①は既存金融システムの混乱で、既存の金融システムとはまるで異なる分散型(ブロックチェーン)のビットコインの価値が見直された、という整理だ。どのような金融商品よりもハイリスクでハイボラティリティな暗号資産にリスク資金が「逃避」したという考えは少々苦しい。

一方、③「暗号資産マイニングの収益性の改善」は、私の理解不足もあってピンとこない。サブ要因に半減期に関する記載があるので、半減期に関する話でないことは理解している。推測で申し訳ないが、「Network Difficulty」(マイニング難易度)が、2021年末と比較すると低下していることを指摘しているのかもしれない。ただ、マイニング難易度は、ハッシュパワー(マイナーの計算能力)によって自動調整される仕組みで、マイナーが少なくなれば低下、多くなれば上昇するものである。2021年比で低下しているのは単純に価格が低下したことでマイナーが少ないだけな気はする。ここのロジックに関しては詳細を知りたいところだ。

メモや伝聞、主たる要因だけの記事ではなく、明確なロジックが記載されたレポート形式で読みたいが、今回のニュースはレポートではないのが残念だ。とはいえ、2024年末にビットコインが10万ドルという明るい話は投資家のモメンタムを多いに刺激する。価格面にスポットが当たり投機的なマネーが流入するのは困るが、まだまだ保守的な人へのアピールは必要だ。どのような形であれ、ビットコイン、そして暗号資産そのものを知ってもらえる機会・ネタはウェルカムである。

関連記事

ページトップへ戻る