ビットコインの価格分析:『暴落後に全値戻しを達成するなど地合いの強さが鮮明に』(4/29朝)

ビットコイン円相場は、4/24に一時362.80万円まで急落しましたが、現在は400.0万円前後への全値戻しを達成しております。

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ビットコインの価格分析:『暴落後に全値戻しを達成するなど地合いの強さが鮮明に』(4/29朝)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(4/23−4/29)のビットコイン円相場は、週初374.7万円で寄り付いたあと、(1)暗号資産市場全体に広がる悲観的なムード(世界的な規制強化や、暗号資産取引所最大手バイナンスに16000BTCの大規模な売りの持ち込み、メタマスクで発生した原因不明の5000ETH規模の不正流出被害、休眠アドレスからの大量のビットコイン移動など悪材料噴出)や、(2)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、(3)テクニカル的な地合いの悪化が重石となり、翌4/24にかけて、週間安値362.8万円(3/29以来、約1カ月ぶり安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米ファーストリパブリック銀行の大規模預金流出に端を発した金融システム不安の再燃や、(5)上記4を背景としたデジタルゴールド的な位置づけとしてのビットコインへの資金流入観測(中央集権に対するアンチテーゼとしてのビットコインの存在感)、(6)短期筋のショートカバー誘発が支援材料となり、週央にかけて、週間高値401.2万円まで急伸しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)ブロックチェーン分析会社アーカム・インテリジェンスによる「マウントゴックスおよび米政府に関連するウォレットから大量のビットコインが移動した」とのアラート発信や、(8)海外インフルエンサーDB氏による上記1のツイート拡散、(9)上記7、8を背景としたロング勢の巨額ポジション清算(既に報じられていたマウントゴックスによる弁済開始や米政府によるシルクロード関連捜査で押収したビットコインの売却観測と結びついてロング勢の大規模ストップSELLを誘発)が重石となり、4/27アジア時間早朝にかけて、一時364.2万円まで暴落しました。しかし、4/24安値362.8万円をバックに下げ渋ると、(10)上記7のアラートに関する「誤報の可能性が高い」との否定ツイート(シルクロード関連捜査で押収したビットコインが含まれている米政府のウォレットには少額取引しか記録されていないことが判明)や、(11)短期筋のロング再エントリー、(12)日銀による金融緩和の修正見送り(ドル円・クロス円急伸→ビットコイン円連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/29午前8時40分現在)では、400.0万円前後まで全値戻しを達成する力強い相場展開となっております。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場、週前半から週半ばにかけての下落局面で50日移動平均線(黒線)に確りとサポートされました。また、週後半にかけての上昇局面では、21日移動平均線(青線)を明確に上方ブレイクしました。強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダー(上から順番に21日移動平均線、50日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)も継続しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場、週前半から週半ばにかけての下落局面でボリンジャーバンド下限に確りとサポートされました。また、週後半にかけての上昇局面では、ボリンジャーミッドバンドを上方ブレイクしました。ミッドバンドの傾きも「右肩上がり」の傾斜に転じるなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急反発を受けて、日足ローソク足は、一目均衡表転換線および一目均衡表基準線を上抜けしました。また、遅行線の26日前のローソク足上放れも成立しており、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。目先は転換線と基準線のゴールデンクロスと、それに伴う一目均衡表三役好転の再成立に期待が集まります。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急反発を受けて、オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は40%近辺から60%近辺へと上昇しました。但し、過熱感(買われ過ぎ感)を示唆する70%超の水準には達しておらず、RSIの観点からはもう一段の上振れ余地があると判断できます(週を通して乱高下を繰り返したことで、ハイレバ・ロング勢のポジションが大量に清算されており、ビットコイン円相場は目先上がり易くなっている可能性あり)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は、4/14に記録した年初来高値411.3万円をトップに反落に転じると、4/24に一時362.80万円まで急落しましたが、現在は400.0万円前後への全値戻しを達成しております。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」が継続していること、4時間足などの下位足で「一目均衡表三役好転」などの買いシグナルが再点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(今週は全値戻しを達成するなど下値の堅さを再確認。4/14高値411.3万円→4/24安値362.8万円→4/26高値401.2万円→4/27安値364.2万円→4/28高値400.9万円)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、米ファーストリパブリック銀行の大規模預金流出に端を発した金融システム不安の高まり(中央集権に対するアンチテーゼ的な発想を背にしたデジタルゴールドとしてのビットコイン買い)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が復活しました(本年3月のシルバーゲート銀行→シリコンバレー銀行→シグネチャー銀行→クレディ・スイスに絡む一連の金融システム不安発生後にビットコイン円相場が急伸したことを多くのトレーダーが思い出す展開)。来週予定されている米FOMCやECB理事会でハト派的なスタンスが示されれば、ビットコイン円相場が年初来高値411.3万円を上抜け、昨年6/7に記録した高値418.3万円に向けて急伸するシナリオも想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(暗号資産市場のリスクリバーサルも全期間でBTCコールオーバーに転換→アップサイドを織り込む動きが完全復活)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 380.0万円−430.0万円

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