ビットコイン円、伝統的金融市場のリスクオンを追い風に約1週間ぶり高値圏へ急上昇
〇ビットコイン円、株式市場の堅調推移、円安進行等に米国時間に377.7万円まで上昇
〇短期足では主要テクニカルポイント上方ブレイク、強い買いシグナルも示現、地合い好転
〇ファンダメンタルズはビットコインの売り材料多いが堅調さを維持、見た目以上に地合い強いか
〇本日も株式市場の動向を睨みながらの堅調な値動きが続きそう
〇本日の予想レンジ:365.0万円ー390.0万円
昨日の概況
17日(水)のビットコイン円相場は急上昇。(1)欧州連合財務相理事会による「暗号資産市場規制法案(MiCA)」の最終承認(同法案は暗号資産の発行・交換・保管を行う事業者に欧州域内単一の免許を取得するよう義務付ける制度で2024年に施行される見通し。また、同理事会は租税回避やマネーロンダリングを阻止するルールも合意し、2026年1月から事業者に暗号資産の送金者と受取人の名前取得を義務付ける方針)や、(2)英議会財務特別委員会による規制強化を求める報告書公表(同委員会はビットコインやイーサリアムなどの暗号資産についてギャンブルとして規制すべきとする報告書を公表)、
(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値364.4万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)株式市場の堅調推移(米主要株価指数の急上昇→リスクオン再開→リスクアセット上昇→ビットコイン上昇)や、(5)対主要通貨での円売り圧力(ドル円・クロス円上昇→ビットコイン連れ高)、(6)オプション市場のアップサイドを織り込む動き(リスクリバーサルのBTCコールオーバー拡大)、(7)アルトコインの堅調推移(暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値377.7万円(5/10以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/18午前6時00分現在)では、376.4万円前後まで軟化する動きとなっております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は5/12に記録した安値351.0万円(約1カ月半ぶり安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は約1週間ぶり高値となる377.7万円まで急伸しました。4時間足ベースで主要テクニカルポイント(一目均衡表基準線、転換線、雲上限、21MA、50MA、90MA、ボリンジャーミッドバンド)の上方ブレイクが実現したことや、4時間足ベースで強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」が成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転が意識されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、米地銀を巡る金融システム不安の後退や、米FRBによる追加利上げ観測、米債務上限問題の進展期待、欧州および英国での規制強化報道など、本来であればビットコインの下落に繋がり得る材料(米地銀を巡る金融システム不安の後退はゴールドやビットコインの下落要因、米FRBによる追加利上げ観測は米ドル高を通じてビットコインの下落要因、米債務上限問題の進展期待も脱ドル化の流れの後退を通じてビットコインの下落要因、欧州および英国での規制強化報道もビットコインの下落要因)が相次いでいるにも係わらず、堅調さを維持しているため、見た目以上に地合いが強いと判断できます。伝統的金融市場のリスクオンとの相関性が高まっているため、本日も株式市場の動向を睨みながらの堅調な値動きが続きそうです(株高→ビットコイン上昇の流れの継続をメインシナリオとして想定)。
本日の予想レンジ:365.0万円ー390.0万円
注:ポイント要約は編集部
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