約1週間ぶり高値圏から急反落。方向感の定まらない動きが継続
〇ビットコイン円、金融市場で広がるリスク選好の動きや円安進行に米国時間に高値379.4万円まで上昇
〇米金利上昇とドル買い、豪ウェストバックのバイナンスへの支払い禁止等に365.8万円まで急落
〇ローソク足が一目均衡表の「雲」の中で推移、買いシグナルも消失しレンジ相場示唆する形状へ
〇ファンダメンタルズも好悪材料入り混じり、決定打に欠ける
〇ビットコイン円相場のレンジ相場継続を本日のメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:360.0万円ー380.0万円
昨日の概況
18日(木)のビットコイン円相場は上昇後に急反落。(1)伝統的金融市場で広がるリスク選好の動き(世界的な株高→暗号資産関連株急上昇→市場心理改善→リスクアセット上昇→ビットコイン上昇)や、(2)アルトコインの堅調推移(暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)、(3)対主要通貨での円売り圧力(ドル円上昇→ビットコイン円連れ高)、(4)テザー社による「今月より利益の最大15%をビットコインの購入に定期的に割り当てる(Starting this month, Tether will regularly allocate up to 15% of its net realized operating profits towards purchasing Bitcoin)とのツイート発信が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値379.4万円まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米債務上限問題の進展期待(脱ドル化の動きの後退→ビットコイン下落)や、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、(7)金先物価格の大幅下落(デジタルゴールドのビットコインも連れ安)、(8)豪ウェストパック銀行による「バイナンスへの支払い禁止」発表などが重石となり、米国時間午後にかけて、安値365.8万円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/19午前5時30分現在)では、371.3万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は5/12に記録した安値351.0万円(約1カ月半ぶり安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は一時379.4まで上昇しましたが、米国時間午後に入ると一転、365.8万円まで急落する冴えない動きとなりました。日足ローソク足が一目均衡表の雲の中でもがいている他(上下どちらにも抜けられない状態が継続している他)、4時間足ベースでも強い買いシグナルが消失するなど、テクニカル的に見て、方向感を見出しづらいチャート形状が確認されます(レンジ相場の継続を示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、世界的な株高(リスク選好ムード→リスクアセット上昇→ビットコイン上昇)といったポジティブ材料が見られる一方、米FRBによる追加利上げ観測(次回FOMCでの25bp利上げ織り込み度合が36.7%へ急上昇→米金利上昇→米ドル高→ビットコイン下落)や、米債務上限問題の合意期待(脱ドル化の流れの後退→ビットコイン下落)、欧州および英国での規制強化報道(規制強化の思惑→ビットコイン下落)、米地銀を巡る金融システム不安後退(金先物価格下落→ビットコイン下落)など、ビットコインにとってのネガティブ材料も確認されます。以上を踏まえ(テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも決定打が見られない状況を踏まえ)、当方ではビットコイン円相場のレンジ相場継続を本日のメインシナリオとして予想いたします(振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯の継続を想定。基本的には「株高→ビットコイン上昇」 vs 「米金利上昇→ビットコイン下落」の綱引きの構図)。
本日の予想レンジ:360.0万円ー380.0万円
注:ポイント要約は編集部
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