狭いレンジ
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:26897.2ドル(+0.19%)
イーサリアム:1818.31ドル(+0.69%)
リップル:0.46121ドル(+0.44%)
ビットコインキャッシュ:115.0ドル(-0.17%)
【概況】
昨日の暗号資産市場は、ビットコインが小幅に上昇しての推移となっています。債務上限問題や米国の金融引き締めに対する懸念などから警戒感が強まりやすい局面ではありますが、結論を見極めたいとの思惑から様子見ムードが強まる展開となっています。その他のコインも小幅な値動きであり、方向感の見えにくい状況となりました。
さて、分析会社グラスノードは直近7日間の値幅が過去3年間で最も狭いレンジの一つであり、2020年7月、今年の年初、先月の一時期に匹敵すると指摘しました。
基本的には狭いレンジでの動きとなる場面は手掛かり材料に欠けている時が多く、現状も債務上限問題や米国の金融政策など注目を集めている材料はあるものの、これらに関しては以前からも注目されていたものであり、言ってしまえば市場に織り込み済みということになるでしょう。もちろん債務上限問題が急転直下で解決となったり、米国がデフォルトなどということになれば、市場を大きく揺り動かすことになるでしょう。ただ、現状においてはそういった動きにはなっていないため、市場も動きにくいという状況にあるわけです。
グラスノードは、こういった狭いレンジでの動きは今後、高いボラティリティーが控えていることを示唆している、と指摘しています。これはボリンジャーバンドからも導くことが出来る結論です。つまり、狭いレンジでの動きが継続すると、バンド幅が縮小して市場にエネルギーが蓄積され、その後はバンドブレイクからバンドウォークといった動きになってエネルギーが発散されるといった流れです。つまり、近い将来に大きな動きが見られる可能性が高まっているということになります。
これに関しては投資家の心理として、レンジの上限もしくは下限を抜けた際はトレンドの形成を意識して同じ方向についていこうとする傾向があることに加え、上限で売っていた人、もしくは下限で買っていた人が損切りをすることによってトレンドが強化されることによって起こる事象です。つまり、こういったことは何も特別なことではなく、今回のビットコインで起こっても何ら不思議なことではないと言えるでしょう。
問題は上に行くのか、下に行くのかといったところではありますが、はっきり言ってしまえば現状ではわからないということになるでしょう。ですので、動き出した場合は安易に戻り売りや押し目買いなどをせず、トレンド形成の可能性をしっかりと頭に入れて対応すべきでしょう。もちろん、レンジ圏での動きがまだしばらく続く可能性もありますが、動き出したら大きくなる可能性も視野に入れておくべき局面と言えそうです。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの-2σである25840ドル前後の水準とバンドの中心線である27560ドル前後の水準を挟んでの動きが継続しています。目先は狭いレンジで方向感が見えにくく、上記の二つの価格が節目として意識される展開が維持されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-1σを挟んでの小動きとなっています。バンドの±2σが下落しており、トレンドそのものは下向きです。上値の重さが意識されやすく、バンドの-2σまで下落する可能性は十分にあるでしょう。ただ、バンドの中心線までは戻り余地もあるため、目先は様子見ムードが意識されやすい状況です。まずは方向感を見極めながらの対応となりそうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっています。一時的な上げ下げはあるものの、目先はしっかりとした動きとなっておりこのまま上値を拡大するかどうかに注目が集まりそうです。上値余地は十分にあるので、上昇基調を維持した場合はバンドの中心線を意識しての動きとなりそうです。
ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σで支えられて持ち直し、目先はバンドの中心線を挟んでの動きとなっています。狭いレンジでの動きで、方向感の見えにくい状況です。バンドの±2σも横ばいであり、バンド幅も狭い状況です。市場にはエネルギーが蓄積されているものと思われ、バンドの+2σもしくは-2σでの動きには注意が必要でしょう。
ストキャスティクスで見ると%Kと%Dがゴールデンクロスからの上昇となっています。上げ下げを繰り返しながらの動きで、目先はじり高基調となっています。このまま上昇基調を維持することが出来れば、バンドの+2σまで上昇する可能性が高まるでしょう。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
30000ドル:心理的な節目
29270ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
27560ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
27050ドル:昨日の高値
26900ドル:現在値
26550ドル:昨日の安値
25840ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
25210ドル:2022年7-12月の高値
20000ドル:心理的な節目
15500ドル:2022年7-12月の安値
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
- 関連通貨:
関連記事
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.09.23
ビットコイン分析『日米金融政策イベント通過に伴うアク抜け感から上昇トレンド再開に期待』(9/23朝)
今週は週央にかけて406.2万円(8/29以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直すなど、ビットコイン円相場に復調の兆しが見えつつあります
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:山中 康司
2023.09.22
暗号資産週報「短期高値を見てやや下押ししやすい流れに」(9月第4週)
株式市場のリスクオフの動きがビットコインにも影響し、上げる前のもみあい水準に押しての週末となりました。
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:中島 光牙
2023.05.23
5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」、取引枚数は13年前とあまり変わらない?(23/5/23)
昨日5月22日はビットコインのみならず暗号資産業界において歴史的な日であった。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.05.23
ビットコイン円、Pizza Dayのご祝儀買いで持ち直すもレンジ相場の脱却には至らず(5/23朝)
週明け22日(月)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す展開。