ビットコイン円、レンジ相場が継続中。米債務上限問題に関する続報待ちで身動き取れず(5/26朝)
〇ビットコイン円、ここ数日間続いているレンジ相場(360.0ー380.0万円)が継続方向感に欠ける
〇テクニカル的に見て、一目均衡表の「雲」の中で推移、市場参加者の「気迷い」が確認される状況
〇ファンダメンタルズもFRBの金融政策、金融システム不安、米債務上限問題等不確実要因多い
〇本日も米債務上限問題に関するヘッドラインに警戒が必要
〇本日の予想レンジ:360.0万円ー380.0万円
昨日の概況
25日(木)のビットコイン円相場は方向感に欠ける展開。(1)米債務上限問題を巡る不確実性の高まり(イエレン米財務長官は前日海外時間に「財務省は6/1にも現金を使い切る可能性がある」と警告)や、(2)大手格付け会社フィッチ・レーティングスによる「米国の信用格付け見通しをネガティブに指定する」との発表、(3)ステーブルコインの14カ月連続での時価総額減少が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値361.3万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)ここ数日間続いているレンジ相場(360.0ー380.0万円)の下限を背にした押し目買い圧力や、(5)暗号資産フレンドリーな政治家として人気のある米フロリダ州知事のロン・デサンティス氏による2024年の大統領選への出馬意向の正式発表(同氏はビットコインなどの暗号資産を支持する一方、中央銀行デジタル通貨の発行に反対)、(6)対主要通貨での円売り圧力(ドル円が心理的節目140円の大台を突破し、昨年11/23以来の高値圏へ急上昇→ビットコイン円連れ高)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値372.2万円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/26午前6時05分現在)では、370.7万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は依然として360.0ー380.0万円を中心としたレンジ相場が続いております(昨日もレンジ下限360.0万円の下方ブレイク失敗後に370.0万円付近へ反発)。日足ローソク足が一目均衡表の「雲の中」でもがいていることや、ボリンジャーミッドバンドを挟んで上下していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、市場参加者の「気迷い」が確認されます(方向感を見出すことが難しい状況であるため、淡々と機械的に360.0万円前後で買い、380.0万円前後で売りを入れるレンジプレイヤーが増加中)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、これまで述べてきた通り、(1)米金融政策の先行きに関する不確実性や、(2)米金融システム不安の先行きに関する不確実性、(3)米債務上限問題に関する不確実性が依然として燻っているため、どれか一つでも不確実性が払拭されない限り、方向感を見出すには至らないと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、360.0ー380.0万円レンジの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、米債務上限問題が解決される場合は、株高→市場心理回復→リスクアセット上昇→ビットコイン連れ高の波及経路が想定されます。一方、合意がなされずデフォルトに陥る場合は、株安→市場心理悪化→リスクアセット下落→ビットコイン下落の波及経路が初期反応として見込まれますが、一巡後は米ドルに対する信用失墜→ドル放れ加速→中央集権から非中央集権の流れの再開の波及経路でビットコインが反発に転じるシナリオが想定されます(いずれのケースも最終的にはビットコインの上昇に繋がる展開を想定)。本日も米債務上限問題に関するヘッドラインに警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:360.0万円ー380.0万円
注:ポイント要約は編集部
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