大統領選挙に影響? (23/09/12)

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが大きく下落し、一時25000ドルを割り込む水準まで下落しました。

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 大統領選挙に影響? (23/09/12)

大統領選挙に影響?

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:25091.3ドル(-2.82%)
イーサリアム:1541.94ドル(-4.66%)
リップル:0.47215ドル(-5.57%)
ビットコインキャッシュ:186.4ドル(-1.95%)

【概況】

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが大きく下落し、一時25000ドルを割り込む水準まで下落しました。破綻した暗号資産交換業者であるFTXが破産法の管理下でデジタル資産の売却に着手するといった憶測が市場全体の重しとなる展開となっています。さらに米証券取引委員会はビットコイン現物ETFの申請に関する決定を保留していることも引き続き懸念されるところであり、ビットコインの上値を抑えました。その他のコインも売り優勢の流れで、下げ幅を拡大しました。

さて、コインベースのブライアン・アームストロングCEOがインタビューの中で『暗号資産が2024年の米国大統領選挙で重要な役割を果たす』と予想しています。『米国では約5600万人がすでに暗号資産を利用している』ことを挙げ『議員が暗号資産コミュニティの投票力がどれほど強力であるかを理解しているとは思わないが、2024年は米国の有権者が候補者に暗号資産に対する立場を問う選挙になる』と続けました。

もちろん、こういった動きが巻き起こる可能性が無いとは言いませんが、私の予想としては期待外れになるのではないかと考えています。5600万人の利用者がいるとしていますが、その全てが暗号資産を大統領選挙のメインテーマにするか、というとそんなことは無いでしょう。逆に暗号資産をメインテーマにしないという人のほうが多いのではないでしょうか。そもそも、現状においてウクライナ情勢がメインテーマになる可能性が極めて高い状況です。さらにそれに付随してインフレなどが問題となるでしょう。そうした中で暗号資産が2024年の米大統領選挙で重要な役割を果たすことは難しいとみています。

暗号資産業界からすれば、大統領選挙で重要な役割を果たすことで暗号資産の地位や影響力を高めたいといった思惑があるかと思いますが、手前味噌と言いますか、楽観的過ぎるのではないかと考えています。私としても暗号資産業界の拡大に関しては期待しているところはありますが、2024年の大統領選挙で影響力を行使できるほどのものではないとみています。やはり現状で暗号資産は金融商品としての側面が強まっており、しかもまだその動向が経済に大きな影響を与えるほどではありません。

暗号資産が完全にスルーされるということもないかと思いますが、数多くあるテーマのうちの一つ、しかも優先度はそこまでは高まらないといった所に落ち着くのではないでしょうか。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの中心線である26090ドル前後の水準で抑えられて下落する流れとなり、目先売り圧力が強まりバンドの-2σである25010ドル前後の水準まで下落しています。-2σで支えられるか、バンドウォークとなるかで流れが大きく変わるところであり、節目として意識しておきたい水準となっています。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線を意識した動きから急落してバンドの-2σまで下落しています。-2σをブレイクしてバンドウォークとなるかどうかに注目です。バンドの+2σはじり高基調となっており、バンド幅は拡大傾向です。このままバンドウォークから下値を拡大といった動きになる可能性もあるでしょう。バンドの+2σの上昇基調が維持されるかどうかが目先のポイントとなりそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが下値圏での推移です。下落基調を維持しており、売り優勢の流れとなっています。このまま下値圏での動きを維持した場合、バンドウォークが意識されやすくなり、下値を拡大しそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線と-2σで挟まれたレンジを動いていましたが、バンドの-2σをブレイクしてバンドウォークする展開となっています。目先はバンドの-2σからの乖離が大きくなったことでその修正が入っていますが、バンド幅は拡大傾向を維持していることから、再度売り圧力が強まりバンドウォークを最下位といった動きとなる可能性もあるでしょう。目先はバンドの+2σの方向感に注意しながらの対応となりそうです。

ストキャスティクスで見ると%Kと%Dが下値圏での動きとなっていましたが、目先は持ち直し基調で%Kが下値圏から外れる動きとなっています。このまま上昇基調を維持して%Dも下値圏から外れる動きとなった場合はバンドの中心線を目指しての持ち直しとなりそうです。ただ、再度下落基調となって下値圏での動きとなった場合は売りが意識されてバンドウォークが再開されるでしょう。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
31400ドル:2023年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
27180ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
26090ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
25900ドル:昨日の高値

25090ドル:現在値

25010ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
24920ドル:昨日の安値
16500ドル:2023年1-6月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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