リセッション懸念後退?(23/09/15)

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移。

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リセッション懸念後退?(23/09/15)

リセッション懸念後退?

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:26566.8ドル(+1.28%)
イーサリアム:1626.88ドル(+1.41%)
リップル:0.48955ドル(+1.91%)
ビットコインキャッシュ:207.2ドル(+4.02%)

【概況】

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが上昇しての推移。米国の小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで米国のリセッション懸念が後退したことで、買い意欲が強まり上値を拡大しました。その他のコインも買いの流れが意識されており、持ち直し基調が意識されました。

さて、上述の通り米小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで米国のリセッション懸念が後退し、それがリスク志向の動きを意識させたわけですが、こうした動きに対して警鐘を鳴らすアナリストなども存在します。その根拠の一つとして言われているものが米国債市場で10年物利回りが212営業日にわたって3か月物財務省短期証券を下回っているということです。

米10年債利回りと3か月物財務省短期証券の逆イールドは景気縮小を示唆すると言われており、過去8回の景気後退の先触れとなっていました。そして、今回の逆イールドは1980年の記録を超えてブルームバーグが62年にデータを取り始めて以降の最長記録を更新することになりました。

今回の逆イールドが発生した当初、エコノミストの大半は遅くとも23年中に景気後退が訪れると予想していました。しかし、現状において経済は拡大しており、この流れが継続する気配をも見せています。FEDがソフトランディングに成功するといった楽観的な見方も広がっています。

米国債市場の警告を無視することは自己責任、とデューク大学のハーベイ教授が指摘していますが、現状の経済指標を見る限りでは警鐘を鳴らし続けている米国債市場が間違っているのではないか、といった見方が広がってもおかしくはありません。過去8回の景気後退の先触れとして機能したデータであっても、今後もそれが正しいかどうかという点においては必ずとは言い切れないでしょう。

とはいえ、シグナルを完全に頭から排除する必要もないでしょう。こういったデータを知識として持っているのといないのでは先々の対応に差が出てきます。市場からの警告と堅調な経済との乖離は何らかの要因があってのことと思われますが、どういった方向に動くにせよ市場が反応し、暗号資産市場にも影響を及ぼすこととなるでしょう。例えば、逆イールドが解消される方向に動けば、安心感が広がり暗号資産市場に対して追い風となるなどといったことが起こるかもしれません。逆もまた考えられるところですが、いずれにせよそういった動きを捉えられるように準備しておいたほうが良いでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの-2σである25010ドル前後の水準から持ち直し、中心線である26100ドル前後の水準をブレイクして+2σである27180ドル前後の水準を目指す動きです。目先はレンジ圏での動きが意識されており、この3つの価格が節目として意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σを意識しての動きから持ち直し、バンドの中心線をブレイクして上値を拡大する動きです。このままバンドの+2σまで上昇する可能性は高そうで、そこからバンドブレイクそしてバンドウォークとなるかどうかに注目です。バンドの+2σに到達した際はバンドの-2σの方向感に注意しながらの対応となりそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇で上値を拡大する展開となっています。%Kは高値圏に入っており、上値余地は少なくなっていますが、このまま高値んでの動きを維持できるかに注目です。一方、%Dは上値余地はあるものの上昇の勢いが強く、高値圏に入る可能性は高まっています。買い優勢の流れであり、バンドの+2σまで上昇する可能性は高そうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σを意識しての動きからバンドの中心線まで下落したものの、そこで支えられて持ち直す動きとなっています。ただ、バンドの+2σには届かずに上値を拡大する展開となっていました。そして、目先は調整の動きが意識されています。バンドの±2σが上昇する動きであり、トレンドそのものは上向きながら、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくく、調整の動きを入れながら上値を拡大する動きとなりやすい形です。目先は上値を抑えられていますが、下値は堅く押し目買い優勢の流れということが出来そうです。

ストキャスティクスで見ると%Kと%Dがデッドクロスからの下落となっています。まだ高値圏での推移ですが、天井打ちから下落といった動きになれば売りの流れが強まり、バンドの中心線を目指しての動きが展開されそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
31400ドル:2023年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
27180ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
26760ドル:昨日の高値

26570ドル:現在値

26150ドル:昨日の安値
26100ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
25010ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
16500ドル:2023年1-6月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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