ビットコイン分析『日米金融政策イベント通過に伴うアク抜け感から上昇トレンド再開に期待』(9/23朝)

今週は週央にかけて406.2万円(8/29以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直すなど、ビットコイン円相場に復調の兆しが見えつつあります

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ビットコイン分析『日米金融政策イベント通過に伴うアク抜け感から上昇トレンド再開に期待』(9/23朝)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(9/17−9/23)のビットコイン円相場は、週初393.4万円で寄り付いた後、(1)暗号資産市場全体に広がる楽観ムード(アルトコインの堅調推移)や、(2)テクニカル的な地合いの強さ(日足ローソク足が50日移動平均線を上方ブレイク→対円の節目400万円や対ドルの節目27000ドルの上方ブレイク→短期筋のストップBUY誘発)、(3)米FOMCを控えたポジション調整、(4)暗号資産オプション市場のアップサイドを織り込む動き(リスクリバーサルのBTCコールオーバー拡大や、ローデルタBTCコールのnaked buy活発化)、(5)FTX売り圧力の減退観測(米暗号資産取引所大手コインベース社による「FTX社による売り圧力はいくつかの要因により市場にショックをもたらすことはない」との調査レポート発信が支援材料となり、週央にかけて、週間高値406.2万円(8/29以来、約3週間ぶり高値圏)まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)米FOMCの予想以上にタカ派的な結果(米FRBは政策金利の据え置きを決定するも、同時に公表されたSEPの中で19人中12人が年内あと1回の追加利上げを示唆+来年末時点の政策金利の予想中央値を4.6%から5.1%へ上方修正+パウエルFRB議長による「米国経済が予想より強ければさらに行動する必要がある」とのタカ派的な発言)や、(7)上記6を背景とした米長期金利の急上昇(米FRBによる金融引き締め長期観測→米10年債利回りが2007年11月以来の高水準となる4.51%へ急上昇→株安・リスクアセット下落→リスクオフ再開→市場心理悪化→ビットコイン下落)、(8)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、週後半にかけて、週間安値390.3万円まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/23午前9時00分現在)では、395.1万円前後で推移しております。

尚、今週は2014年に経営破綻したマウントゴックス社の債権者に対するビットコイン等の弁済期限の1年間延期(2023年10月末から2024年10月末に延期)が発表されましたが、市場の反応は限定的となりました。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

米FOMC後の反落を受けて、日足ローソク足は50日移動平均線を下抜けしましたが、21日移動平均線および200日移動平均線には確りとサポートされる状態が続いています(下値余地は限定的)。来週は21日移動平均線と200日移動平均線のゴールデンクロスに加えて、50日移動平均線の再・上方ブレイクも見込まれるため、地合いの好転が期待されます。状況次第では90日移動平均線を試す動きも想定されるでしょう。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、ボリンジャーミッドバンド上側での底堅い動きが続いています。また、ミッドバンドの傾きも「右肩上がり」の形状を維持するなど、地合いの好転(下落トレンドから上昇トレンドへの転換)が期待されます。ボリンジャーバンド上限に沿って上昇し続ける「強気のバンドウォーク」の再点灯が実現できれば、本格的な上昇トレンド再開に向けて一段と弾みがつきそうです。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、一目均衡表転換線、基準線、雲下限の上側での底堅い動きが続いています。遅行線の26日前ローソク足突破、転換線と基準線のゴールデンクロスは既に実現済であるため、来週は最後の条件である「ローソク足の雲上限突破」に注目が集まります。雲上限突破が実現できれば、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が成立するため、本格的な上昇トレンド再開に向けて一段の弾みがつきそうです。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は中立圏内(30%−70%ゾーン)での推移が継続するなど、過熱感(買われ過ぎ感・売られ過ぎ感)は見られません。ローソク足とRSIの方向性が逆行するダイバージェンスも解消したため、現在はRSIから相場の先行きに関するヒントを得ることが難しい状況となっています。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は7/3に記録した年初来高値454.1万円をトップに反落に転じると、9/11に約3カ月ぶり安値となる365.8万円まで急落しましたが、今週は週央にかけて406.2万円(8/29以来、約3週間ぶり高値圏)まで持ち直すなど、ビットコイン円相場に復調の兆しが見えつつあります(タカ派な米FOMCを受けて週後半にかけて反落するも下げ幅は限定的。本稿執筆時点においても395.1万円前後で推移中)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲下限)の上側で推移していることや、近い将来の買いシグナル点灯(21日線と200日線のゴールデンクロス、強気のバンドウォーク、一目均衡表三役好転など)が見込まれていること(※現時点では成立未済)などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転が期待されます(予想以上にタカ派な米FOMCを受けても尚、大きな値崩れには繋がらず→下値余地は限定的→ビットコインの買い安心感)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)ビットコイン現物型ETFの早期承認期待の残存や、(2)来年4月に予定されている半減期に向けての上昇期待、(3)ビットコインの大口売却観測の後退期待(懸念されていたFTXによる大口売却観測は週1億ドルの上限額が設定されたことで懸念が後退。マウントゴックスの弁済売り観測も1年間の延期決定で懸念が後退)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。米FOMCが予想以上にタカ派的となったことで、週末にかけて反落に転じましたが、来週以降は日米欧の金融政策イベント通過に伴うアク抜け感(材料出尽くし感)が下支えすると見られることから、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇トレンド再開(年末にかけて年初来高値更新を試す展開)をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 380.0万円−420.0万円

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