ヤバイ!仮想通貨 その4

「数は力」

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ヤバイ!仮想通貨 その4

「数は力」

株式への投資をしている人が、こんなことをやったらどうなるだろうか。
① 大量の買い(売り)注文を出した後、それを取り消す。
② 出来高の少ない銘柄で、板に出ている注文のほとんどを買う(売る)取引を繰り返す。
③ 直近の出来高に比べて大量の買い(売り)注文を出す。
④ その日の取引において高値を付けた後、それに追随する形で買い注文を出す。あるいは安値を付けた後、それに追随する形で売り注文を出す。
⑤ 複数日にわたって、引け成行注文を発注する。
他にもいろいろあるが、いずれのケースも相場操縦の疑いありということになる。こんなことを繰り返していたら、いずれ証券取引等監視委員会から呼び出しがかかるだろう。
あるいは、事前に自分とその仲間たちで特定の銘柄を仕込んでおき、セミナーなどを通じて、「この銘柄は値上がり確実です」などと言うのも、やはり相場操縦の疑いありということで、摘発対象になる恐れがある。

この手の相場操縦で儲けるためには、まず時価総額の小さな銘柄を狙う。時価総額が小さい銘柄であれば、自分たちの資金力でも十分に株価を動かせるからだ。逆に、大型株のように、時価総額が1000億円規模の銘柄になると、ちょっとやそっとの資金を投入しても、株価はびくともしないだろう。昭和の時代に株式市場で大暴れした仕手筋が、株価の安い「低位株」をターゲットにして、株価のつり上げを行ったのは、自分たちの買いによって、容易に株価を動かせたからだ。
実は、これと全く同じ現象が、仮想通貨マーケットでも起こっている。
「2対8の法則」という言葉をご存じだろうか。「パレートの法則」とも言われる。要するに、全体の2割に相当する優良顧客が、売上の8割を占めているという法則のことだ。したがって、2割の優良顧客を差別化すれば、全体の売上の8割を稼ぎ出すことが出来るため、非常に高い費用対効果を得ることが出来る。
これはあくまでも感覚的な話だが、仮想通貨のマーケットでも、仮想通貨マーケット全体の8割に相当するトランザクションが、たったの2割に満たないような参加者によって牛耳られているという実感がある。きちんと統計データを取ったわけではないので、何とも言えないことではあるが・・・・・・。

ということは、株式の相場操縦と同じように、仮想通貨取引所における板を、いともたやすく動かすことが出来る。そのくらい、仮想通貨取引所における取引は薄いのだ。ビットコインやイーサリアムのように、知られた仮想通貨であれば、そこそこ日々の商いはあるが、それ以外の仮想通貨、なかでも「草コイン」と呼ばれている、もうどうしようもないくらい知名度の低い仮想通貨になると、取引高が非常に少ないため、いともたやすく価格を動かすことが出来る。
たとえば2013年の年初、ビットコインの価格は3000円程度だった。それが一時は200万円まで値上がりしたので、ざっと666倍になった。その後、ビットコインの価格は急落したものの、それでも現在の価格は70万円程度なので、2013年の年初から見れば、233倍にもなる。もし、2013年の年初に、ビットコインを300万円分購入していたら、現在の資産価値は6億9900万円にもなる。これは典型的な「タラレバ」の話になるが、もしドブに捨てても良い感覚で、ビットコインを3000万円分買っていたら、何と69億9000万円だ。もう一生、遊んでくらせる。税金で半分が持っていかれたとしても、35億円に近いキャッシュが手元に残る。ちなみに、価格がピークの時だったら、資産価値は何と199億8000万円だ。

これだけのキャッシュを持っていれば、マーケットなんて自由自在に動かせる。1億円くらいの売りがあったとしても、これに10億円の買いをぶつければ、簡単に売りを潰し、さらに価格を押し上げることが出来る。個人ベースで数十億円もの資産を持っている人たちが数名集まって、仮想通貨の価格を我が物としているコミュニティーもあるくらいだ。
あるいは、事前にビットコインを買ってから、100人くらいを集めてセミナーを開き、「ここからビットコインが値上がりします」などと言えば、恐らく参加者の大半がビットコインを買いに動くだろう。当然、価格は上昇する。その時、自分が事前に仕込んでおいたビットコインを売却して利益を確定させるなどということも、かなり頻繁に行われている。まさに「数は力」であり、「数は正義」という論理がまかり通っている。

もし、このようなことを株式市場で行ったら、完全に手が後ろに回ってしまうだろう。しかし、仮想通貨マーケットは現状、この手の取引が横行している。それだけに今後は、株式市場やFXと同様、取引ルールの厳格化が進むはずだ。そうなった時、仮想通貨マーケットは昨年のような盛り上がりを見せるだろうか。
ルールが厳格化される一方、収益に対する課税が他の金融商品並みにならなければ、仮想通貨の投資対象としての魅力は半減するだろう。そう考えると、特に日本国内における仮想通貨取引所は、これから先、厳しい事態に直面するのではないだろうか。

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