ビットコインの分析:『好材料続出で年初来高値を大幅更新。約1年7カ月ぶり高値圏へ』(11/11朝)

ビットコイン円相場は9/11に記録した約3カ月ぶり安値365.8万円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、年初来高値572.8万円へと急伸しました。

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ビットコインの分析:『好材料続出で年初来高値を大幅更新。約1年7カ月ぶり高値圏へ』(11/11朝)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(11/5−11/11)のビットコイン円相場は、週初524.1万円で寄り付いた後、早々に週間安値516.0万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)アルトコイン相場の力強い動き(米リップル社主催の国際カンファレンスSWELLを好感して時価総額第5位のXRPが急上昇した他、米ブラックロック社がデラウェア州でイーサリアム現物型ETFを登録申請したことを受けて時価総額第2位のETHも急上昇→暗号資産市場全体の時価総額が年初来高値を大幅更新→暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)や、(2)香港証券先物委員会(SFC)梁鳳儀行政総裁による「香港は暗号資産の現物型ETFを認めるか否かを検討している」との前向きな発言、(3)暗号資産関連企業Matrixport社による「年末にかけて暗号資産の価格が上昇する」との見解発表、(4)植田日銀総裁による「賃金と物価の好循環、まだ2%目標達成にはもう一つ距離がある、それが見通せるまで金融緩和を継続する」とのハト派的な発言→円キャリートレード活発化→ドル円・クロス円上昇→ビットコイン円連れ高)、

(5)英HSBC社によるデジタル資産カストディサービスの提供計画の発表(Rippleの関連会社であるスイスのMetacoと提携→TradFiによる暗号資産業界への参入期待)、(6)米Robinhood社による暗号資産ブローカーサービスの欧州圏への事業拡大戦略発表、(7)米SECによるビットコイン現物型ETFの早期承認期待の高まり(ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるジェームズ・セイファート氏とエリック・バルチュナス氏は「現在申請されている12件の全てのビットコイン現物型ETFが米SECによって11/17までに承認される可能性がある」「米SECの承認が月内に下りなくても来年1/10までに下りる確率は尚90%と考えている」との見解発表)、(8)オプション勢のショートガンマ操作(ビットコイン価格が36000ドルのトリガーをブレイクしたため、オプション市場が強烈なショートガンマ転→オプション勢はショートガンマからもたらされるデルタショートを切るためにビットコイン価格が上がれば上がるほどストップBUYを強いられるポジション構造)、(9)テクニカル的な地合いの強さ(上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナルが点灯)が支援材料となり、週後半にかけて、年初来高値572.8万円(昨年4/5以来、約1年7カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。

週末にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/11午前8時30分現在)においても、566.4万円前後での底堅い動きが続いています。尚、今週はJustin Sun氏が所有する暗号資産取引所Poloniexで1億ドル以上のハッキング事件が発覚しましたが、ビットコイン円相場への影響は限定的となりました。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

堅調なビットコイン円相場を背景に、日足ローソク足は21日移動平均線、50日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線を大きく上回る水準で推移しています。また、強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダー(上から順番に21日移動平均線、50日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶ状態)も継続しており、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(4時間足や週足でも強気のパーフェクトオーダーが点灯中)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

堅調なビットコイン円相場を背景に、日足ローソク足はボリンジャーミッドバンドの遥か上側での推移が続いています(ミッドバンドの傾きも強烈な右肩上がりの傾斜を維持)。また、日足ローソク足がボリンジャーバンド上限に接触したことで、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォーク(ローソク足がボリンジャーバンド上限に沿って上昇し続ける状態)も点灯しました。テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

堅調なビットコイン円相場を背景に、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転(遅行線の26日前ローソク足突破+転換線と基準線のゴールデンクロス+ローソク足の一目均衡表雲上限突破が全て揃う状態)が続いています。週足ベースでも一目均衡表三役好転が継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(4時間足や週足でも三役好転が点灯中)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

堅調なビットコイン円相場を背景に、オシレータ系インジケータのRSI(Relative Strength Index)は、過熱感(買われ過ぎ感)を示唆する70%超の水準(日足RSI:83%)へと急伸しました。また、4時間足や週足ベースでも過熱感が点灯しました(4時間足RSI:72%、週足RSI:77%)。但し、強気のバンドウォーク成立中は、逆張り勢(値頃感に基づくショートエントリー)のストップBUYを踏み台に更に相場が上昇する傾向にあるため、オシレータ系インジケータに基づく安易な逆張りには細心の注意が必要と考えられます。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は9/11に記録した約3カ月ぶり安値365.8万円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、年初来高値572.8万円(昨年4/5以来、約1年7カ月ぶり高値圏)へと急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続していること、日足のみならず4時間足や週足でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。RSIなどオシレータ系インジケータに過熱感(買われ過ぎ感)が見られるものの、年に1・2回しか発生しない強い上昇トレンド形成下でのショートエントリーは踏み上げられるリスクが極めて高いことから、安易な逆張りには細心の注意が必要と考えられます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米SECによるビットコイン現物型ETFの早期承認期待の高まりや、(2)来年4月に予定されている半減期に向けての上昇期待、(3)中東を巡る地政学的リスクの長期化懸念(デジタルゴールドとしての地位再評価)など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。ETHやXRPをはじめ、アルトコイン相場が急伸していることや、TradFiによる暗号資産ビジネスへの新規参入が続いていることも、暗号資産市場への更なる資金流入の可能性を期待させます。事実、暗号資産オプション市場では、リスクリバーサルの高騰(BTCコールオーバーの急拡大)が続くと共に、ローデルタコール(年末から年明けにかけての50000ドルupperのコールオプション)が大量に取引されるなど、アップサイドを織り込む動きが確認されます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週のターゲットとしては、昨年3/28に記録した高値595.5万円や、心理的節目600.0万円を試す動きを想定しています。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 540.0万円−600.0万円

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