年初来高値更新後に急反落。俄かロングを振るい落とす荒々しい値動き
〇ビットコイン円、年初来高値574.5万円まで急伸後535.8万円まで急反落
〇急ピッチな上昇に対する反動売り、ドル円急落等が背景
〇テクニカルにはダウンサイドにサポート並び、複数の買いシグナルも継続、地合い強い
〇米SECによる現物型ETFの早期承認期待の高まりや、米長期金利にピークアウトの兆しもサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:520.0万円ー560.0万円
昨日の概況
16日(木)のビットコイン円相場は年初来高値更新後に急反落。(1)伝統的金融市場のリスクオン継続(市場心理改善→暗号資産市場への資金流入期待)や、(2)オプション市場のアップサイドを織り込む動き(リスクリバーサルのBTCコールオーバー拡大や、年内40000ドルupperのBTCコールの大口取引)、(3)テクニカル的な地合いの強さ(強い買いシグナルが複数点灯)、(4)米SECによるビットコイン現物型ETFの早期承認期待、(5)独コメルツ銀行による暗号資産カストディライセンスの取得発表(TradFiによる参入期待)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、年初来高値574.5万円(昨年4/5以来、約1年7カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(7)俄かロング(ハイレバレッジ・ロング勢)を振るい落とす仕掛け的なBTC売り圧力、(8)ドル円相場の急反落(ドル円下落→ビットコイン円連れ安)、(9)ビットコインからアルトコインへの循環物色(ビットコインを利益確定してアルトコインに資金を流す動き)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値535.8万円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/17午前6時10分現在)では、542.5万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は11/14に記録した安値527.3万円(11/7以来、約1週間ぶり安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は一時574.5万円(年初来高値)まで急伸しましたが、その後はポジション調整主導で535.8万円まで急落するなど、俄かロングを振るい落とす仕掛け的な動きに発展しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が揃っていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(下値余地は限定的)と判断できます。米SECによる現物型ETFの早期承認期待の高まりや、米長期金利にピークアウトの兆しが見られていること、TradFiによる暗号資産領域への参入報道が相次いでいることなど、ビットコインを取り巻くファンダメンタルズは良好であるため、当方では引き続き、ビットコイン円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、暗号資産オプション市場ではインプライドボラティリティの高止まりが確認できるため(オプション市場がショートガンマになっているため)、本日も上下に大きく振れるボラタイルな相場展開に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:520.0万円ー560.0万円
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