今週の暗号資産レンジ
時価総額が大きい3つの暗号資産の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜始値までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。
Crypto Index=暗号資産インデックスの詳細は、トップページのサイト右側メニューの「暗号資産分析情報」から「暗号資産インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。
今週の振り返りと来週の見通し
今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。使用チャートは、ドル円とユーロの週報で使っているものと同じものです。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
今週の振り返り(日足)
今週は日足に戻します。今週のトピックスで取り上げたブラックロックによるイーサリアム現物ETFの上場申請でイーサリアムが急騰した動きに追随してビットコインも9日に高値をつけています。その後利食い売りが入ってから再度上値をトライしたものの抜けられず反落というのが現在の状況です。
テクニカルには9日の上ヒゲで一時的にピンクの平行線で示した上昇チャンネルを上抜けましたが、その後はチャンネル内での動きに戻しています。底堅いものの目先の高値をつけた格好となったため、逆にサポートラインを下抜けると利食い売りが強まりやすい流れになってきました。4時間足チャートで拡大して見てみましょう。
ここからの見通し(4時間足)
4時間足チャートではサポートを若干修正して引き直してありますが、現在35000ドル台前半を上昇中です。いっぽうでレジスタンスラインは4時間足では平行には引けませんので、9日高値の水平線としました。
現状はこれら両線に挟まれた水準での取引を続けやすいと考えますが、日足チャートの項に書いた通り、サポートラインを下抜ける時は加速する可能性があるため注意が必要です。ここでは上下とも抜けないもみあいのシナリオをメインシナリオとして、来週は35000ドルをサポートに、38000ドルをレジスタンスとする動きを見ておきます。
今週の主なトピックス
今週の暗号資産関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として毎週2本取り上げていきます。記事によっては前回執筆日前のトピックスを取り上げることもあります。
取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。
11月10日(金)電子版21:14
*海外ニュース
「イーサリアム一時11%高 ブラックロックがETF上場申請」
*筆者コメント
イーサリアムが9日に急騰し、その日の安値1883.5から高値2131.5まで、レンジで見ると13%もの急騰を演じました。これは世界最大の運用会社であるブラックロックがビットコインに続いて、イーサリアムでも現物ETFの上場申請を行ったことによるものです。
暗号資産でもビットコインとイーサリアムだけは別格でCFTC監督のもと、CME(シカゴマーカンタイル取引所)にも先物が上場されているため、ビットコインがOKならばイーサリアムも行けるはずという判断があったと見られます。
その後は利食い売りも出て現在は2000ドルを割り込む水準で取引されていますが、今後他の運用会社も追随して来るであろうことを考えると、ビットコインとイーサリアムの2強の時代は今後も続くというところだと思われます。
11月11日(土)朝刊
*国内ニュース
「中銀デジタル通貨、民間決済との交換円滑に」
*筆者コメント
財務省の有識者会議は年内に制度設計に関する論点整理をまとめ、現金を補完するものと位置づけ、発行要件として現金、電子マネーなど民間決済と円滑に交換できる考えを盛り込むとのこと。
財務省や金融庁の有識者会議というとどれだけよくわかっている人がメンバーなのだろうと思われる方も多いと思いますが、多くの有識者会議が実施されている中で、一定の水準は保っているもののこの人本当にわかっているのだろうか、ということもよくあります。
基本的に当局の事務局がまとめるシナリオに沿って参加者が意見を述べるという流れなので、与えられた議題に沿って参加者が各自専門のことを発言していくわけですが、この会議も半分は大学教授というあたりで、なんとなく想像がつきます。当局の事務局スタッフは非常に優秀なので、その上の人がどのように考えているのかで方向性が決まると言っても過言ではないのですが、興味のある方は議事録は公開されていますので読んでみるとよいでしょう。
今週のコラム「イーサリアム週足」
トピックスでイーサリアムが9日に急騰したことを書きましたので、テクニカルにはどうなのかを週足で確認しておきましょう。
9日の上げで年初来高値を超えられなかった点がやや気になるところですが、大きくは2022年安値からの緩やかな上昇ウェッジの中で2022年4月高値と6月安値の半値戻しとなる2230.5ドルをターゲットにしやすい流れにあると言えます。
そこまでしか無いと見るか、まだ余裕があると見るか、短期的にはそこまでは期待できないチャートの形に見えます。
ディスクレーマー
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