ゲンスラー委員長の思惑(23/11/20)

先週末の暗号資産市場は、ビットコインが持ち直し基調となって推移しています。

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ゲンスラー委員長の思惑(23/11/20)

ゲンスラー委員長の思惑

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:36920.1ドル(+0.87%)
イーサリアム:1984.80ドル(+1.07%)
リップル:0.62284ドル(+1.89%)
ビットコインキャッシュ:228.5ドル(+0.44%)

【概況】

先週末の暗号資産市場は、ビットコインが持ち直し基調となって推移しています。木曜日の大幅下落に対する調整の動きが意識され、買い戻し優勢の流れとなっています。金曜日の米株がプラス圏での引けとなったことや、ドルインデックスの軟調などが意識される流れとなっています。その他のコインも全般的に底堅い動きが意識されています。

さて、ARK Investのキャシー・ウッドCEOがCNBCに出演し、ビットコイン現物ETFに関して話をしています。ARK Investはアメリカの投資会社であり、主にブロックチェーン技術や人工知能などの急速に成長している分野に投資をしていますが、番組の中で『ゲンスラー委員長がビットコイン現物ETFの承認を妨げる論理的な理由を見つけることは難しい』とし、『ビットコインは分散型で透明性の高いネットワークであり、操作される可能性は非常に低い』ことから、投資家保護の観点からも大きな問題はないと指摘しています。その上でウッド氏はゲンスラー委員長は米財務長官のポストを狙っているのではないか、とした憶測にも言及しています。米ドルに焦点を当てるためにビットコインに対して強硬な態度を示しているのではないか、と述べました

米財務長官のポストに関する話はウッド氏の憶測であり、事実そのポストを狙っているのかは定かではありません。ただ、本当に財務長官のポストを狙っており、そうしたことがビットコイン現物ETFの承認を拒んでいるのだとすれば、仮に承認されるとしてもタイミングは遅くなる可能性はあるでしょう。

現在の米国の財務長官はジャネット・イエレン氏ですが、彼女も暗号資産に関しては慎重かつ批判的な立場を取っています。暗号資産、特にビットコインに関してはその高いボラティリティや潜在的な不正利用、および投資家保護の欠如について懸念を表明しています。その上で規制の必要性を訴えています。ただ、決済システムの効率化については肯定的な見方を示しており、リスクの管理とイノベーションの促進との間での調整を目指しているといった立場を取っています。

やはり規制当局とすれば、金融の安定が重要であり、暗号資産はそれを脅かす可能性があるといった認識を持っているものと思われます。である以上、ビットコイン現物ETFの承認がなかなか進まないこともある意味ではやむを得ないところなのかもしれません。

とはいえ、ビットコイン先物ETFがすでに承認されていることを考えると整合性がないという批判が出ることもまた仕方のないところでしょう。そう考えると、とりあえずは審査の延長をしながら時を稼ぐなどといったことをする可能性はゼロではないのではないかと思っています。それにも限界はありますが、早期承認に対する行き過ぎた期待はリスクがあるかもしれません。

【ビットコイン節目】

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである37930ドル前後の水準とバンドの中心線である36010ドル前後の水準で挟まれたレンジを動いています。さらに35000ドルと38000ドルが節目として意識される状況が継続しています。レンジ圏での動きが意識されており、目先はこれらの節目が意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σで抑えられて急落し、バンドの中心線まで下落したものの、そこで支えられてじり高基調となっています。このままバンドの+2σまで上昇する可能性は高そうです。バンドの±2σが上昇しており、トレンドそのものが上向きです。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところで、バンドの+2σまで上昇してもそこでは抑えられそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが目先は上昇基調となっています。上げ下げを繰り返しながらの動きで方向感の見えにくいところとなっていますが、目先はしっかりとした動きが展開されており、このまま上昇して高値圏に入るかどうかに注目が集まるところです。

今日は週初ですので週足分析をやっていきます。

ビットコインの週足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σまで上昇しての動きとなっています。目先は上昇一服となっていますが、下値は堅く横ばいでの推移となっています。バンドの-2σは下落基調を維持しており、バンドウォークから上値を拡大する流れもあり得るでしょう。ただ、上昇の勢いが落ちているので、バンドの-2σの方向感に注意しながらの対応となりそうです。

ストキャスティクスで見ると%Kと%Dがゴールデンクロスからの上昇で高値圏での推移となっています。高値圏での動きが維持されており、%Kの動きには注意が必要ですが、底堅い動きが維持されそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
40000ドル:心理的な節目
37930ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
36960ドル:昨日の高値

36920ドル:現在値

36390ドル:昨日の安値
36010ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
34100ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
31400ドル:2023年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
16500ドル:2023年1-6月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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