ビットコイン円、上昇後に反落するも下値は堅い。一巡後の反発リスクに要警戒
〇ビットコイン円、アルゼンチン大統領選でのビットコイン支持派勝利等に562.7万円まで上昇
〇その後米国時間に548.1万円まで反落するも持ち直し、555万円台で推移
〇テクニカルには主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも現物型ETFの承認期待、米金利低下、半減期イベント等がサポート
〇引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:540.0万円ー575.0万円
昨日の概況
週明け20日(月)のビットコイン円相場は上昇後に反落。(1)株式市場の堅調推移(伝統的金融市場のリスクオン継続→市場心理改善→リスクアセット上昇)や、(2)アルゼンチン大統領選・決選投票における野党ミレイ候補(ビットコイン支持派)の勝利報道、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値562.7万円まで上昇しました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(11/5に記録した年初来高値574.5万円を背にした戻り売り圧力)や、(5)上記4に端を発したロング勢のロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値548.1万円まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米投資運用会社ARK Invest社による米SECへのビットコイン現物型ETFの目論見書再提出(米SECとの対話継続期待)や、(7)ブルームバーグ・インテリジェンスによる「ビットコイン現物型ETFの潜在市場は1,000億ドル規模へと成長する可能性がある」との見解発表、(8)ニューヨーク証券取引所の前社長であるトム・ファーリー氏が率いる暗号資産取引所BullishによるCoindesk買収報道が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/21午前6時00分現在)では、555.8万円前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は高値圏での上下動が続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米SECによる現物型ETFの早期承認期待の残存や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力(伝統的金融市場のリスクオン再開→市場心理改善→暗号資産上昇)、(3)TradFi(伝統的金融機関)による暗号資産領域への相次ぐ参入報道、(4)来年4月の半減期を見据えた需要拡大期待など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。事実、暗号資産オプション市場では依然としてリスクリバーサルの上昇(BTCコールオーバー拡大)が継続するなど、アップサイドを織り込む動きが続いています(来年6/28や9/27に期日を迎えるリスクリバーサルは10%の大台乗せ)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(オシレータ系インジケータのRSIにダイバージェンスが発生しているため、一部で上昇トレンド終焉を警戒する声も出てきていますが、当方は上記テクニカル要因・ファンダメンタルズ要因・オプションフロー要因に鑑み、年末にかけて一段と上値を伸ばすシナリオを維持)。
本日の予想レンジ:540.0万円ー575.0万円
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