今週の仮想通貨レンジ
時価総額が大きい3つの仮想通貨の週間レンジを示しています。
始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値~金曜正午までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。
なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。
Crypto Index(仮想通貨インデックス)の詳細は、サイトTOP右側メニュー「仮想通貨分析情報」から「仮想通貨インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。
また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。
今週の振り返りと来週の見通し
今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
*中長期の動きと今週の振り返り(日足)
先週からの下降トレンドは今週も続き、米国証取委による仮想通貨ETF判断の先送りをきっかけにBTCは続落することとなりました。仮想通貨だけでなくNYダウも大幅安となる中でリスクオフの動きが仮想通貨市場にも影響したと考えられます。
BTCの場合、11月14日にそれまでのサポートライン(青のライン)を抜けたことが、今週に至るまでの下降トレンドのテクニカルな発端と見ることが出来ます。今週は11月安値を下回る動きとなったことから、あらためて下降トレンドを継続、3000ドルの大台をも視野に入れる展開になってきたと言えます。
動きが大きいので今週も週足チャートを見てみましょう。
*長期的な見通し(週足)
チャートを見ていると、とても反発するチャートには見えず、青いラインで引いたレジスタンスとそれに平行に引いたラインとで示される下降チャンネル中での推移を考えるべきかもしれないと思わせるパターンです。ピンクの水平線のうち、太いラインは3000ドルの大台で現在視野に入れている水準、そしてその下の細いラインは昨年7月にBTCが大きく下げた際に20000ドルへの上昇の中で最初の押しとなった水準です。
この水準は1800~1900ドルと2000ドルをも割り込む水準となりますが、昨年1月初めの段階でようやく1000ドルに乗せたという事実からすれば、可能性としても十分にあり得るとしか言えません。さすがに今すぐということは無いでしょうが、年内の安値圏として想定しておくべきであると考えています。
なお、来週は3000ドルをトライして2900ドルをサポートに4500ドルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週の主なトピックス
今週の仮想通貨関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として取り上げていきます。今週も個人的に気になったニュースを2本、ひとつは市場関係、もうひとつは海外からのニュースです。
1日(土)
*ニュース
「G20、仮想通貨を用いたマネーロンダリングを規制する方針」
*筆者コメント
先週末のブエノスアイレスG20では米中首脳会談が注目され、他のことにはあまり目が向いていないようですが、仮想通貨についてはマネーロンダリングを規制する方針が打ち出されました。
これは、マネーロンダリングにおいて仮想通貨を使った事件が急増していることが背景にあります。
昨日(6日)の日経新聞にも今年1月~10月の間に仮想通貨取引所からマネーロンダリングの疑いがあるとして届け出た取引が5,944件に達していると警察庁がまとめたとの記事が出ました。警察庁は、仮想通貨はマネーロンダリングに悪用される危険度は他業態よりも相対的に高いと述べていて、急激に伸びている仮想通貨取引自体に対する整備と規制は来年のテーマとなってくるでしょう。
6日(木)
*ニュース
「米証取委、ETF承認判断を先送り」
*筆者コメント
米証取委(SEC)が仮想通貨ETFの承認判断を先送りするとの発表がありました。承認判断は来年2月27日とこれで3回目の延期です。2月27日の判断が最終判断とのことですが、これまで延期されてきた理由を考えると、どうも仮想通貨ETFの承認はだいぶ先になるのではないかという印象を受けました。
仮想通貨市場もSECの判断を受け続落、BTCは11月安値を割り込み下降トレンドへと回帰するきっかけとなってしまいました。金融市場全般の地合いが悪い中での悪材料となりますので、仮想通貨は更なる下落に注意が必要そうです。
今週のコラム「仮想通貨の時価総額ランキングに異変」
先週は同じようなテーマでBCHがBCH-ABCとBCH-SVに分裂後、BCH-ABCがこれまでのBCHとなったものの第4位の座は危うい感じと書きましたが、なんとわずか一週間で第7位にまで転落しています。
仮想通貨羅針盤の時価総額ランキングをご覧ください。
4位はXLM(ステラ)と入れ替わっただけでなく、5位にはハードフォーク争いでBCH-ABCに負けたかと思われた、もうひとつのビットコインキャッシュ、BCH-SVがランクインしています。さらに、テザーが6位となっているため結果として襲名後のBCH(BCH-ABC)は7位にまで落ち込むこととなりました。
やはり自己中心的なハードフォークによってBCH自体が仮想通貨内での地位を大きく落としたこととなりますが、最近ではイーサリアム(ETH)もハードフォークで誕生したイーサリアム・クラシックの開発が中止に追い込まれるなど、オリジナルのビットコイン(BTC)以外の仮想通貨に対する投資家の興味が後退していることのあらわれであると思います。仮想市場の混乱と低迷がもうしばらく続くことの予兆に思える現象です。
ディスクレーマー
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