仮想通貨の2018年を振り返る(18/12/25)

2018年も残すところあとわずかとなりましたが、今回から4回に分けて『仮想通貨の2018年を振り返る』と題しましてここまでの推移をデータや周囲の環境なども含めて

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仮想通貨の2018年を振り返る(18/12/25)

仮想通貨の2018年を振り返る

2018年も残すところあとわずかとなりましたが、今回から4回に分けて『仮想通貨の2018年を振り返る』と題しましてここまでの推移をデータや周囲の環境なども含めて振り返ってみたいと思います。今回はその1回目です。

ビットコイン/ドルは2017年の7月頃から上昇基調を強め、11月から12月の半ばにかけて急激な上昇を見せました。そこからクリスマスにかけて大幅調整が入るものの、正月から一週間ほど急上昇して年初の高値をつけ(1/6:17252.0ドル)、そこからは一時的な上げ下げはあるものの一貫して下落トレンドを継続し、現状は実に1/4の4000ドル前後の水準を推移しています。まさしくバブルが弾けたというに相応しい値動きだったように思われます。

2017年の急騰時に言われていた言葉を思い出します。『日経平均3万円、NYダウ3万ドル、ビットコイン3万ドル』。結局どれ一つ達成することはできませんでした。しかし、日経平均株価もNYダウも寄り付きから考えればそこまで大きな下落となっているわけではありません。下に数値を載せておきますが、NYダウは寄り付きから9.5%、日経平均株価は12.6%程度の下落となっています(とはいえ、高値を付けたのがいずれも10月上旬で、安値は12月末に付けていることを考えると、下落のスピードの速さに関しては懸念されるところではあります)。その一方で、ビットコイン/ドルは寄り付きから71.2%、高値から見れば77%もの下落となっています。

仮想通貨の2018年を振り返る

日経平均 NYダウ ビットコインの一年

それでは、なぜこのような下落が起こったのでしょうか。要因は様々指摘されています。中国政府が仮想通貨に対する規制を厳しくした、各国の中央銀行が仮想通貨に対して懸念を表明した、ビットコインETF承認が延期された、ハッカーによる仮想通貨取引所攻撃への懸念などが要因として挙げられるでしょう。そして価格の下落に付随する格好でICOの時に用いられたイーサリアムが投げ売りされてさらに下げ幅を拡大するといった展開となっています。下げ相場にありがちな、売りが売りを呼ぶ展開となったわけです。ただ、そもそも仮想通貨がなぜあそこまで上昇したのか、といった要因もはっきりとはしておらず、そう考えるとやはりバブルであり、バブルが弾けただけ、というのが説明としては一番しっくりくるのかもしれません。

元FRB議長のベン・バーナンキ氏は『バブルとは、終わってみないとそれがバブルであったのか、それとも経済のファンダメンダルズを表したものであったのかは解らない』といった発言をしており、バブルの識別は非常に困難であるとの見解を示しています。実際、今回の仮想通貨の動きにしても、終わってみればバブルであり、またそれを予想した人もいましたが、結果的にそれが当たっただけということもできるでしょう。

歴史上、バブルは何度も発生しては弾けています。遠い昔ではオランダのチューリップバブルなどは有名です。また、日本のバブル景気や米国のITバブル、商品市場などでも銀のバブルなどは比較的よく知られています。1970年から世界では100回以上のバブルが発生しているといわれています。『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』といった言葉もありますので、まずは2000年前後に起こったITバブル、2011年前後に起こった銀バブルと今回の仮想通貨の値動きを比較しつつ見ていこうと思います。

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