仮想通貨週刊レポート「BTCは下げやすいチャートパターン」(12月第4週)

11月の急落相場、12月中旬の底固めを経て、戻しを試したものの上がりきらずに再び下げに転じるかどうか。

関連通貨:

仮想通貨週刊レポート「BTCは下げやすいチャートパターン」(12月第4週)

今週の仮想通貨レンジ

時価総額が大きい3つの仮想通貨の週間レンジを示しています。
始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値~金曜正午までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。

今週の仮想通貨レンジ

Cypto Index(仮想通貨インデックス)の詳細は、サイトTOP右側メニュー「仮想通貨分析情報」から「仮想通貨インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。
また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。

今週の仮想通貨レンジ 2枚目の画像

チャート(上段から上記表の順番)は、到達確率チャートと同じ1時間足・週7日のチャートです。
上記レンジに含まれていない前週金曜午後~日曜午前9時の間も表示されています。

今週の振り返りと来週の見通し

今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。

日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

*中長期の動きと今週の振り返り(日足)

*中長期の動きと今週の振り返り(日足)

先週のレポートでは「押した水準のひとつ3600ドルをサポートに高値の手前4400ドルをレジスタンス」というレンジを想定していましたが、想定レンジよりもやや低い推移となりました。やはり12月安値からある程度上げてきたため、それなりに売りのニーズも出ていたように思えます。

日足チャートでは11月の急落相場、12月中旬の底固めを経て、戻しを試したものの上がりきらずに再び下げに転じるかどうか微妙な状況となっています。テクニカルには11月末の戻り高値を試しきれなかったということからも短期的にいったん戻り高値を見てしまったチャートと言えます。
4時間足チャートを見てみましょう。

*短期的な見通し(4時間足)

*短期的な見通し(4時間足)

紫の四角が1週間ですが、先週前半から引いてあるサポートライン(ピンク)を25日の大陰線で下抜き、下降トレンドが確定したと考えます。レジスタンスライン(水色)はやや急ですが、クリスマス前後の下げの後にペナント(紫の三角もちあい)を形成し、27日の長めの陰線で下抜けしています。典型的なコンティニュエイション(継続)パターンですから、逆N波動(ピンク)を考えてターゲットを求めます。
フィボナッチ・エクスパンションでは、61.8%エクスパンションが3500ドル、78.6%(61.8%の平方根)エクスパンションが3407ドル、100%エクスパンションが3290ドルとほぼ100ドル刻みでターゲットがありますが、最近の値動きから考えると3400ドル程度までの下げは十分にありえるでしょうし、動き次第では3300ドル水準も考えられます。
来週は今週のペナントを抜けた水準に近い3700ドルをレジスタンスに、100%ターゲットに近い3300ドルをサポートとする週を見ておきます。

今週の主なトピックス

今週は年内最終ということもありますので、ここで取り上げた国内と海外のニュースから2018年で最も気になったニュースをひとつずつ取り上げて今年を振り返ってみたいと思います。

1月
*国内ニュース
「コインチェックから600億円近いXEMが流出」

*筆者コメント
やはり国内で今年最も気になったニュースのひとつです。コインチェックと言えばそれまで芸能人の出川氏を使ったCMでやたらと目立っていました。その時にも、こんなに宣伝するほど儲かっているんだろうといった話を仲間内でしていましたが、まさかのハッキングによる巨額な資金流出。
そして、その補填を行うこと、マネックス証券の傘下に入ること等、矢継ぎ早に発表、混乱を早期に収めたという点は評価すべきでしょう。しかし、仮想通貨取引と業者に対する不安が一気に噴出し、それまでよりも個人投資家のセンチメントがかなりネガティブになるきっかけであったと思います。
他にも既にビットコインがバブルであったことなど、悪材料は多かったのですが、今年の仮想通貨市場の下降トレンドの始まりの象徴的な出来事であったと思います。

11月
*海外ニュース
「ビットコインキャッシュのハードフォーク」

*筆者コメント
ビットコインキャッシュ(BCH)自体が2017年にビットコイン(BTC)からのハードフォークで誕生したアルトコインでしたが、ハードフォークまでは仮想通貨全体の時価総額でも4位と大きな地位を確保していました。しかし、ビットコインキャッシュの開発チーム内での内輪もめによる投資家を無視した身勝手なハードフォークが行われたことで、BCHはBCH-ABCとBCH-SVの2つに分裂、しばらくの間は市場に混乱をもたらし、更には、このことがきっかけとなって11月の急落相場につながったことになります。
その後、BCH-ABCが旧BCHの地位を襲名、1か月ほどかかりましたが再び時価総額4位のポジションに戻りました。しかし、投資家無視のハードフォークが他でも行われる可能性が出てしまったことで、仮想通貨の技術的な面は誰も否定しないものの、資産クラスとしての仮想通貨に影を落としたことは間違いありません。
仮想通貨そのものについて、世界的に規制が無いに等しいと言ってよいことが様々な問題を起こしています。2019年は仮想通貨の健全な発展のためにもグローバルに正しい規制が必要とされるでしょう。

今週のコラム「週足で見るビットコインの変動率」

今年のビットコインは振り返ると下げ一色といった印象が強いのですが、週単位で見るとかなりの変動率を伴っての下げ相場となっていました。どの程度の変動率だったのかを見るため、次の週足チャートをご覧ください。

今週のコラム「週足で見るビットコインの変動率」

上段にBTCの週足チャート、下段に変動率(週間レンジを始値と比較した比率)を示し、30%、40%、50%の位置にグレーの水平線を引いてあります。11月の急落相場では30%超える下げとなっていますが、30%を超えたのは2月の急落以来であることがわかり、BTCの場合、30%という変動率は大きな動きであるということが出来そうです。

ちなみに昨年12月の急騰時には変動率が60%を超えるという、凄まじい上昇を見せていたこともわかります。おそらく2019年はこのような大相場は減ってくると思いますが、逆に相場として考える場合には取引しやすい商品となるのではないかなと考えています。

さて、仮想通貨レポートは本日が年内最終、年明けは第1週はお休みさせていただき11日から再開となります。今年も一年間お世話になりました。よい年をお迎えください。

ディスクレーマー

アセンダント社が提供する本レポートは一般に公開されている情報に基づいて記述されておりますが、その内容の正確さや完全さを保証するものではありません。また、使用されている為替レートは実際の取引レートを提示しているものでもありません。記述されている意見ならびに予想は分析時点のデータを使ったものであり、予告なしに変更する場合もあります。本レポートはあくまでも参考情報であり、アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。なお、許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。

関連記事

「暗号資産羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトは暗号資産およびブロックチェーンに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の暗号資産、金融商品等の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
暗号資産に関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各暗号資産交換業者等に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社は暗号資産取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各暗号資産交換業者等のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各暗号資産交換業者等との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、暗号資産取引等に伴うトラブル等の利用者・各暗号資産交換業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。また情報提供者自身が当該商品の自己ポジションを持って売買している場合があります。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、暗号資産羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る