【仮想通貨交換業等に関する研究会】報告書…9
「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書の公表について
https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181221.html
2.仮想通貨の不公正な現物取引への対応
(1)仮想通貨の不公正な現物取引の現状と規制導入の必要性
〇仮想通貨『現物取引』の場合:
※『現物取引』とは、各仮想通貨の現物(丸)代金での「売買」「交換」をいいます。
レバレッジ(証拠金)取引や先物(取引期限付)取引といった、いわゆる『デリバティブ取引』はこれに該当しません。
・下記のような不公正な取引があったと指摘される。
①仮想通貨交換業者の未公表情報(例:新規仮想通貨の取扱開始)が外部に漏れた
②上記①の例により、その情報を得た者が利益を得た
③仕手グループがSNS等にてフォロワーに向けて、特定の仮想通貨に対して「時間」「特定の取引の場」を指定して購入を促し、価格を吊り上げ、売り抜けて利益を得た
〇有価証券の取引の場合:
・下記による『公正な価格形成』の実現の観点から、金融商品取引法(金商法)にて規制されている。
①投資者保護
②資本市場の機能の十全な発揮
・金商法では、行為主体を限定せずに、下記の行為が罰則付きで禁止されている。
① 不正行為:不正の手段・計画・技巧、虚偽表示等による取引、虚偽相場の利用
② 風説の流布、偽計、暴行又は脅迫
③ 相場操縦:仮装売買、馴合売買、現実売買・情報流布・虚偽表示等による相場操縦
④ インサイダー取引
【参考】SESC:証券取引等監視委員会
不公正取引について
https://www.fsa.go.jp/sesc/support/hukousei/hukousei.htm
・「不正行為の禁止」「風説の流布等の禁止」については全ての有価証券の取引が対象
・「相場操縦の禁止」は上場有価証券等の取引が規制の対象
・「インサイダー取引規制」は上場会社等の株式、社債等の取引が規制の対象
〇仮想通貨(現物取引)と有価証券:
【現状】
・『仮想通貨の現物取引』は『有価証券の取引』と同様に、個人が参加する顧客間の取引の場等が存在する。
・『仮想通貨の現物取引』には、『有価証券の取引』のような規制が課されていない。
・下記理由①②により『仮想通貨の現物取引』に対して『有価証券の取引』と同様の規制にて、同等の監督・監視体制を構築する必要性までは認められない。
①『仮想通貨の現物取引』は、『有価証券の取引』とは経済活動上の意義や重要性が異なる。
②『有価証券の取引』と同様の不公正取引規制を課した場合に、費やされる『行政コスト』を勘案しなければならない。
【今後の対応】
・『利用者保護』や『不当な利得の抑制』の観点から、不公正な『仮想通貨の現物取引』抑止のため『一定の対応』は必要である。
①金融商品取引法:行為主体を限定せず、不公正な行為を罰則付きで禁止。課徴金や犯則調査に係る規定を『整備』
②商品先物取引法:行為主体を限定せず、不公正な行為を罰則付きで禁止。課徴金や犯則調査に係る規定は『なし』
- 関連通貨:
関連記事
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.05.27
ビットコインの価格分析:『膠着相場が継続も、来週はレンジ上方ブレイクに要警戒』(5/27朝)
ビットコイン円相場は、約2週間に亘って360.0−380.0万円レンジが続いています
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:山中 康司
2023.05.26
暗号資産週報「地合いは弱く一段安を目指すか」(5月第4週)
5月安値を改めて試す動きとなっていて、ここを下抜けてくると3月安値と4月高値の半値押しとなる25291ドルを視野に入れる展開となって行きそうです。
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:大塚 亮
2019.01.04
年末年始の動きと目先の展望(19/1/4)
明けましておめでとうございます。2019年も仮想通貨羅針盤、大塚亮ともどもよろしくお願い申し上げます。さて、今回は年末年始の
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:T
2018.12.28
仮想通貨は全般的に下落傾向(18/12/28)
過去24時間の動きは、ビットコインが3.3%の下落、リップルは5.7%の下落、イーサリアムは7.5%の下落となっています。