ヤバイ!仮想通貨その7 「億り人の末路」

2017年は、仮想通貨マーケットで「億り人」が大勢輩出された。

関連通貨:

ヤバイ!仮想通貨その7 「億り人の末路」

「億り人の末路」

2017年は、仮想通貨マーケットで「億り人」が大勢輩出された。同年4月は1BTC=40万円前後で推移していたのが、同年12月にかけて1BTC=240万円まで急騰したのだから、投資していた金額によっては、億り人になれた人が出ても不思議はない。相場が動き始めたところから最高値までが6倍だから、1700万円分をビットコインに投じていれば、わずか8カ月で1億円の資産が築けたことになる。
が、それも長続きはしなかった。
2018年の仮想通貨マーケットが厳しい下げに見舞われたからだ。年初から相場は急落に転じ、2月には1BTC=64万円台まで下落した。その後、しばらく70万円台を維持していたが、11月から再びもう一段安を目指す動きになり、ついに36万円台まで水準を切り下げた。
典型的な「行って来い」である。

さて、この間、億り人と言われていた人たちはどうなったのだろうか。40万円前後の水準で投資した人、全員が240万円の高値で売り抜けられたとはとても思えない。70万円前後で売り抜けられた人はまだラッキーだろう。確かに、億り人になれるチャンスは失ったかも知れないが、まだ利益がゼロになったわけではないからだ。
しかし、今の水準まで持ち続けてしまった人は、お気の毒としか言いようがない。億り人から、ただの小金持ちに戻ってしまった。とはいえ、240万円の高値を掴まされた人に比べれば、まだはるかにマシだ。価格は、売り手がいる一方で買い手がいるから形成される。ビットコインの価格が瞬間とはいえ240万円をつけたということは、その価格で買った人がいるということだ。

240万円が40万円まで下落した場合の下落率は83%だが、40万円が240万円まで値上がりして買値まで戻すには、率にして500%も値上がりしなければならない。短期間で500%も値上がりする投資対象は皆無といってよいので、高値掴みした人が投資した資金を回収するには、相当の時間を必要とするはずだ。いや、場合によってはそこまで戻らないことも覚悟しなければならないだろう。
とはいえ、これが国内の仮想通貨取引所で取引したものであれば、たとえ高値で掴んだ仮想通貨であったとしても、円に替えられる分だけマシなのかも知れない。悲惨なのは、海外の仮想通貨取引所を使って取引したケースだ。
海外の仮想通貨取引所には2つのタイプがある。ひとつは仮想通貨を法定通貨と交換できる取引所。もうひとつは法定通貨への交換ができない取引所だ。法定通貨はご存知のように、米ドルや日本円といった、私たちが日常の資金決済に用いている通貨のことである。

法定通貨への交換ができない仮想通貨取引所に口座を開設して仮想通貨の取引を始めるには、まず原資を振り込まなければならない。が、この手の仮想通貨取引所は、日本円を受け付けていないので、日本円をいずれかの仮想通貨に替えたうえで入金する必要がある。
億り人の中には、こうした法定通貨と交換できない海外の仮想通貨取引所で取引していた人も結構いると思われる。この人たちは恐らく、さらに悲惨な状態に追い込まれていると推察できる。資金を引き出す際も仮想通貨でしか引き出せないため、仮想通貨取引所から仮想通貨の状態で引き出した後、何らかの形で法定通貨である日本円に交換しなければならない。そうしない限り、いくら日本円で1億円の評価額になったとしても、絵に描いた餅になってしまう。日本に住み、そこで生活している人にとって、法定通貨はあくまでも日本円なのだから、日本円に交換しない限り、1億円を手にしたことにはならないからだ。

結局、ビットコインで大儲けできたとしても、他の仮想通貨でしか引き出せないのでは、本当の意味で利益を確定できたことにはならない。今回の仮想通貨の暴落では、ビットコインだけでなく、他の仮想通貨の価格も満遍なく下がっている。草コインなどと言われた、ICOのために大量に発行された通貨などはなおのことだ。ICOの問題点についてはすでに触れたが、そもそも資金集めを目的にして発行された草コインの本来的な価値は、ゼロに等しい。ビットコインを買って大儲けをした後、ICOに夢を託し、大儲けしたビットコインを売却して草コインを買ったケースなどは、目を覆うような悲惨さだ。今ごろ、ほぼ無価値に近い状態の草コインを抱えて、自分の判断を呪っているだろう。

追い打ちをかけるつもりはないが、これから海外の仮想通貨取引所は、次々に破たんしていくはずだ。今年に入ってから、すでにカナダの仮想通貨取引所であるQuadrigaCXと、イタリアの仮想通貨取引所であるBitGrailが破たんした。
両者とも直接の原因は、顧客の仮想通貨が不正に引き出されたからだが、今後も仮想通貨の価格低迷が続くようだと、トランザクションやICOの減少による業績の悪化で、経営が成り立たなくなる。破たんが増えるのは自明だ。
当然、海外の仮想通貨取引所に置いてある草コインは、預金保険の適用など受けられるはずもなく、仮想通貨取引所の破たんとともに、日本からの引き出しが完全に不可能になる恐れすらある。
一攫千金を目指した代償は、極めて大きなものになりそうだ。

関連記事

ページトップへ戻る