仮想通貨(暗号資産)遍歴 第1回-本間 善實さん-

仮想通貨・ブロックチェーン業界で著名な方々の【仮想通貨遍歴】をお聞きしたインタビュー記事を掲載します。

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仮想通貨(暗号資産)遍歴 第1回-本間 善實さん-

仮想通貨遍歴 第1回

仮想通貨・ブロックチェーン業界で著名な方々の仮想通貨遍歴をお聞きしたインタビュー記事を掲載します。第1回のインタビューは、日本デジタルマネー協会代表理事の本間善實さんです。

本間 善實 Homma - Jimmy - Yoshimitsu
株式会社 ユナイテッドビットコイナーズ 代表取締役
社団法人 日本デジタルマネー協会 代表理事
--経歴
半導体企業を経て、2005年からトラステッド・コンピューティングの事業開発に従事。米国に駐在中の2007-08年に初代iPhoneとtwitterに夢中になり、大統領選挙とリーマンショックを体験したことで、国際政治や金融システムに強い興味を覚える。2013年11月からビットコインに没頭し、2014年に日本デジタルマネー協会、2017年にはユナイテッドビットコイナーズを設立。
業界内では「Jimmyさん」と呼ばれており、ミドルネームである「Jimmy」は大ファンであるLed Zeppelinの”Jimmy Page”に由来している。

--まず、ビットコインとの出会いについて教えてください。

2013年の3月に、テッド・ネルソン(Theodor Holm Nelson: アメリカの社会学者・思想家、情報技術のパイオニア)の怪しいビデオを観てビットコインを知ったのですが、最初それを観た時に怪しいなと思いました。(笑) ん~と思ったのがビットコインとの出会いなのですが、多くの人がそうであったように自分も最初の1回目は見逃がしました。
次が、2013年11月にポルトガル・リスボンの空港で読んだWIREDという雑誌です。UK版US版とかなりのページ数を割いてビットコインが解説されていて、2回目にして「これはもしかしてリアルかもしれない!」と、スゴいなウソじゃなかったんだ!本物だ!と思って調べ始めて、そのままハマって突き進んだ感じです。テッド・ネルソンのビデオを観た頃、自分は仕事で証券取引所やFX取引に近い『ポンイトの交換システム」などを計画していました。例えば、通貨の歴史やポイントについて当時プランを書いたことがあったのですが、ビットコインは私の想像をはるかに超えてパワフルだったのです。

当時、割としょぼいビジネス企画を出しては却下されたり、スタートアップ・ウィークエンドへ行っては、しょぼいプランを書いたりしていました。そんな中、自分のできる範囲で考えられるものを遥かに超える迫力で、ビットコインがオープンソースで存在したということ、その辺りですごく自分はのめり込みました。
自分はトラステッド・コンピューティングの事業企画をしていた時期があるんですけど、トラステッド・コンピューティングもそれなりの規模がある積み上げ型の面白い技術です。ただ、デプロイ(deploy:本番環境配置)やアダプション(adoption:適用)にめちゃくちゃ苦労して、とても素人が使えるものじゃなかったんです。TPM(Trusted Platform Module)って鍵管理がすごく大変で、下手するとデベロッパーでもシステムを壊すと修復できない様なUI(User Interface)でした。UIが最悪で重いセキュリティシステムなのです。ビットコインはいまだに「UI/UX(User Experience)が悪い」と言われるんですけど、コンシューマーでも使えるので、トラステッド・コンピューティングに比べるとはるかに使いやすくて、パラダイスです。

※トラステッド・コンピューティング(Trusted Computing):従来コンピューターのセキュリティは、暗号技術等によるソフトウェアに依存していたが、それだけでは全ての攻撃から保護することは困難であるため、その問題を解決するためにセキュリティの一部をハードウェアに依存してセキュリティ機能を高めようとする技術

トラステッド・コンピューティングのデプロイとアダプションで苦労しつつ、2007年~2008年はワシントンDCに駐在していて、ビットコインを見た瞬間に「あっ、これはいける!」と思ったんです。トラステッド・コンピューティングでやった苦労をビットコインでやれば、マネタイズ(monetize:収益化)もできるし、ビジネス機会もあるしで、「最高だな」と思ったのが2013年末から2014年でしたね。

そんな時に、マウントゴックス(株式会社MTGOX)が潰れたんです。
潰れる直前は、ビットコインの値段も上がっていましたし、マウントゴックスが危ないということもあって、毎週木曜日に開催されていたミートアップで議論が白熱していました。どう白熱していたかというと、海外のみんなは「マウントゴックスが危ない」と言っているけど、東京のビットコイナー(ビットコイン愛好家)の一部は「俺達はマウントゴックスのインサイダーだ!」と言っていました。マウントゴックスはそれまで3回か4回か危機を乗り越えていたので、ロジャー・バー(Roger Ver)の友人らは「今回も乗り越えるぞ!」「乗り越えられるに違いない!」と言っていました。その頃、アンドレアス(Andreas M. Antonopoulos)もマウントゴックス危機の話をしていました。

また、NYの公聴会 NYDFS(The New York State Department of Financial Services:ニューヨーク州金融サービス局)が始まるのが日本時間の深夜0時~、1時~、2~、朝7時までみたいな感じに、ほぼ毎日徹夜でひたすらマウントゴックスやビットコインの話を追っていたのが、2014年1月から3月の話ですね。それがめちゃくちゃおもしろくて、それらを一緒に調べていたのが、大石哲之さんやプロボノ(Pro bono:慈善活動する有識者)活動されている後藤あつしさんでした。色々と熱心に勉強されている人たちがいたので、トレードしながら毎日調べて理解を深めていた時期でした。


--私は本間さんに、トレーダーのイメージはなかったのですが、当時はトレードされていたんですね?

トレードと言っても、マウントゴックスでゴックス・コインを買うとかですね(笑)
※ゴックスコイン:引き出し不能となったMt.Gox内で取引されるBTCをゴックスコインと呼ぶ場合があった。ビットコインが10万円の頃2.5万円で購入できた。ただし、買っても外部に引き出せなかった。

--そのような状況の中、最初に「ビットコインを買おう!」と思ったのは、いつ、どういうきっかけだったのですか?

マウントゴックスでビットコインの値段がガンガン上がっていたのは2013年12月までなんですね。その時にマウントゴックスに口座開設の申し込みをしても、口座開設まで1~2カ月かかったんです。
口座開設できた時には、すでに下げ始めていたのですが「落ちてる時に買えばいいや」って感じで落ちてるナイフを掴んじゃいました(笑)8万円とか6万円とかで買って…それは結局ゴックス(「取引所から引き出せなくなる」業界用語)しました。


--相場格言で「落ちてくるナイフは掴むな!」とありますが、暴落している最中に買うというのは、怖くなかったですか?

ぜんぜん怖くなかったです。むしろ興奮していたので「一刻も早く買わなきゃ」という感じで、その頃自分はトレードに関してほぼ素人なのでテクニカル分析もできなかったので、素人同然で買いました。


--そこまで本間さんか興奮して買ってしまった、ビットコインの一番の魅力は何だったのでしょうか?

やっぱりですね、ビットコインは21ミリオン、2,100万枚しか発行されないわけで、ほんとに限られた資産なので、これをみると「乗り遅れちゃやべーな!」と思ったわけです。 けど、今の自分の知識があったら、買わないですけど(笑)

--今からすれば安い買い物だったわけですが、ビギナーズラックだったのでしょうか?

ビギナーズラックがあったかなかったか…それを回収できるのは数年後なので、落ちてるナイフを掴んだのはトレード的には失敗でした。1~2年後の底値で全部拾うのがトレード的には正しかったと言えます。
CZ(Changpeng Zhao)やRyan Selkis(TwoBitIdiot)等ちゃんとわかっている人もいて、ピークで全部のポジションを売ってなくした人も実は結構いました。彼らは「数年のベア(弱気相場)が続く」と見えていたのですが、自分は素人でそこまではわからなかったです。
当時、自分が多少なりとも詳しかったのは、半導体とセキュリティの辺りで、トレードについては素人でしたし、金融に関しても多少関心がある程度の素人でした。
ただし、その後、野口悠紀雄先生の本や貨幣論(岩井克人)等たくさん本を読み、金融出身者との会話も増えて、取引・投資をしながら学んできました。


--その頃の弱気相場と、今の状況は似ていますか?

2015年と良く似てます。
すごく激しいブル・ラン(Bull Run:強気相場)のときにみんな熱狂して、その後の下落相場でまじめに振り返って、次の仕込み、次のブル・ランに備えて、事業なり、投資なりを仕込むという、あの当時と今とで、雰囲気はよく似ていますね。

--2017年の熱狂時、本間さんはビットコイナーでありながら一貫してメディアを通じて仮想通貨に対して「バブルです!」とおっしゃっていたのが、私には非常に印象的でした。翌2018年に大暴落して、結果的に予想が結果当たってしまったことに対して、ショックもあるでしょうが今どう思われていますか?
ビットコインは元々「投機目的ではない!」というのが本質にありますので、「暴落してよかった」という面もありますか?

ビットコインはバブル相場とその崩壊を繰り返してきた歴史なので、『必然』ですね。いつまでも上がり続けるというのは無理なので、急カーブで上昇した後には必ず調整局面に入るので、こうなることはわかっていました、これは予想通りでした。
ただ、次のブル・ランがあると思っていて、『バブルとは何か?』というのはわからないですし、まず『バブルの定義』をしなければならないですけど、単純に2013年の高騰と2014-2015年の下落と同じ事を、2017年の上昇と2018年の下落は繰り返しています。2019年も2015年と似通った状況です。次のブル・ランがいつかというと、早ければ今年の夏ですし、遅ければ数年後ですし、また年末になるのかわからないですが、年末でなければならないということでもありません。
ただ、似たようなブル・ランが来ると予想しています。

--そうすると、次のブル・ランは何らかのきっかけなり、次の何かが出てきてブル・ランになるのだと思われるのですが、本間さんが今一番注目している技術等は何ですか?

やっぱりビットコインだと、ライトニング・ネットワーク(Lightning Network)とサイドチェーン・リキッド(Sidechain Liquid)とドライブチェーン(Drivechain)、ルートストック(RSK:Rootstock)辺りです。
これらは技術的革新で、これらが造る新たな市場には興味がありますそれ以外だと、エセリウム(イーサリアム:Ethereum)、インターブロックチェーンのCosmos、ポルカドット(Polkadot)、あとステーブルコインもあり、これらも重要です。技術的に明らかに5年前、数年前と違うのは、インターブロックチェーンとセカンドレイヤーで、どこまで新しい市場を作るか?というのと、これらが色々な市場を作っていくと自分は思っています。
次のブル・ランの主役が何になるかというと、ライトニング・ネットワークのアプリケーションである可能性もありますが、それ以外の可能性もあります。しかし再びICOになる気はあまりしないです。

※インターブロックチェーン:複数の孤立したブロックチェーン・ネットワーク間を繋いで相互運用を可能とするチェーン
※セカンドレイヤー(レイヤー2):ビットコインのブロックチェーン(=メインレイヤー=レイヤー1)上に接続して、基盤となるブロックチェーンが苦手とする機能を補うことによって、問題を解決し機能を向上させるチェーン。
※ライトニング・ネットワーク:ビットコインのブロックチェーンの処理能力問題を解決させるため 同ブロックチェーンの外(オフチェーン)にセカンドレイヤーを構築することにより、少額決済(マイクロペイメント)を高速・低手数料で処理させる技術です。

ライトニング・ネットワーク、サイド・チェーン、インターブロックチェーン、ステーブルコイン、あとその他ですが、電力が来てもいいと思っていますが、それはまだ先だと思います。アートが来るとは思っていないです。アートはだいぶ先でしょう(笑)

ファイナンス・金融系の方がアプリケーションになりやすく、ビットコインやブロックチェーンは伝統的現実世界・物理層に対して無力です。ビットコインやブロックチェーンが物理的世界に対して影響力を及ぼすことは極めて難しいです。頑張るとすると、物理層とブロックチェーン層を繋ぐゲートウェイとしてのエクスチェンジ(取引所/交換所)が重要なのですが、今のところそれはフィアットマネー(Fiat:法定通貨)に限られていて、各取引所/交換所がそれを業としてやっています。

電力とブロックチェーンのゲートウェイができると面白いと思いますし、それ専門でやっている会社もありますが、自分はそれについての情報をあまり追えていません。インターネットなり、スマホなりは、やはりスケールしやすいので、それらの仮想世界に限った方がスケールは簡単です。
物理層に手を入れるのは極めて難しいのですが、フィアットとの交換に特化した各取引所/交換所は成功しました。ただ、フィアット以外の物理層との交換を行うゲートウェイというのは難易度が高くて、そこまで自分は注力しようとは思っていません。

--いま挙げていただいた中で、一番注目しているのは何になりますか?

ライトニング・ネットワークが一番、爆発的にエナジー、パッション、ビジョン、モチベーション、タレンツが揃ってまして、それは強いです。
ビットコインのブロックチェーンのベースレイヤーはスケールできない仕組みです。ビットコインのブロックチェーンは秒間取引4件~7件で極めて非効率です。それはセキュリティが高いということでもありますが、この非効率性というのは、ビットコインの新規発行分の売却益で高コストは賄われているわけです。従って仕組み的にスケールしないのですが、スケールさせようと思ったら、サイド・チェーンかライトニング・ネットワークです。サイド・チェーンはLiquidが頑張っていますが、ただし、「パブリックチェーン(Public chain)」ではなく「パーミッションド・チェーン(Permissioned chain: 特定の参加者に限定)」です。それに対してライトニング・ネットワークは「パーミッション・レス(Permission-less)」なので誰でも参加できます。

それは、ビットコイン・トランザクションとして「ペイメントチャンネルを開ける」→「ペイメントチャンネルを閉じる」という、ペイメントチャンネルの開け閉めはビットコイン・トランザクションでブロードキャストするのですが、その間はローカルな仕組みで、アリス⇒ボブ⇒キャロル⇒デイヴのやり取りです。

ただ、ローカルなやり取りが、トラストレス(「信頼できる第三者」は不要)で行われるというのがビットコインの特質をそのまま引き継いでいて、オンチェーン(取引全てがブロックチェーンのネットワーク上にリアルタイムで記録される)ではなくオフチェーン(取引結果だけをブロックチェーンのネットワークに記録)でスケールさせています。


--ライトニング・ネットワークが成功すると将来どのように変化しますか?それによって本間さんには、どのような未来が見えますか?

すでに、商用・コマーシャルで動いており、すでに一部で決済に使われています。

今まで、ビットコインの取引手数料は1トランザクションあたり最低でも300~400サトシでした。高い時は8,000円相当まで上がって結構高かったわけです。今でも7,000サトシでは使えないし、そうすると最低取引手数料は1万から2万サトシぐらい必要となります。ビットコインキャッシュの方が多少安いけど、1サトシをビットコインキャッシュで送ることはできません。ライトニング・ネットワークの場合、1サトシ、10サトシを送ることができます。1,000サトシが約4円で1サトシが約0.004円ですから、0.004円が送れたことって人類史上初なので、すさまじいインパクトが実はすでにあります。

ただ、そのアプリケーションについては、まだ誰も考えが及んでいなくて、「技術的にはできちゃった」という状況です。まだ市場で応用されるには至っていません。ある意味、これは例えるならば「物理的な発見がされた」に近くて、一般相対性理論なのか量子力学なのかわからないですけど、なにしろ根本的に重要な発明が起きちゃったけれども、まだ市場には到達していないと。

--「マイクロペイメント」についてもお聞きしたいのですが、今お聞きした「ライトニング・ネットワーク」と同じですか?

ビットコインもビットコインキャッシュも昔からマイクロペイメントはできていました。というのは、国際送金であっても50円、100円、1,000円を送ることができます。ライトニング・ネットワークはさらに桁が4桁低いので、ライトニング・ネットワークのマイクロペイメントは、これまでのオンチェーンのマイクロペイメントとは4桁違います。
ただ、マイクロペイメントのすごいアプリケーションは、まだあまり見えていないのです。ビットコインもビットコインキャッシュも、まだマスアダプション(Mass Adoption:普及)していないからです。従って、ビットコインやビットコインキャッシュによるマイクロペイメントで大ヒットってまだないのです。
ライトニング・ネットワークで4桁下がっても、まだマスアダプションに至っていないので、マイクロペイメントについては、キラーアプリはまだ出ていません。

国際送金は2013年からずっと議論されています。
中央銀行の仕組みというのはコンサバ(Conservative:保守主義)で、中央銀行は国内で独占しているので、パフォーマンスとかは考えていなくて、安定が一番大事です、最重要です、と。なので、国際送金って高いと思うのです。

SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication:スイフト)というものがあり、中央銀行同士をネットワークで繋げて国際送金していて、中央銀行は特に競争していないということもあって、国際送金 は手数料が高いと。
国際送金にビットコインなりリップルなりビットコインキャッシュなりは、一応参入はしたのですが、その手数料は下がっていないです。まだ本格的な競争が起こっていないのです。国際送金の手数料がどう下がっていくかは興味があります。ステーブルコインが重要な役割を担う可能性あります。
※ステーブルコイン:法定通貨や仮想通貨等にペッグ(裏付け/固定/担保)された仮想通貨(コイン/トークン)。

あと、ビットコインはまだマスアダプションしておらず、ビットコイナーは2013年・2014年・2015年と冷たい扱いを受けました。2017年にブル・ランがあったからビットコインは認知されたかなと思って、ついそう思って話すと「いやまだですよ、まだマスアダプションしてないですよ」と言われます。

今のビットコインの方が2015年のビットコインに比べると、ライトニング・ネットワークもリキッドもSegwitもあって、時価総額も大きくなって、システムとしては、はるかに安定して洗練されています。それでもマスアダプションしていません。
※Segwit(Segregated Witness):ビットコインのブロックサイズ制限(スケーラビリティ)問題の解決のために、トランザクション(取引処理)情報を圧縮する技術で、ビットコインには2017年8月に実装されました。

そういう意味ですと、"Blockchain not Bitcoin"と"Bitcoin not Blockchain"とを比較すると、"Blockchain not Bitcoin"の方が世間的には主流だと思います。"Bitcoin not Blockchain"というのは、自分はずっとそう思っていますけれども、それはまだメインストリームには至っていないので、当面"Bitcoin not Blockchain"派はストラグル(struggle:争闘・努力)することになると思っています。

この『ビットコイン対ブロックチェーン』の競合はしばらく続くでしょう。
それに関しては市場が判断することで、私はビットコインがブロックチェーンに勝つと思っていますけれども、ブロックチェーンはブロックチェーンで開発を続けて市場を見つけてくれる分には、むしろ”ウエルカム”です。


--最近特によく言われています「仮想通貨(ビットコイン)はダメだけれども、ブロックチェーンは素晴らしい」という意見に対する反論はございますか?

ビットコインがすごかったのは、 Proof of Work(PoW)だったり、”Central Point of Failure”がない・TTP・権威に依存しないだったり、Peer-to-peer(P2P)で送れるだったりと、いくつかの衝撃的な強さがあるんですね。
ブロックチェーンにはそれがないんですよ
なので、自分から見るとブロックチェーンには技術的な魅了がないのです。
※Proof of Work(PoW):ビットコインのブロックチェーンには中央管理者がいないため、意思決定に「Proof of Work」と呼ばれる『多数決』をネットワークに組み込んでいます。これにより、不正を働く少数派の攻撃から、正当な多数派による、『数の力』で不正な攻撃から守る仕組みが取られています。

ビットコインが到達したいくつかの特色をブロックチェーンはパクっていて、ブロックチェーンがほんとに実装されて市場で役に立つのであれば、それは素晴らしいことです。是非やってください、是非見てみたいと思います。ただ、自分はそこに対しては傍観者なので、ビットコインとブロックチェーンとで競合するとも思っていなくて、ビットコインやブロックチェーン競合するのは、従来の金融システムであったり、RDB(Relational Data Base)だったり、従来のものだと思っています。

ただし、従来のものをリプレイスできるほど、正直言うとブロックチェーンには魅力はない。従ってブロックチェーンは新規市場を開拓する必要があって、それというのは「共有データベース」、データの共有についてはDLT(Distributed Ledger Technology:分散型台帳技術)というのは、確かに機能するかもしれません。
非改ざん性とか透明性とかいろいろ言われていますが、それはビットコインには言えていますが、ブロックチェーンに対して本当に言えているのかというと、正直言うと極めて疑問なのです。ただ、そこはブロックチェーンの問題なので ブロックチェーンなりDLTなりが頑張ればいいという話です。

--今まだビットコインを持ってない人へ何か一言いただけますでしょうか。

「デジタル・ゴールド-ビットコイン、その知られざる物語-」という本を読んでください、娯楽と教育を兼ねるいい本なので、まず読めばいいと思います。自分は、安易に「ビットコインを買いなさい」と言いたくない人なので、この本を読みましょうと。


--最後にお聞きしますが、本間さんにとってビットコインとは何でしょうか?

えーとですねぇ。面白いんですよね。(笑)自分は映画と音楽と文学と色々と、すごい好きなんですね。大量に読んでるんですけど、ビットコインはそれらよりも面白いです。(笑)なので自分にとってビットコインとは『最高に面白いもので、最高の娯楽』です。

まぁその面白さは、何が面白いかというと、この業界に入って、会う人会う人達がみんな自分よりも優秀だったんです。ニコラ・ドリエ(Nicolas Dorier)やジェリー・チャン(Jerry Chang)やエドモンド(Edmund Edgar)、日向理彦さんなど、みんなめちゃくちゃ優秀だったんです。それが最高に魅力的で、自分はできれば、自分より優秀な人と働きたい人なんです。(笑)
CZ(Changpeng Zhao)もそう、ビタリック(Vitalik Buterin)もそう、会う人会う人の全員が全員、天才系というのは私は人生初なのでそこが最高の魅力なんです。

こんなに優秀なコミュニティは自分の人生で初めてでした。めちゃくちゃ優秀な人たちがひしめいています。彼らと日々、Twitterなり、Telegramなり、Slackなりで議論して進捗があるというのは、プロダクティビティ(productivity:生産性/効力)としても最高で、経済的リターンもあるのが最高に楽しいです。

なので、仕事をする分野としては、これ以上魅力ある分野というのはなかなか見つけられないと正直思います。例えば、大手金融・伝統的大企業とかを自分から見ると、公開しても誰も興味を持たないような、どうでもいい情報を必死に秘密にしていたり、コンプライアンスについても、『コンプライアンス至上主義』で自殺してしまっている企業が多いと思っています。

そういうところを見ていて、オープンソースをマネーにしているというところは、プロダクティビティとして最高なので、リターンも最高だと思っています。

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