仮想通貨(暗号資産)遍歴 第2回-藤本真衣さん-

第2回のインタビューは仮想通貨・ブロックチェーン業界では知らない人は少ない「ミスビットコイン」こと、藤本真衣さんです。

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仮想通貨(暗号資産)遍歴 第2回-藤本真衣さん-

仮想通貨遍歴 第2回

仮想通貨・ブロックチェーン業界で著名な方々の仮想通貨遍歴をお聞きしたインタビュー記事を掲載します。第2回のインタビューは、「ミスビットコイン」こと、藤本真衣さんです。

藤本真衣
株式会社グラコネ 代表取締役
株式会社withB Co-founder 兼顧問

仮想通貨遍歴 第2回

--私の周りの金融業界の方々の中では、まだ藤本さんを知らない方が多くいますので、改めてお聞きしたいと思います。まずは、ビットコインとの出会いについて教えてください。

ビットコインとの出会いは2011年の12月15日、英会話のモニカ先生と一緒にディナーを食べていたときです。彼女の電話が鳴り止まないので「どうしたの?」って聞いたら、「ちょっと変な外国人がいて、こっちに来るって言ってるけど、ビットコインとやらの話ばかりで、意味不明だし怪しい感じだから、真衣ちゃんに会わせたくないの!」って言われたんです。私は、ネイティブの人だから英語の勉強になると思って、「呼んでいいよ」って言ったんです。そこに登場したのがロジャー・バー!
※ロジャー・バー(Roger Ver):2011年からビットコインに投資していると言われている、ビットコイン関連スタートアップのエンジェル投資家

彼は「はじめまして」の次から、ずっとビットコインのことばっかり終始話してました。(笑)彼は話し出したら止まらなくて、今も当時と変わらず衰えないですね。その時に初めてビットコインのことをロジャー・バーから聞いた…それがビットコインとの出会いですね。

--本来であればビットコインの第一印象を聞きたいのですが…その前にロジャー・バーの第一印象はどうでしたか?(笑)

ロジャー・バーに対しての第一印象は、とりあえずよく喋る人だなと、これだけ熱心にずっと喋り続ける人っているんだっていうのが第一印象でした。(笑)
ビットコインに対しては、なんか難しいこと言ってるし、英語だからよくわかんないなと思ったんです。けど唯一、彼の言った「海外送金の手数料ほぼかからない」という一言だけが頭の中に残りました。他の難しいこと、例えば「銀行を通さずにP2P(peer-to-peer)で送金できる!」とか、当時そんなん言われても全然わからへん!まぁ「手数料安い」という部分が幸い自分の悩みにヒットしたので頭に残りました。


--その当時の悩みとはどういう悩みだったのですか?

ギッズ時計(子供たちの笑顔で時間を知らせる)というウェブコンテンツ会社の、スタートアップをやっていた時です。その頃は、社内で寄付のプラットフォームを立ち上げる企画をしていた最中でして、ちょうど「寄付の海外送金の手数料が高い」という悩みを抱えていたんです。だから私の悩み解決のために現れた、それこそジーザス(神)!でしたね。

--ビットコインを知ったその後、今の活動に至るまでを教えてください?

最初、寄付のプラットフォームを作ろうにも、誰も周りにビットコインのことを知っている人がいなくて、『ビットコイン』とWebで検索しても日本語の記事なんて殆どなかったわけです。まずビットコインを広めないと、寄付と言ってもビットコインを持っている人がいないよなって思って。そこから『ミスビットコイン』という覚えてもらいやすい名前を自ら名乗り、ビットコインを普及する活動を始めて、…今に至るわけです。

私、実は人一倍飽き性なんです。それなのに7年以上ビットコインについては興味を持ってるんで、ある意味すごいなと自分で感心しています。(笑) きっと毎日のように良いニュース・悪いニュースで激動なので飽きる暇がないんでしょうね。

ビットコイン普及までの道のりは平坦ではなかったですが、ビットコインという名前をようやく多くの人が認知してきたので「時は来たり」で、仮想通貨の寄付プラットフォームKIZUNAを一昨年に立ち上げる事ができました。ただ念願のプラットフォームが完成したらしたで悩みが出てくるわけです。理由は単純で、活動をしていく中で資金繰りをうまく考えられず、開発費や、人件費などで出費がかさんでしまうんです。最初はクラウドファンディングで皆様に助けて頂きましたが、その後はどんどん出ていってしまいました。
KIZUNAは「1円でも多く届けたい」っていうコンセプトで、寄付した額が NPO のウォレットに直接入る仕組みになっているので、KIZUNAは手数料を頂いてないんです。手数料がちょっとでもあった方が運営もうまく行く、と色々な人から意見をもらいました。でもそれをしてしまうとビットコインの良さが表現できないから、と悩んで頭でっかちになり行動できないという悪循環になっていました。ただ、最近ようやく自分の中で納得できる方法をみつけ、今はKIZUNAを改良中です。3つの点を改良し、5月末ぐらいには再リリースできる予定です。

改良の1つ目は『KIZUNAにも寄付をしてください』っていうボタンをつけます。NPOへの寄付に対して私が何%かの手数料を徴収するのは罪悪感あるけど、これは私を直接応援してくれる人から頂けるお金だから、ってことで納得のいく落とし所が見つかりました。2つ目は、KIZUNAは送金先のウォレットを提示していただけですが、寄付して下さった方にお礼のメッセージを送りたいっていう、NPO からの要望が多かったので、名前とアドレスをつけて送金できるようにしました。送金者は匿名にするかアドレス登録するか、二つの選択ができる仕組みにします。3つ目は、トランザクション履歴(いつ、何ビットコインがどこに送られたのか)を全部を表示できるようにします。

あと、数日前にリリースされたのですが、バイナンス・チャリティ・ファウンデーションのバイナンス・チルドレン・アンバサダーに就任しました。私を含めた11人の新しいアンバサダー達は、バイナンス・チャリティー・キャンペーンを支持し、子ども達の栄養、健康、教育の向上を目的とした、透明性の高い暗号通貨寄付の普及活動に取り組んでいきます。自分の寄付プラットフォームも持っているのに何故?とも聞かれるのですが、仮想通貨と寄付の可能性を伝えたいという思いで動いているので、同じヴィジョンを持っているチームと協力し合い、お互い支え合うのはプラスでしかありません。

先程も立ち上げてからも色々と悩んだと伝えましたが、去年はICO(Initial Coin Offering)の方がいいんじゃないかって思って悩んでいたこともありましたね。トークンを発行して、そのトークンをビジネスに繋がるようなプロジェクトのベースに使ってもらう。とかの方が、寄付された人の成長や自立を本当に援助する正しい姿なのではないか?って考えたりしました。でも今は「寄付は寄付で必要」なんだと思えるようになったので、それを続けています。「何が一番正しいか」を考えるのはキリがないですね。バイナンスや世界各国のコミュニティーと仮想通貨やブロックチェーンの最良な使い方を議論していければいいなと思っています。

--「寄付」に対する心の動きがあり、それに対する結論を出せた今は、どのような活動をされていますか?

現在の活動は、もうすごくいっぱいあるんです。(笑) Graconeっていう私が代表取締役の会社があります。 “gravitate=引き寄せる” と”Connect=つなぐ”で、グラコネです。仮想通貨・ブロックチェーン業界のコンサルティングやPR、そしてマーケティングなどのアドバイザー業務を行っています。マイニング事業も行っているGMOインターネットグループ(代表取締役会長兼社長 グループ代表:熊谷正寿)、仮想通貨取引所のビットポイントジャパン(代表取締役社長:小田玄紀)、日本でトップクラスな技術集団のLayerX(代表取締役:福島良典)、税務に強いAerial Partners(代表取締役:沼澤健人)、そしてジャパンポップカルチャーであるオタクを世界に届けるOtaku Coin協会などを顧問としてお手伝いさせて頂いてます。

ビットポイントジャパンさんは、小田社長の人柄に惚れて小田さんと一緒にやりたいなと思ってやり始めました。去年6月にあった西日本豪雨の被害のためにバイナンス取引所が、約1億5千万円を仮想通貨で被災地に寄付したいって話があったんです。私は先ほどお話ししたKIZUNAを運営していますが、バイナンスのCZがバイナンスのチームとグループ作って「真衣は信用できるから、彼女とやり取りしてくれ」って言ってくれて、窓口になりました。やり取りの中で大きな悩みは、仮想通貨ってボラティリティが激しいから、受け取った時点で何百万円も減らしてしまうリスクが有り得ることでした。そこでOTC(over-the-counter)取引、大口取引をしてくれるところ探していたら、小田さんがすぐに「日本の為に寄付してもらったお金を減らす事なんてできませんもんね、お力貸します!」って言ってくれたんです。それを機に私はビットポイントジャパンさんとご一緒しようって決めたんです。お仕事を一緒にするようになって分かったのですが、ビットポイントさんは、香港、台湾、韓国、タイ、マレーシア、パナマと展開していて、しかも、現地の会社と提携し現地通貨にも対応してる。海外展開の目の付け所も優れていて今後とても楽しみな会社のひとつです。

GMOインターネットグループさんは、マイニングのマシン製造は撤退しましたけど今でもマイニングは続けていて、詳細はここでは話せませんが面白い動きをしています。

オタクコインはオタクのコミュニティの中でエコシステムをうまく設計している。何より私もオタクで、元々コスプレーヤーとして活動してた時期もあったんです。オタク文化の中で、情熱やこだわり、可能性を感じられたんですよね。個人が好きな事で輝ける時代とトークンエコノミーの相性が良いのは、私も肌感覚でわかるし日本を代表するようなコンテンツになるなと思っているので、オタクコインも楽しみです。発表されたAnique(アニーク)というサービスもとても面白い!「進撃の巨人」という文字通りのビックコンテンツとブロックチェーンを組み合わせた初めての取り組みなんです。「進撃の巨人」の残酷で美しいアートワークをNFT(Non-Fungible Token)化して、世界に一人だけが所有できるようにしているんです。Aniqueのようにブロックチェーンの技術を説明しなくても、価値が体験でわかるようなプロダクトはどんどんでてきて欲しいですね!今回は、日本発のサービスで日本の最強の強みであるアニメと掛け合わせているのが大きなポイントです。ブロックチェーン業界全体に良いインパクトを与えるので、ガッツリと手伝っています。

企業のグローバルリレーションシップの助けたいと思えるような会社を中心にお仕事しています。
海外から「この分野で、日本ではどの企業に会ったらいい?」って言われたら、自然と顧問先を紹介します。

日本企業では後1社、仮想通貨・ブロックチェーン業界特化型の人材紹介サービスのwithBですね。秋山さんにも参画してもらってます。

--2017年11月に藤本さんから「人材紹介会社の設立、コラボできませんか?」ってお声がけいただいたのがきっかけでしたね。藤本さんの人脈は技術系でビットコインの古参の方々が中心、私は金融系の新参者が中心でしたので、いい”グラコネ”でした(笑)その頃より今の方が、仮想通貨・ブロックチェーン業界は金融業界の知識・経験を求めてますし、金融業界は仮想通貨・ブロックチェーンによるイノベーションに期待していますので、人的交流が深まっていると体感してます。--

そして海外の会社ですと、BRD (Breadwallet:スイス)、MediBloc(韓国)、Zeex(イスラエル)と会社の顧問を担当しています。BRDは「ウォレット・ビジネスってマネタイズできない」って言われてた時から、「暗号通貨界の銀行になる」っていうコンセプトで、ウォレットには留まらないサービス展開やユーザビリティを考慮したサービスを上手く考えられていてたチームです。

MediBlocは、世の中にいろんな「メディカル×ブロックチェーン」のプロジェクトがあって、ほとんどがオープンソースじゃなく、ロードマップ通りに進んでない中、彼らはオープンソースでしっかりと開発を続けています。Forbesで「注目のクリプトプロジェクト」に選ばれたり、韓国の中でも評判の良いプロジェクトです。チームがとても良いんですよね。こちらも関われて光栄です。

あと大事だと思っているのが、社会実装についてです。ただのポエムではなく、リアルな社会にブロックチェーン技術を結びつけるという意味で取り組んでいるのが”Not For Sale”という団体です。もうすぐシンガポールで会社化しますが、元々は8カ国から集まったGlobal Decentralized Research Teamで、彼ら全部のナレッジを足すと5,000万以上のホワイトペーパーを読み切っているチームなんです。良質なレポートを今も作っていて、世界各地でトップグローバル企業にレポートを提出するコンサルティング業務も請け負っています。

実は企業の方々から「どんなイベントに行ってもトークンを売るようなイベントばかりで、安心して勉強できない」って言う声をよく聞きました。だからこそ、チームの名前は”Not For Sale”で、「何も売り込みませんよ」という意味が込められています。私の役目は”Not For Sale Japan”の日本代表として、「ブロックチェーンはこういう風に使える、逆にこういう風には使えない、相性が合わない」という情報やノウハウを共有し、無駄なく早く業界が進化する手助けになれたらと思っています。

また、取締役としてジョインしている”The Nodist”というメディアを日韓同時にオープンしました。ブロックチェーンや暗号通貨への関心が高いアジア圏の国々ですが、言語が多様なため日本国内ではなかなか情報を得る機会が少ないのが現状です。まず、日本と韓国で同時に創刊しましたが中国、台湾、その他の国を含め、独自の繋がりや海外メディアとの提携を進めながら、読者の方々が今までアクセスしづらかった情報を提供できたらと思っています。

--色々な国の会社とお付き合いありますが、海外へはよく行かれているのですか?

私は去年、1/3ぐらい海外に行っていました。海外のカンファレンスにスピーカーとしてお招きいただき、登壇してきたんです。私の英語レベルなら普通は断るのでしょうけど、「自分の英語を克服したい」という点と「日本にも注目して欲しい」という思いでチャレンジしました。

拙い英語で恥もかきましたが参加してよかったのは、VIPの部屋や懇親会などで色んなトッププレイー達と繋がりが出来たことですね。去年までは、私は自分の実力、自分の持ち前の部分を貯金するために出資していた感じでした。今年はそれを活用して、顧問先の企業が私の持っている繋がりからビジネス機会を生み出したり、彼らの知名度アップになるコラボレーションを行っていきたいと思っています。去年までやってきたことが大いに実り、期待してくれている顧問先のお役に立ちたいと思って今年はやってます。

また、仮想通貨業界に入ってからずっと、コミュニティーに貢献するボランティア的な活動はとても大事だと思ってきました

数ヶ月前から日本のマイクリプトヒーローズ(My Crypto Heroes)が、世界で注目されていますよね。世界から注目されるコンテンツが日本から生まれてきたので、コミュニティビルディングの部分にせっかくなら私も関わりたいなと思い、私自身もミートアップや、ハッカソン(開発アイデアのイベント)を開催しています。マイクリプトヒーローズのハッカソンで面白いのが、全員が主役なんです。主催っていうきっかけを作ったのは私かもしれないけど、最初のボールを投げて、そこから勝手に「僕がイーサリアムで協賛します!」とか、個人ベースで「エクステンション(ヒーローが装備する武器や防具)提供します!」とか言っていい。アイテムに懸賞を与えたりだとか、そういう風にみんなが盛り上がろうとしてやってるっていうのが、これこそブロックチェーンの面白さだなって思うんですよね。リアルの世界とゲームの世界がこうやって一緒になってきているというか、そういうのを見てて本当に面白いです。

--それではビットコインなどの仮想通貨・ブロックチェーンの未来について、どのように思われていますか?

『当たり前』になっていくんじゃないですかね。 日本人はそんなに「日本円が危ない」と思ったことないと思うんです。だけど金融情勢が不安定な国もあるわけです。例えば、キプロス危機(=キプロス・ショック:2013年に発生して金融危機)があった時は「法定通貨よりビットコインの方が信じられる!」って流れだったし、バイナンスがウガンダで仮想通貨取引所をオープンしたら1週間で4万人が口座開設を申し込んだってことがありました。これからは「アンバンクド(銀行口座を持てない人達)」の人達が、銀行口座を作れなくても仮想通貨なら持てるから、世界の人口で仮想通貨を持っている人の割合が大きくなると思います。そしてインターネットでお金のやり取りや情報のやり取りがまとめて流れるようになって来ると、法定通貨よりも仮想通貨の方が使いやすくなってくると思います。例えばアフリカの人とやり取りする必要が出てきた時は仮想通貨が楽だったりすると思うんです。そうなると、自然と仮想通貨が「使われなくなる」よりも「使われるようになる」の方が想像がつきやすい。7年前から「仮想通貨なんて!」って言われ続けてきたけれど、いま明らかに進歩してますよね。

ビックカメラではすでにビットコイン決済が導入されているし、最近ではSuicaに仮想通貨でチャージできるようになるって報道されてました。「怖い怖い」と言ってる人は、怖い理由をちゃんとわかってないから怖いので、もうちょっと現実で何が起こっているのか目を向けてみるといいかなと思います。


--とはいえ、仮想通貨の世界は詐欺も多いので、一般の方にとっては情報収集が難しいと思うのですが、藤本さんはどのようにして健全な情報収集をしていますか?

鍛えられてるから、ある程度は直感で、自分で(詐欺系を)弾けるんです。(笑)真面目に回答すると、まず正しい人と繋がって、その人と情報交換していれば、ある時は助けられ、ある時は助ける。そういう良いコミュニティに入ることが何よりも大事だと思いますとりあえず良いコミュニティにまず入りましょう!と。

--最後にお聞きしますが、ミスビットコインからみた「ビットコイン」とは?

『自由』そして『人類に与えられた試練と手がかり』です!

『分散化』『透明性』そして『自由』、ビットコインやブロックチェーンは様々なキーワードから成り立っています。使い方によって社会全体にインパクトが及ぶ技術なので、ビジネスやお金儲けというより、社会の構造が変わり得るものなんですよね。これは、今後の人類の生き方に直接関係します。どう使うかによって、今後の未来に大きく影響が及びます。従って私たちは試されていると思うんです、この技術をどう使っていくかを。
だから『手がかり』だけではなく、『試練』という言葉も私の中に入ってきました。

--ありがとうございます、最後にいい一言をいただけました。今後の更なるご活躍を楽しみにしています!

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