【ビットコイン原論文8】Introduction:序論1
インターネット上で行われる商取引の電子決済は、信頼できる第三者機関である、銀行やクレジットカード会社等の金融機関が独占しています。インターネット上の取引において、この金融機関を使った決済システムは、一般的にみて十分に機能しているように思えます。しかし、依然として『信頼』に基づいているモデルであるため、実は不快感を我慢している状態です。
取引データ・支払データ等の情報を不可逆的、すなわち元に戻せない、訂正・修正できないようにすることは不可能です。技術的な問題ではなく、必ず元に戻せる仕様となっています。なぜなら、「商品の売り手/資金の受取側」と「商品の買い手/資金の支払側」のお互いがお互いを完全に信頼することはできないため、両者から信頼される第三者機関である、金融機関が必ず仲介/媒介的役割を担わなければならないからです。
これはつまり、例えば買い手がクレジットカードを不正利用されたことが判明した場合、クレジットカード会社によって売り手への支払いは止められ、販売者にて上がったはずの売上はなくなってしまいます。また反対に、売り手が違法な販売を行っていたことが判明した場合、クレジットカード会社は売り手に代金を支払わず、クレジットカード会社から買い手に代金が返金されます。このようにして金融機関のひとつであるクレジットカード会社は、不正な取引が行われていないかを見張って精査し、不正な取引が行われたと判断した場合は、取引を修正または、元に戻すという作業を行います。仲介者が間に入る限りは、不可逆的なシステムの仕様にはできないということです。
[ビットコインのホワイトペーパー原文は、bitcoin.org様より転載させていただきました。
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System]
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