ビットコイン相場のテクニカル分析(2019年7月後半)

ネガティブな材料をこなした上での120万円台堅持でもあり、ビットコインを巡る上昇モメンタムは引き続き強いと考えらえます。

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ビットコイン相場のテクニカル分析(2019年7月後半)

1. 概況

ビットコインの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、その後の2度に亘る三角持ち合いからの上放れと、レジスタンスラインの突破を経て、心理的節目100万円の上抜けに成功しました。6/26には、昨年1月以来、約1年5ヵ月ぶり高値となる149.5万円まで急伸するなど、一昨年12月に付けた史上最高値(231.2万円)と昨年12月に付けた安値(35.4万円)を起点としたフィボナッチ38.2%戻し、同50.0%戻しを達成。コインチェック不正流出事件に端を発した長期下落トレンドの終焉(全値戻し)を射程圏内に捉えつつあります。足元反落に転じるも下値は堅く、本稿執筆時点(7/13 日本時間午前8時時点)では、128万円付近での底堅い動きが続いております。

1.	概況

こうした力強い動きの背景には、①世界的な金融緩和期待を背景としたリスクアセットとしてのビットコイン需要の高まりや、②改正資金決済法及び改正金商法の可決・成立、FATF(金融活動作業部会)による規制強化の明確化を通じて仮想通貨(暗号資産)市場に健全化ムードが広がりつつあること、③ビットコインETFやBakkt、ErisXなど機関投資家参入を想起させ得る潜在的な好材料が増えつつあることに加えて、④米中貿易摩擦の激化やグローバルに広がる地政学的リスクを背景にリスク逃避資産としてのビットコイン需要が高まっていること等が指摘されます。

つまり、仮想通貨(暗号資産)ビットコインは、リスクオンで上昇するリスクアセットとしての側面と、リスクオフで選好される安全資産としての側面双方の影響から資金流入が促されており、既存の金融プロダクトと無相関であるが故に「その価値」が改めて再評価される展開となっております。更に、足元ではCFTCによる米LedgerX社への現物受渡先物取引の認可付与や、ゴールドマンサックスによる仮想通貨(暗号資産)関連求人の掲載、ハッシュレートのヒストリカルハイ更新など、明るいニュースも増えつつあります。Facebook社が発行予定のリブラに対する風当たりの強さや、本邦仮想通貨(暗号資産)取引所ビットポイントジャパンでの35億円規模のハッキング事件など、ネガティブな材料をこなした上での120万円台堅持でもあり、ビットコインを巡る上昇モメンタムは引き続き強いと考えらえます。本稿では、ビットコイン・円相場の先行きについて、テクニカル分析の観点で考察いたします。

2. 移動平均線

2.	移動平均線

2月下旬に達成した、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)のゴールデンクロスを皮切りに、ビットコイン・円相場はその後上昇トレンドに突入しました。4月上旬には、約1年ぶりに200日移動平均線(赤)を上抜けした他、4月中旬には、21日移動平均線(青)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現。5月2週目には、ついに90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも達成するなど、短・中・長期全てにおいて上昇モメンタムの強さが確認されます。

3. ボリンジャーバンド

3.	ボリンジャーバンド

トレンドの方向性を示唆するボリンジャーバンドのミッドバンドは、「右肩上がり」の形状を維持しております。%bが1.0付近から急低下したことで、強い上昇トレンドを示唆するバンドウォークは終焉を迎えましたが、引き続きボリンジャー・ミッドバンドより上方での推移が継続するなど、ビットコイン・円相場は押し目を作りながらも上昇トレンドは継続中と判断できます。

4. 一目均衡表

4.	一目均衡表

ビットコイン・円相場は、6月中旬以降の急騰を経て、①一目均衡表転換線の基準線上抜け、②ローソク足の雲上限上抜け、③遅行線のローソク足上抜けが全て揃う「三役好転(※強い買いシグナル)」が再開しました。3月上旬以降、一度も雲上限に接することなく上昇を続けるなど、ビットコイン・円相場の上昇モメンタムは極めて強いと判断できます。また、今後26日間においても雲のねじれは観測されておらず、上昇トレンドの継続が示唆されます。

5. RSI

5.	RSI

オシレータ系インジケータのRSIは、6月下旬にかけて一時90.0%付近まで急騰しておりましたが、足元56.5%近辺まで低下するなど、過熱感は無くなりました。急騰後に深い押し目を作ったことから、証拠金勢による俄かロングポジションは一掃された可能性が高く(ポジションが軽くなった可能性が高く)、7月後半はロングポジションの再構築に期待が集まります。

6. まとめ

以上の通り、ビットコイン・円相場は、①心理的節目100万円の突破、②フィボナッチ38.2%・50.0%戻しの上抜け、③移動平均線のゴールデンクロス、④上昇トレンドの継続を示唆するボリンジャー・ミッドバンド上方での推移、⑤強い買いシグナルを表す一目均衡表・三役好転、⑥RSIにおける過熱感の消失を材料に、更なる続伸が期待されます。6月以降、ビットコイン・円相場は、80.7万円(6/4)→149.5万円(6/26)→105.0万円(7/2)→143.0万円(7/10)→120.1万円(7/11)→128.0万円(現在)と荒い値動きを続けながらも「底堅さ」が確認されます。30日間のインプライドボラティリティ(ATMデルタニュートラルストラドル)は92%前後で取引されており、実際の値幅に換算すると、向こう30日間の予想レンジが対ドルで8691-14917ドル(1ドル109円で円換算すると94.7万円-162.5万円)が織り込まれている計算です。7月後半のビットコイン・円相場は、乱高下しつつも「上昇トレンドの継続」をメインシナリオとして予想いたします。

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